赤目姫の潮解 の商品レビュー
物語が難解すぎて、もはや小説ではなくて哲学書かなにかではないかと思うほど。 とにかく、理解しながら読もうと思うと頭が混乱するので、逆にさらりと読むのが正解かも。 読んでいてこんなに混乱したのは、「ドグラ・マグラ」以来。 読み始めはなかなか良かったんだけど、だんだん意味が分からな...
物語が難解すぎて、もはや小説ではなくて哲学書かなにかではないかと思うほど。 とにかく、理解しながら読もうと思うと頭が混乱するので、逆にさらりと読むのが正解かも。 読んでいてこんなに混乱したのは、「ドグラ・マグラ」以来。 読み始めはなかなか良かったんだけど、だんだん意味が分からなくなってくる。 A,B,Cとう人物が三人で会話をしていて、最初はAの主観で物語が語られているのに、それがいつの間にかAを眺めるBの視点に切り替わったり。 それなのにCはBをAと呼んだり、そうこうしているうちにいつの間にかBだと思っていた人物が容姿も思考も全てAに代わっていたり。 大筋はね、大体は分かるんだけどね。 人間は肉体世界と精神世界が別もので、自我は精神世界のものだから、入れ物としての肉体は可変である。みたいな。 対照物は精神世界の主観が認識することによって成り立つので、認識しなければそれは事実ではないし、それが真実だと思えばたとえ犬でも驢馬になれる。みたいな。 とにかく読みにくかった笑 でも、久々に哲学的世界に入り浸れたって意味では読んだ価値があると思う。 なんか自分が三割くらい頭良くなった感じがするのは、いつもの森ミステリーか。 難解な本が読みたければ、おすすめします!
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百年シリーズの順番を考えずに最初に読んだせいか、森さんの作品にある程度親しんできた自分でも内容があまりに概念的過ぎて全くついていけなかった。 久しぶりに最後まで読むのが厳しかったです。
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四季の創った壮大な仕組みなんだろうな、と思いながら読みました。人間は人形型の端末に置き換えられ、それを外から観察してる存在がいる?この理解で合ってる?とにかく難しい。。。
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再読だけど、全く覚えてなかった。 こういう世界観大好き... シュミレーション仮説って言われているものかなぁと想像した。ウェイキングライフっていう映画も思い出した。まぁ完全に理解するのは無理でしょう。でもなんか好き、すごく好き。ぐるぐるふわふわして美しい最高の読書体験でした。
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百年シリーズ最終作。…うーん、よく分からなかったぞw 人間と人形(ウォーカロン?)の違いは何なのか?ロイディやミチルは出てこないし、実は彼らは存在しない・・??そのままWシリーズに行くしかないな^^; それまで評価は保留!
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220706*読了 不思議すぎる小説。 こんな読書体験はしたことがないかもしれない。 理解が及ばない。理解しようと思っても、全てを理解できない。 でも、それすら心地よくて世界にどっぷりと浸ってしまう。 これが森博嗣マジック…。 こうやって思考の海に溺れさせてくれるところも、私が森...
220706*読了 不思議すぎる小説。 こんな読書体験はしたことがないかもしれない。 理解が及ばない。理解しようと思っても、全てを理解できない。 でも、それすら心地よくて世界にどっぷりと浸ってしまう。 これが森博嗣マジック…。 こうやって思考の海に溺れさせてくれるところも、私が森博嗣さんの小説を溺愛する理由です。 百年シリーズなのにミチルもロイディも出てこず、違う登場人物達によって展開される。 ただ、通ずる部分もある。 そしてWシリーズと関連しているところも。 Wシリーズの前に読みたかった!とも思うけれど、Wシリーズを全て読んだ今だからこそ、繋がっていると感じる部分もあったし、これはこれでよかった。 よく分からない、本当に不思議な小説で、こんな手法すらありなのか!と驚くばかりなのだけれど、読み終わった後、とても好きだと感じる。 他にない小説。唯一無二です。
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医者の篠柴と小説家の鮭川が謎めいた美女・赤目姫ととも屋敷を目指す物語から、次第に視点が時空を行き来していき、幻想的な物語へと変化していきます。 百年シリーズ第3作にして最終作。前作とがらりと変わって幻想的な物語。この物語の真意は、次のシリーズを読むことで理解できるのかもしれませ...
