コンビニ人間 の商品レビュー
非常に限られた狭い世界での物語ではあるが、奥深い世界だった。短い小説だけれど「面白さ」が詰まっていたと思う。 コンビニ会社の社員・指導員になればいいんじゃ!? と思ったが…。。
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※このレビューにはネタバレを含みます
読み物としてもおもしろかったし、自閉症(アスペルガー)の特性を秀逸に描いている点がとても良かった。自閉症の人でうまく社会で働けているタイプの人は周囲の空気を読むことができない一方で、周囲の人たちの気持ちが分らなくても、こういう時にはこう考えるのが一般的なんだということを学習し、社会生活を送っていると言われる。 空気を読むことができなかった主人公がコンビニという業務マニュアルがガチガチに出来上がった非常に小さな世界の中に自分の居場所を感じているが、実はとてつもなく浮いた存在であることが物語を読み進めていく中で浮き彫りになっていく様が面白い。 本自治が短いというのもあるが、内容が面白く、久しぶりに一気読みしてしまった一冊です。
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3.3 コンビニ店員の解像度高すぎておもろい 短い小説ながら、これ以上の展開は一切必要と思わせないような完結ぶりに満足。 主人公がどんだけひどいこと言われても一切怒らないの謎の安心感。 こんだけ言われたら次になにを思うんだろと次の行を読むときのワクワクが楽しめる。 周りの...
3.3 コンビニ店員の解像度高すぎておもろい 短い小説ながら、これ以上の展開は一切必要と思わせないような完結ぶりに満足。 主人公がどんだけひどいこと言われても一切怒らないの謎の安心感。 こんだけ言われたら次になにを思うんだろと次の行を読むときのワクワクが楽しめる。 周りの人間がひどすぎるのが胸くそ悪さを感じる。
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楽しくは読んだのですが、★2個と言うのは、あくまで個人的好みから。 主人公の恵子は発達障害っぽい。サイコパスの気もありそう。 周囲と違う感性を持つと生きづらいだろうなと思う。主人公の家族も心労が絶えないことでしょうね。 もうひとり白羽という似たような登場人物がいるのだけど、似てい...
楽しくは読んだのですが、★2個と言うのは、あくまで個人的好みから。 主人公の恵子は発達障害っぽい。サイコパスの気もありそう。 周囲と違う感性を持つと生きづらいだろうなと思う。主人公の家族も心労が絶えないことでしょうね。 もうひとり白羽という似たような登場人物がいるのだけど、似ていても別。こちらの方が 普通の「変な人」に思える。 恵子は擬態が上手で周囲と合わせられる知性があるから、周囲との違いに平気なのかもしれない。 最後に彼女は自分の全てを受け入れてコンビニ人間として生きていく道を選ぶ。ある意味ハッピーエンド?
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2016年に芥川賞をとった作品。 視点のユニークさに斬新なものを感じました。 「コンビニエンスストアは、音で満ちている」 冒頭のこの一文で、あっという間に作品の世界に連れていかれます。 日常、慣れ親しんでいる世界。 でも 描かれているのは、“普通ではない” とされる女性の話。 ...
2016年に芥川賞をとった作品。 視点のユニークさに斬新なものを感じました。 「コンビニエンスストアは、音で満ちている」 冒頭のこの一文で、あっという間に作品の世界に連れていかれます。 日常、慣れ親しんでいる世界。 でも 描かれているのは、“普通ではない” とされる女性の話。 主人公・恵子の親は「どうすれば『治る』のかしらね」と苦悩します。 恵子は他の人と感情を共有することができず、しばしば理解しがたい行動をとってしまうのです。 そんな恵子が見つけた居場所がコンビニエンスストアでした。 マニュアルに従う。 それだけで、「世界の正常な部品としての自分が確かに誕生したと感じた」という記述は印象的。 面白いと思ったのは、そこから恵子の脱皮のようなものが始まったところ。 社会と隔絶されていた子供時代の自分を脱ぎ捨てていきます。 コンビニ店員として完璧に任務をこなし、評価され、感謝さえされるようになります。 ただ、プライベートな生活においては ”普通“ のハードルは高いまま。 外からの迷惑な侵略を防ぐため、偽装同棲を試みます。 恵子は、手段の是非はさておいて、問題解決能力に長けているようです。 偽装同棲後、コンビニを辞めた恵子は気づきます。 「私は人間である以上にコンビニ店員なんだ。私の細胞全部がコンビニのために存在している」 他者から何と言われようと、恵子自身が傷つくことはないようです。 「あ、私、異物になってる」 そこから悲しいとか悔しいという思いは伝わってきません。 冷静に認識して、世界から排除されないよう注意深く行動するのです。 これは、“普通” ではないことで生きづらさを感じる人間の話ではない…のではないかな。 自分の “業” を徹底的に肯定する、とても強い人間の話なのではないでしょうか。 ただ、そこに感情の欠落が感じられるところが不気味でもあり、斬新でもあると感じました。 因みに、作者の村田沙耶香さん。 実際コンビニ店員だったそうです。 芥川授賞式には、コンビニでの仕事を終えてから出向いたとか。 そして受賞の後もしばらく続けていらしたそうです。
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めちゃくちゃ面白かった! 基本自分は主人公に感情に移入して読むので 周りの人がいわゆる(普通)の人なのに悪い人に見えてしまった。 白羽は最後までどうしようもなくて好き 最後の古倉がコンビニの声を聞いている部分はスガシカオのプログレスが脳内再生されてテロップにはプロフェッショナル仕...
