学校が教えないほんとうの政治の話 の商品レビュー
若者が政治に無関心なのは「ひいいきのチームがないから」と本質をずばりと突く。じゃあ決めよう、あなたは「体制派」「反体制派」か、どっち? 〈「体制派」とはいまの政治を支持し「このままのやり方でいい」と思っている人たち、「反体制派」は今の政治に不満があって「別のやり方に変えたい」...
若者が政治に無関心なのは「ひいいきのチームがないから」と本質をずばりと突く。じゃあ決めよう、あなたは「体制派」「反体制派」か、どっち? 〈「体制派」とはいまの政治を支持し「このままのやり方でいい」と思っている人たち、「反体制派」は今の政治に不満があって「別のやり方に変えたい」と考えている人たちです〉 〈どっちでもない? あ、そうですか。そんなあなたは「ゆる体制派」「ぷち体制派」「かくれ体制派」です。どっちでもない、つまり政治に無関心で、特にこれといった意見がない人は、消極支持とみなされて自動的に「体制派」に分類されます。〉 ここを足がかりに、資本主義と社会主義、右翼と左翼、全体主義と個人主義、といった概念をわかりやすく解説していく。政治に「中立」はない、政治参加には「党派性」が必要だという、この気づきがすばらしい。 すごいよこの本。名言の宝庫。 〈いいですか。政治的な発想は反体制派的発想と結びついているのです。権力の側からいえば、みんなに政治音痴の「ゆる体制派」でいてもらうのが、いちばんいいわけ。〉 〈自分は誰の味方でいたいのか。上半分の資本家や富裕層と、下半分の労働者や貧困層と、どちらの側につくのか。そして、あなたやあなたの家族はどの階級に属しているのか。それは政治を考えるときの大切な指標なのです。〉 〈「国益優先派」は「全体主義」。「人権優先派」は「個人主義」です。〉 〈国家権力は強大で、放っておくと必ず「全体主義」に近づいていく(中略)。個人主義は、国にとってはたいへん面倒で邪魔くさいものなのです。そして邪魔くさいからこそ、個人主義は社会全体にとっても有益だし、必要なんです。〉 ほんと、学校の授業の副読本にしたいくらい。 もっとも重要なのは、「戦後日本の体制派」はどちらだったのかという指摘だ。 〈意外にも(?)左派、自由と権利を重んじる個人主義こそが「体制派」だった。それを私たちは「戦後民主主義」と呼んできたのです。〉 だから日本会議は、安倍晋三は、「戦後民主主義」を目の敵にしてきたし、そのディスりが浸透してきているのだ。左派は自分たちをつい少数派ととらえたがるが、現在を正しく把握するためには、上記の「気づき」が必要なのだ。 政治を考える最初の一歩というだけではなく、政治と自分とをつなぐ道しるべとして、すばらしい一冊だと思う。
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政治に中立は無いという考えをベースにして、左派を自認する著者が日本の政治について口語でわかりやすく書いた本。体制派、反体制派を縦軸。左派、右派を横軸として考え、明治期から現代に至る政治の潮流を考える。
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さすが作家。大学教授が書くような本より断然読みやすい。自分の立場を明らかにするのにも好感が持てる。右翼と左翼の意味がようやくわかった。選挙が楽しみになった。
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本著が想定しているであろう政治に対して自身の意見を持っていない読者の一人として、この本をきっかけに自身の政治的立場を明確にしたいなと思うことができました。政治において中立的な立場は存在せず、少なからず偏りがあるという意見には文章を通して賛成できることが多かったです。 日々色々な情...
本著が想定しているであろう政治に対して自身の意見を持っていない読者の一人として、この本をきっかけに自身の政治的立場を明確にしたいなと思うことができました。政治において中立的な立場は存在せず、少なからず偏りがあるという意見には文章を通して賛成できることが多かったです。 日々色々な情報を整理して自分がどういう環境を望んでいるのか考えつつ立場を固めていきたいなと思います。
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中高生向けの政治を考える本。大人が読んでも、まあ、わかりやすい。美奈子節が炸裂しまくりで、スカッとすること間違いなし。この本が出てから4年経過し、先日は真新しさのない立憲民主党という党名と代表が決定。明日は自民党総裁選...。今秋の解散・総選挙はどうなるのか? この本を読めば関心...
