学校が教えないほんとうの政治の話 の商品レビュー
政治的な立場に中立なんて有り得ない。無関心は「ゆる体制派」から始まって、今(2016年当時)の日本の状況まで、実に分かりやすくまとめてあって、これなら小学校高学年あたりからでも理解出来ると思った。だった207ページの中に江戸時代の一揆から近代日本の黎明期、戦争論と戦前の言論弾圧、...
政治的な立場に中立なんて有り得ない。無関心は「ゆる体制派」から始まって、今(2016年当時)の日本の状況まで、実に分かりやすくまとめてあって、これなら小学校高学年あたりからでも理解出来ると思った。だった207ページの中に江戸時代の一揆から近代日本の黎明期、戦争論と戦前の言論弾圧、憲法について戦前・戦後の右翼と左翼、全体主義と個人主義…これだけ盛り込んであってもすいすいと読めると思う。書評家らしくゴーマニズム戦争論についてもちらっと触れている。ちょっと残念なのはタイトルかなぁ?もうちょっとインパクトのあるタイトルだったら良かったかも?
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若者が投票に行かないのは、ひいきのチームや推しメンがいないからだ、というユニークな観点から、若い読者に向けて書かれた、政治に参加するためのガイド・ブックです。 江戸時代の武家政権による支配と百姓一揆、冷戦期における戦後民主主義と五十五年体制の関係、新自由主義の台頭と東側の崩壊以...
若者が投票に行かないのは、ひいきのチームや推しメンがいないからだ、というユニークな観点から、若い読者に向けて書かれた、政治に参加するためのガイド・ブックです。 江戸時代の武家政権による支配と百姓一揆、冷戦期における戦後民主主義と五十五年体制の関係、新自由主義の台頭と東側の崩壊以後のリベラルの混迷、そして現在のネット上で繰り広げられている「ネトウヨ」と「反日サヨク」の罵倒合戦にいたるまで、それぞれの陣営が依拠する政治思想の異なるさまざまな対立軸を、「体制派」と「反体制派」に分類することで、自分の「ひいきのチーム」を見つけることへと読者をみちびいています。 著者らしい諧謔も随所に見られるのですが、それ以上に本書に込められた著者の戦略的な意図には、舌を巻きました。もちろん、本書はアジテーションの本ではありませんが、もしかするとこれまでだれもなしえなかったような「動員」の思想のヒントを提供しているのではないかとひそかな戦慄をおぼえたのは、わたくしの読み込みすぎなのか、どうなのでしょう。
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各党が多数のトピックで対立している現在、選挙で一体どこに投票したらいいのかよく分からないという人が多いでしょう。そんな人たちに、本書をおすすめします。 著者は「党派性をもたずに政治参加は無理である」と述べています。自分の考えを明確にし、政治参加の第一歩であるひいきの党派をつくる...
各党が多数のトピックで対立している現在、選挙で一体どこに投票したらいいのかよく分からないという人が多いでしょう。そんな人たちに、本書をおすすめします。 著者は「党派性をもたずに政治参加は無理である」と述べています。自分の考えを明確にし、政治参加の第一歩であるひいきの党派をつくるための地図を示したのが本書です。特徴的なのは、各章で二つの選択肢を示して「あなたはどっち?」と問いかけているところです。体制派vs.反体制派、右翼vs.左翼、保守vs.リベラルなど誰もがニュースで聞いたことがあるもののいまいち釈然としないであろうテーマについて歴史も交えつつ平易な話し言葉で分かりやすく解説しています。もちろん、クリアカットには分類できない事項もあるとは思いますが、学び始めにおいてこのような分類的思考は補助輪として役に立つことでしょう。厳密性は概観を掴んだあとに追求すればいいのです。 2016年に選挙権年齢が18歳に引き下げられ、これからは若い世代の積極的な政治参加が期待されます。本書は若い世代が「言われたからなんとなく」ではなく、自分の意見をもって投票するための一助となってくれることでしょう。
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高校生とか大学生、若い社会人向けだと思うが、内容的には日本の近代政治の流れがコンパクトにわかりやすく示されているので、年齢を問わず読みやすいと思う。 政治には中立はないという前提は、たしかにそうだ。考えることから逃げてはいけない、と気づかされる。 有権者の意識、政治家の説明力、マ...