医者の篠柴と小説家の鮭川が謎めいた美女・赤目姫ととも屋敷を目指す物語から、次第に視点が時空を行き来していき、幻想的な物語へと変化していきます。 百年シリーズ第3作にして最終作。前作とがらりと変わって幻想的な物語。この物語の真意は、次のシリーズを読むことで理解できるのかもしれません。
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何度目かの再読。百年シリーズの第三弾にして最終作。この小説は何度読んでもわからないとしか言いようがない。それでも読み返したくなる不思議さが存在する。これは過去か?未来か?それとも今か?夢か?現実なのか?もしくは幻?観測するたびに形を変えていく、それが森ミステリィの特異点。Wシリー...
何度目かの再読。百年シリーズの第三弾にして最終作。この小説は何度読んでもわからないとしか言いようがない。それでも読み返したくなる不思議さが存在する。これは過去か?未来か?それとも今か?夢か?現実なのか?もしくは幻?観測するたびに形を変えていく、それが森ミステリィの特異点。Wシリーズとも通じる話も展開されるがそれも小事。きっとまた読み返したくなる時がいつかくるだろう。その時にもこの酩酊感を味わえたらいいと願う。
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前衛小説。構造上、キャラの魅力やユーモアのある掛け合い、派手なトリックのようなエンターテイメントはほとんど含まれない。
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「弾性って、英語だと?」 「エラスティック」 「そうか、なんとも偉そうな響きじゃないか」 第3章 より 無となることなど絶対にない。むしろ無を恐れるが故に、無用なデータまで貪欲に取り込み、概念をむやみに構築し続け、それらの破壊をまた極度に恐れるといった悪循環に陥る。この作用によって新たな理解を拒絶するメカニズムが完成する。 第4章 より 人間の心を持っていたら、人を襲ったりしないかもしれないし、いえ、持っているからこそ、人間に戻りたいという一心で人を襲うのかもしれないし そうなの。どこまでの話かっていうのが、いつも一番難しくて大切なの。どこまでが認めなくてはいけない現実で、どこからは想像、それとも仮定の話なのか。 第6章 より だから、すべてを仮想空間にしてしまったとたんに、もう自然なのか人工なのか、偶然なのか意図なのか、その境界どころか、違和感さえ消えてしまうんだ 第9章 より シリーズ最終作は遥かナナメ上。最初は人称の形式を破壊しようとしているのかと思えるくらい歪なシークエンスと不確かな「私」。登場人物表はもちろんなし。何かで見ましたが(もしかしたら変わっているかもしれませんが)著者が一番気に入っている作品だそうです。 刊行は2013年。ZOKUでも思いましたが、以前はあえて使っていなかった固有名詞の引用も多かったように思えます。 想起したのは、HBOの『Westworld』の自我を持ち始めたAI。それから『攻殻機動隊』シリーズの電脳化、義体化が当たり前になったあの世界観。そういえば映画の1作目は人形使いが出てきましたし、脳や記憶をジャックする描写もありました。 いつかは機械が(人形が?)人間になる。はるか未来を予見するかのような設定は非常に新鮮でした。葛藤の向こう側を当然のように描かれている点に痺れます。 解説でも述べられていましたが、以前と同じキャラクターが登場するようなシリーズの続編ではなく、舞台設定や世界観を踏襲した過去編という位置付けだと思いました。 またぶつ切りに移り変わっていく思考は時間に縛られていないような印象を持ちました。人の持つ肉体、身体から解き放たれることは時間を超越することも示唆しているのかもしれません。
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