中高生向けの政治を考える本。大人が読んでも、まあ、わかりやすい。美奈子節が炸裂しまくりで、スカッとすること間違いなし。この本が出てから4年経過し、先日は真新しさのない立憲民主党という党名と代表が決定。明日は自民党総裁選...。今秋の解散・総選挙はどうなるのか? この本を読めば関心を持てることだけは間違いない。
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中高生対象の新書ではあるが大人が読んでも十分読み応えがある。 政治に中立はあり得ない、同感。 若者だけでなく、政治になんて興味ない、と言ってる人には是非読んでほしい。 ちょっと過激かな、と思える意見もあるが私は基本的に著者と同じ考え方。 政治なんて自分には関係ない、なんてぼんやり...
中高生対象の新書ではあるが大人が読んでも十分読み応えがある。 政治に中立はあり得ない、同感。 若者だけでなく、政治になんて興味ない、と言ってる人には是非読んでほしい。 ちょっと過激かな、と思える意見もあるが私は基本的に著者と同じ考え方。 政治なんて自分には関係ない、なんてぼんやりしていると取り返しのつかないところまで日本の政治は来ていると思う。 この本が書かれた時から4年ほど経っている。 状況は余計に悪くなっていると思う。 将来を担う中高生には是非読んでほしい。 政治に無関心な大人にも。
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よかった。歴史だいじ。ひいきのチームを見つける、というの、わかりやすい。あと中立とかねえよ、というのもいい。
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大学の講義で用いられた新書でした。 政治に無頓着な若い世代が、政治的教養や政治への関心を持つきっかけとして、とても有用だと思われます。 基礎的な知識について具体的な時事問題を絡めながら、非常に簡潔にわかりやすく書かれていました。筆者が本書の中で述べていたように、「中立はない」...
大学の講義で用いられた新書でした。 政治に無頓着な若い世代が、政治的教養や政治への関心を持つきっかけとして、とても有用だと思われます。 基礎的な知識について具体的な時事問題を絡めながら、非常に簡潔にわかりやすく書かれていました。筆者が本書の中で述べていたように、「中立はない」というのは確かにそうかもしれないと考えさせられました。
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この本を読み終わってから、統一地方議員選の様子をテレビで見ていたら、これまでより胸にせまるものが生まれた。ちょうど、地元の若手候補にオバチャンたちが「がんばれー」と声をかけている場面。これが、ごひいき筋ということで、これも選挙を活発にしてきたのだろうなあ。教科書の中に羅列された単...
この本を読み終わってから、統一地方議員選の様子をテレビで見ていたら、これまでより胸にせまるものが生まれた。ちょうど、地元の若手候補にオバチャンたちが「がんばれー」と声をかけている場面。これが、ごひいき筋ということで、これも選挙を活発にしてきたのだろうなあ。教科書の中に羅列された単語や数字だけではなくて、もう少し自分目線で社会を捉えるにはどうすればよいか、選挙を通して考え方の例を見せてくれた本だった。
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十代向けに書かれた現代政治の本。斉藤美奈子がこれほど左寄りだとは残念だった。 文筆家に保守主義者が少ないから若者は左傾化するのかもしれない。 ただ、政治的立場に中立はあり得ないというのは良い指摘。 最近は右も左もそう指摘されることを嫌い、自分はあくまでも中立であって世の中や相手が...
十代向けに書かれた現代政治の本。斉藤美奈子がこれほど左寄りだとは残念だった。 文筆家に保守主義者が少ないから若者は左傾化するのかもしれない。 ただ、政治的立場に中立はあり得ないというのは良い指摘。 最近は右も左もそう指摘されることを嫌い、自分はあくまでも中立であって世の中や相手がが偏向しているのだと言いたがる風潮(ヘタレ右翼・左翼)があるというのも面白い。
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