高校生とか大学生、若い社会人向けだと思うが、内容的には日本の近代政治の流れがコンパクトにわかりやすく示されているので、年齢を問わず読みやすいと思う。 政治には中立はないという前提は、たしかにそうだ。考えることから逃げてはいけない、と気づかされる。 有権者の意識、政治家の説明力、マスコミの報道のあり方、日本は2流であり、著書の中でいう『ゆる体制派』中心の国になるのだろうな、と思った。一有権者として、やっぱり勉強して、選挙に行きたいと思う。次は憲法の本でも読もう。
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なぜ学校で教えないのかが分かり易く綴られている。 だとすると、若い世代を中心に政治に関心のある人が少ないのも頷ける。 穿った見方をすれば、この種の事が学校で扱われないのは陰謀論的な国策ではないかとさえ思う。 私はイギリスのEU脱退やトランプの台頭等、名だたる先進国が罹っている...
なぜ学校で教えないのかが分かり易く綴られている。 だとすると、若い世代を中心に政治に関心のある人が少ないのも頷ける。 穿った見方をすれば、この種の事が学校で扱われないのは陰謀論的な国策ではないかとさえ思う。 私はイギリスのEU脱退やトランプの台頭等、名だたる先進国が罹っているポピュリズムの根底にあるのは『自分達さえ良ければ良い社会』に他ならなず、先進国どころか先祖返りではないかと思っている。 個人的には、おらが村ではなく、国でもなく、世界を見据えるのが政治家の役目だと考えているので、はからずも先進国と呼ばれるこれらの国の現状はカタストロフへの序章にしか見えない。 隣人との共存が損なわれつつある今、国というものを考える入口にはうってつけの本だと思う。 良書。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日本の政治史がざっと説明されているところは、わかりやすくて良い。 政治的に中立な人はいなくて、右か左のどちらかによっているもので、著者は左だそう。確かに左の人だと感じる。安全保障と歴史認識の部分以外は、なるほど、わかりやすくていいねと納得できる。
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学校教育では特定の立場の政治に偏って教えられない そうだなあ…そういう前提だものね 社会秩序とiうtいうものがピラミッド状の構造をしている以上 右か左かとか 資本家か労働者かとか 何らかの立場になっているのだな 自分で気が付かないうちに あんまり極端ことをやると△自体が崩...
学校教育では特定の立場の政治に偏って教えられない そうだなあ…そういう前提だものね 社会秩序とiうtいうものがピラミッド状の構造をしている以上 右か左かとか 資本家か労働者かとか 何らかの立場になっているのだな 自分で気が付かないうちに あんまり極端ことをやると△自体が崩れて 違う△になったりするけど その時はおおごとになっている そういうことをわかりやすく書いてあるように思う いまや人間と自然がいかに調和するかというのはどういう△になるのだろう? それは△でなるのだろうか? 異次元の話かもしれない
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そんなに目新しいことは書いていない。 高校を卒業して大学に入ったばかりとか、社会に出たばかりとか、政治に触れ始めた若い人にとって役に立つ本。
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第1章の歴史を読み解いた部分が大変わかりやすく、ここだけでも歴史の教材として使ったらいいんじゃないかと思ったほど。教科書で読むとごちゃごちゃした歴史が「体制」「反体制」とわけるだけで、すっきりと頭に入る。中高生、受験生必読。 第2・3章にある「体制は反体制を全力でたたきつぶす」「...
第1章の歴史を読み解いた部分が大変わかりやすく、ここだけでも歴史の教材として使ったらいいんじゃないかと思ったほど。教科書で読むとごちゃごちゃした歴史が「体制」「反体制」とわけるだけで、すっきりと頭に入る。中高生、受験生必読。 第2・3章にある「体制は反体制を全力でたたきつぶす」「資本主義は『自由』を、社会主義は『平等』を重んじる経済のしくみ」「右翼は『反共』、左翼は『反米』」なんかは、政治に関心がないけど勉強せざるを得ない中高生は覚えておくと便利だと思う。 この本では(というか斎藤さんが書いているものを読めば、どれにもそう書いてあるが)自分の政治信条とその理由がはっきり書いてあるるので、おのずから結論は見えているわけだけど、右翼の人の言い分もちゃんと書いている。 新聞の世論調査を使っている点はちょっとオールドスタイルという気はしたけど。(今新聞を取っていない家はどんどん増えているので。若い人は新聞よりネットニュースが多数派だと思う。) しかし、これを読むような意識の高い中高生は、基本的には大丈夫。 ネットの情報を鵜吞みにするような若者に読んでほしいけど、そういう子たちは読まないんだよね…。
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後半の野球の例えは面白い 共産党の、柴犬をさして「あいつの先祖はオオカミだぞ。危険だぞ」というようなものでトンチンカンもいいところです。 これは笑っちゃう。
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