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オデュッセイアー(訳:呉茂一)(下) の商品レビュー

4.1

37件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

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  4. 2つ

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2024/03/09

ホメロスによる叙事詩。タイトルは知ってるが読んだことないという方は多いのではないか?3000年前に書かれたのが信じられないほど面白い。祖国への苦難に満ちた旅路を描いたのが上巻。下巻は帰国後の物語となっている。

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2024/01/09

下巻は一気読み。 故国を発ってから20年後にやっとのことで帰還。 息子との再会はなんと豚小屋でした。 しかし乞食の姿のまま、息子や忠実な下僕の豚飼い・牛飼い以外には自身の素性を明かさずに情報収集開始。 オデュッセウス家の財産を食い潰したり、妻に言い寄っている求婚者どもにどう...

下巻は一気読み。 故国を発ってから20年後にやっとのことで帰還。 息子との再会はなんと豚小屋でした。 しかし乞食の姿のまま、息子や忠実な下僕の豚飼い・牛飼い以外には自身の素性を明かさずに情報収集開始。 オデュッセウス家の財産を食い潰したり、妻に言い寄っている求婚者どもにどう報復するかについて息子と作戦を練り、ついに自分の屋敷で血祭りに上げる。 女中たちの裏切りに対しても容赦しないあたり若干引き気味。 イリアスから始まり各上下巻ということでしばらく積読でしたが、読み始めると弩級のエンターテイメントで有意義な読書体験でした。 2千年以上に渡り読み継がれていることも納得です。

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2023/08/06
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オデュッセイア下巻、期待通りにすごくエンタメしてて面白かった。乞食老人の身なりをして我が家に潜伏して、居座って財産を食いつぶしている奴らを息子とともに成敗・皆殺しするまでのハラハラわくわく感、20年越しの妻や父親、召使いたちとの感動の再会の細やかな描写などすごく手が込んでいる。 自分に群がっていた迷惑な求婚者どもの死体の中で血にまみれて雄々しく立つ旦那様を見たら奥様も心温まる想いをなさるでしょう、と語る乳母とか、減った家畜はまたどこかから略奪してくればいい!と明るく語るオデュッセウスなど当時のなかなかハードな価値観も垣間見えるのだが、それも含めて楽しかった。

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2023/07/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

トロイア戦争から二十年もの歳月を懸けて祖国へ 神の思し召しとはいえ凄い執念だし奥方のペネロペイアの主人のイタケ王への愛の想いの深さを よく感じました。 上巻は航路の災厄に揉まれ数々の島に流れ着いて争い事が起こったり怪物や女神が住み着いていたりあるいはもてなしを受けたり様々な祖国へ帰路に着くまでの波乱万事な物語。  下巻は祖国へ着き、国王と悟られずに神の計らいで身を紛し皇后に身を寄せてくる不当な求婚者らを打ち負かす物語。  ギリシア最古の叙事詩と難しいのかと読んでみたけど注解もあり読者への語りかける様な文体で 少し言い回しが少し要所要所長くも感じたけど、読みやすくファンタジー性や倫理性にも富んでいて面白かったです。

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2022/12/21

「ホメロス オデュッセイア(下)」ホメロス著・松平千秋訳、岩波文庫、1994.09.16 366p ¥693 C0198 (2022.12.21読了)(2016.09.16購入)(1998.07.24/7刷) 【目次】 凡  例 第十三歌 オデュッセウス、パイエケス人の国を発ち...