めちゃくちゃ面白かった! 基本自分は主人公に感情に移入して読むので 周りの人がいわゆる(普通)の人なのに悪い人に見えてしまった。 白羽は最後までどうしようもなくて好き 最後の古倉がコンビニの声を聞いている部分はスガシカオのプログレスが脳内再生されてテロップにはプロフェッショナル仕事の流儀という文字が表示されてる絵がずっと浮かんでいた。 これは他の人にも勧めたい本 今まで読んだ小説の中で五本の指には入ると思う。
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主人公が、周りの人達からの当たり前を押し付けられて「普通の人」を演じているというのが、今の自分と重なってとても共感した。 自分の気持ちと世間からの評価、どちらも大切にするべきなのかもしれないけれど、周りの目を気にして自分の気持ちに蓋をする必要はないのだと感じた。 自分も無意識のう...
主人公が、周りの人達からの当たり前を押し付けられて「普通の人」を演じているというのが、今の自分と重なってとても共感した。 自分の気持ちと世間からの評価、どちらも大切にするべきなのかもしれないけれど、周りの目を気にして自分の気持ちに蓋をする必要はないのだと感じた。 自分も無意識のうちに周りの人に当たり前を押し付けていないか、気をつけなければならないと思う。
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淡々と、でも重く時に抉ってくる静かな圧。 芥川賞納得です。 だけど自分が読書に求めているのとは違っていて、好きか嫌いかで言えば「嫌い」と言わざるを得ない。 厳しめごめんなさいの★2つ。
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初めて村田沙耶香作品を読んだ。 読後感はいままで味わったことがなく、暫く何も考えられなかったぐらいには衝撃だった。 読んでいて、主人公の心情を理解できるところがほとんどなかった。と言いたいところだが、あそこまでぶっ飛んでいるにもかかわらず自分にもわかるところが少しばかりあったように思う。 この小説で感じたことは「当たり前の強要」があるということ。現在でこそ、多様性が叫ばれる社会になっているが、これを読んでまだまだほど遠い理想郷だと感じた。 また、自分の心も「当たり前」の声に従っていることに気づけた。何が正しくて、何が間違っているのか。人によって価値観など全く違うはずだが、「そうあるべき」だと何かを信じてしまう。結局、自分も既存の何かを信じ、周りのものや人を吸収した存在でしかない。自分のアイデンティティが崩壊する感覚を覚えた。 純文学と呼ばれるようなジャンルも少し興味が湧いた。これからもこの人の作品を苦しみながら読みたいと思った。
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今村夏子さんの「とんこつQ&A」を思い出した とはいえこちら「コンビニ人間」の方が先に書かれているんだけどもね 社会不適合者の生活を垣間見せてもらった 彼女に病名を付けるとしたら何になるんだろう たぶんこの世の中彼女のような社会人は沢山いるんだろうな 社会不適合者同士が一...
今村夏子さんの「とんこつQ&A」を思い出した とはいえこちら「コンビニ人間」の方が先に書かれているんだけどもね 社会不適合者の生活を垣間見せてもらった 彼女に病名を付けるとしたら何になるんだろう たぶんこの世の中彼女のような社会人は沢山いるんだろうな 社会不適合者同士が一緒に暮らすのは良くないし怖いことだなあと改めて思った ラストがモヤモヤする
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