「ホメロス オデュッセイア(下)」ホメロス著・松平千秋訳、岩波文庫、1994.09.16 366p ¥693 C0198 (2022.12.21読了)(2016.09.16購入)(1998.07.24/7刷) 【目次】 凡  例 第十三歌 オデュッセウス、パイエケス人の国を発ち、イタケに帰還 第十四歌 オデュッセウス、豚飼のエウマイオスに会う 第十五歌 テレマコス、エウマイオスを訪れる 第十六歌 テレマコス、乞食(オデュッセウス)の正体を知る 第十七歌 テレマコスの帰館 第十八歌 オデュッセウス、イロスと格闘す 第十九歌 オデュッセウスとペネロペイアの出会い、足洗いの場 第二十歌 求婚者誅殺前夜のこと 第二十一歌 弓の引き競べ 第二十二歌 求婚者誅殺 第二十三歌 ペネロペイア、乞食(オデュッセウス)の正体を知る 第二十四歌 再び冥府の物語。和解 訳  注 人名・地名索引 ☆関連図書(既読) 「イリアス〈上〉」ホメロス著・松平千秋訳、岩波文庫、1992.09.16 「イリアス〈下〉」ホメロス著・松平千秋訳、岩波文庫、1992.09.16 「オデュッセイア(上)」ホメロス著・松平千秋訳、岩波文庫、1994.09.16 「ホメロス物語」森進一著、岩波ジュニア新書、1984.08.20 「ギリシャ神話」山室靜著、現代教養文庫、1963.07.30 「古代への情熱」シュリーマン著・村田数之亮訳、岩波文庫、1954.11.25 「オイディプス王」ソポクレス著・藤沢令夫訳、岩波文庫、1967.09.16 「コロノスのオイディプス」ソポクレス著・高津春繁訳、岩波文庫、1973.04.16 「アンティゴネー」ソポクレース著・呉茂一訳、岩波文庫、1961.09.05 「ソポクレス『オイディプス王』」島田雅彦著、NHK出版、2015.06.01 「アガメムノン」アイスキュロス著・呉茂一訳、岩波文庫、1951.07.05 「テーバイ攻めの七将」アイスキュロス著・高津春繁訳、岩波文庫、1973.06.18 「縛られたプロメーテウス」アイスキュロス著・呉茂一訳、岩波文庫、1974.09.17 「ギリシア悲劇入門」中村善也著、岩波新書、1974.01.21 「古代エーゲ・ギリシアの謎」田名部昭著、光文社文庫、1987.08.20 「驚異の世界史 古代地中海血ぬられた神話」森本哲郎編著、文春文庫、1988.01.10 「古代ギリシアの旅」高野義郎著、岩波新書、2002.04.19 「カラー版 ギリシャを巡る」萩野矢慶記著、中公新書、2004.05.25 (「BOOK」データベースより)amazon (下)には第一三歌から第二四歌を収める。怪物たちとの戦いや冥界訪問など、オデュツセウス自身の語る奇怪な漂流冒険譚は終わりを告げて、物語はいよいよ、オデュツセウスの帰国、そして復讐というクライマックスへと突き進んでゆく。

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2022/10/17

英雄の帰還、そして復讐。劇的に描かれる、悪漢勢の醜態と家族や家臣との絆は、数千年の古さを感じさせない。 主に冒険譚だった上巻から一転、主要人物が故郷イタケに集結し、本作の悪役となっている求婚者たちと対決するお話になっていく。ほとんどの舞台がオデュッセウスの自宅である屋敷となり、...

英雄の帰還、そして復讐。劇的に描かれる、悪漢勢の醜態と家族や家臣との絆は、数千年の古さを感じさせない。 主に冒険譚だった上巻から一転、主要人物が故郷イタケに集結し、本作の悪役となっている求婚者たちと対決するお話になっていく。ほとんどの舞台がオデュッセウスの自宅である屋敷となり、本来の主人自らが正体を隠して悪人成敗の計略をめぐらせる、というのが面白さの軸。エンターテイメントとしてシンプルな構成ながらも、人間味あふれるキャラクターと勢いのある筋書きは、紀元前の作品ということを忘れるほど、現代の我々にも魅力的なものであるといえる。「イリアス」上・下巻から順に読んできて本巻が一番面白かったので、途中で挫折せずによかったと思った。 終盤で見えてくる、アガメムノンの妻(またはヘレネ)とオデュッセウスの妻という対比は、そのまま「イリアス」と「オデュッセイア」との対比ともいえるかもしれない。裏切りと憤怒、そして貞節と高潔さといったところか。しかし20年ぶりでも超絶美女なオデュッセウスの妻の魅力とは……。

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2022/04/08

ロシア軍のブチャにおける蛮行のニュースを観た後で、「血湧き肉踊る」クライマックス・シーンを読んだ。 平時なら、僕だって楽しく読めたのかも知れないが、今読むと悍ましさが鼻を突く。 どうみても、求婚者達の攻撃に対するオデュッセウスの反撃(復讐)の刃は過剰であり、あまりにも悦びに満ち満...

ロシア軍のブチャにおける蛮行のニュースを観た後で、「血湧き肉踊る」クライマックス・シーンを読んだ。 平時なら、僕だって楽しく読めたのかも知れないが、今読むと悍ましさが鼻を突く。 どうみても、求婚者達の攻撃に対するオデュッセウスの反撃(復讐)の刃は過剰であり、あまりにも悦びに満ち満ちている。 やはり、ロジェ・カイヨワが『戦争論』で書いた通り、人間は戦争が好きなのだ。人間とは、ホモ・プグナ(戦う人)なのかも知れない。 いずれ、遅かれ早かれ、その脳内に埋め込まれた致命的なプログラムゆえに、人間は滅びるだろう。 同族を殺戮する悦びに打ち震えながら。 残念ながら、蝶とちがって人間は決して「変態」できないのだから。 【1人の殺害は犯罪者を生み、100万の殺害は英雄を生む。数が(殺人を)神聖化する。】 チャップリンの映画『殺人狂時代』の名台詞だが、ホメロスの物語には「英雄」が多過ぎる。

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2021/09/15

迷い込んだ神の領域から実家に帰るために頑張るオデュッセウス。 上巻からずっと空想上の地での話だったが、物語後半でようやく実際に存在する地名が出てきて「オデュッセウス、とうとう帰ってきたんだな!」と感慨深くなった。 なお、ようやく現れた実在の土地はアレクサンドロス大王のお母さんの...

迷い込んだ神の領域から実家に帰るために頑張るオデュッセウス。 上巻からずっと空想上の地での話だったが、物語後半でようやく実際に存在する地名が出てきて「オデュッセウス、とうとう帰ってきたんだな!」と感慨深くなった。 なお、ようやく現れた実在の土地はアレクサンドロス大王のお母さんの地元で、なんだかそれも興味深くて面白いなと思った。

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2021/05/11

2021/5/11 苦難と安寧を繰り返すオデュッセウスの旅は寄せては返す波のよう。そんな旅を終え、求婚者を皆殺しにし、苦難を乗り切った末に妻ペネロペイアに再開した彼は「これからも苦難は待ち受けている」と語り、決して楽観視することはない。人生とはそういうものだという達観した見方で...

2021/5/11 苦難と安寧を繰り返すオデュッセウスの旅は寄せては返す波のよう。そんな旅を終え、求婚者を皆殺しにし、苦難を乗り切った末に妻ペネロペイアに再開した彼は「これからも苦難は待ち受けている」と語り、決して楽観視することはない。人生とはそういうものだという達観した見方である。また、愉悦に浸る求婚者たちは黒き死の運命に飲み込まれる。刹那的な生き方は良くないという教訓である。 これは一例だが、西洋人はこういった観点から、本書を道徳書とし、その彼らの精神の淵源としたのではないかと勝手に想像している。

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2020/09/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

カタルシスの巻。 物語は、このカタルシスを感じるために読んでいるといっても過言ではない。 それにしても主人公のオデュッセウスはナチュラルにウソと真実を混ぜた過去を語るので、事情を知っている読者でも混乱してくる。 ただ肝心の復讐劇では、アテネ任せのゴリ押しだったのがちょっと拍子抜け。アテネの神の力が無かったらほぼ失敗していたのではないか・・・。 ここはオデュッセウスの智略で意外な勝ち方をしてほしかったなぁと個人的に思った。

Posted byブクログ