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オデュッセイアー(訳:呉茂一)(下) の商品レビュー

4.1

37件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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2020/07/12

前半十二話から成る冒険譚と、後半十二話から成る復讐劇。豪華二本立てといった趣き。 個人的な好みで云えば、前半の奇々怪々な冒険譚の方を胸熱く読んだが、下巻の復讐劇が無ければオデュッセイアが物語として成り立たないわけである。 一方で上巻が無ければ単なる復讐劇でしかなく、この二本立て様...

前半十二話から成る冒険譚と、後半十二話から成る復讐劇。豪華二本立てといった趣き。 個人的な好みで云えば、前半の奇々怪々な冒険譚の方を胸熱く読んだが、下巻の復讐劇が無ければオデュッセイアが物語として成り立たないわけである。 一方で上巻が無ければ単なる復讐劇でしかなく、この二本立て様式の、構成の妙は唸らされる。

Posted byブクログ

2020/05/20

物語の大切な要素が散りばめられている。 困難に負けない。 容易に信じない。 悪事はバレる。 いわれなき報復は避ける。 低い身分こそ試金石。

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2020/02/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

聖書とコレを読んでおけば、西洋の小説やハリウッド映画のほとんどのストーリーは入っているんじゃないか、と思えるほどのプロトタイプ。

Posted byブクログ

2019/08/24

ホメロスの『オデュッセイア』は壮大な冒険譚だ。 そんな前口上を聞いていた私は、オデュッセウスに次はどんな危難が襲ってくるんだろう?とドキドキしながら、上巻の最終ページを静かに閉じた。 そして下巻に突入。 ところが下巻は、オデュッセウスがイタケ国に帰還するところからスタートした...

ホメロスの『オデュッセイア』は壮大な冒険譚だ。 そんな前口上を聞いていた私は、オデュッセウスに次はどんな危難が襲ってくるんだろう?とドキドキしながら、上巻の最終ページを静かに閉じた。 そして下巻に突入。 ところが下巻は、オデュッセウスがイタケ国に帰還するところからスタートした。すでに冒険は終わりで、今からは美しき妻に近づく求婚者たちへの復讐劇へと進むのであった。 こうしてみると、壮大な冒険譚というよりは、オデュッセイアは冒険と復讐の物語と言ったほうが良いかもしれない。 とはいえ、後半の復讐劇も冒険部分に劣らず面白い。 オデュッセウスが身汚い老人に身をやつし、徐々に自らがオデュッセウスであることを明かしながら、求婚者たちをドカーン!とやっつける様は、きびきびとした文体で緊迫感に満ちた展開となっている。息もつかせぬ展開とはまさにこのことだ。悪辣極まる求婚者たちを木っ端微塵に倒す様は、さすが、知略縦横たる神のごときオデュッセウス。 彼は、全編を通じて、知略縦横で豪快かつ素晴らしいキャラクターとして描かれる反面、とても人間臭い人物としても描かれている。イタケに帰ってきて、身をやつしているときに、相手によっては「実は俺はオデュッセウスだ」とはっきり言えばいいものを、「もしも、オデュッセウスが帰ってきたらどうする?」とか焦らすし、カリュプソのもとで囚われているときは故郷を思ってメソメソ泣いているし。それでいて案外、自分勝手に振る舞うところもあるし。一方では神々しく強い姿を描きながら、他方で描かれるこうした彼の人間臭い魅力がおよそ2800年を経てもなお愛読される理由のひとつかもしれない。 ところで、「オデュッセイア」という言葉は、いまや「オデッセイ」などとも書かれ、自動車の名前にもなったりして、冒険をイメージする言葉となっているようである。確かにどこかカッコいい響きはある。しかし、この『オデュッセイア』本文によれば、「オデュッセウス」あるいは「オデュッセイア」は、憎まれ者(オデュッサメノス)を意味するらしいのだ(第19歌参照)。街に走る車が「愛される者」ならばまだしも「憎まれ者」と名付けられているのは、皮肉だとも思ったのである。

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2019/05/25

2019/5/25 読了 オデュッセウスのワガママ度合、自信ある度合がすごい。 オリーブオイルをやたら塗りたくってた

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2019/03/20

2019.3.20 オデュッセウスは身勝手で、強欲な1面も多々あるのだけれどなぜあれ程までに神々に愛されるのか? 放浪の果てに帰った我が家で血なまぐさい殺戮の宴を繰り広げる男。 その人間的な欲望とマッチョさこそがギリシアの神々の心を惹き付けるのか。

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2017/12/02

ホメロス 「 オデュッセイア 」2/2 訳が もう少し 現代的なら 自分史上 海外小説の中で ナンバー1だった ギリシア神話や魔女の幻想的な物語、父探しの旅と家族の感動的再会、英雄の転落、ロビンソンクルーソー的な冒険、モンテクリスト伯のような復讐劇、イリアスの英雄再登場 など...

ホメロス 「 オデュッセイア 」2/2 訳が もう少し 現代的なら 自分史上 海外小説の中で ナンバー1だった ギリシア神話や魔女の幻想的な物語、父探しの旅と家族の感動的再会、英雄の転落、ロビンソンクルーソー的な冒険、モンテクリスト伯のような復讐劇、イリアスの英雄再登場 など 面白要素 盛り沢山 戦争の英雄オデュッセウスとその家族の 戦後の波乱人生記、冒険記といったところ。ギリシアの神の意見の対立が オデュッセウスとその家族の波乱人生の原因

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2017/06/29

気高さとはこういうものなのだという一つのイメージが得られた気がする。昔の人々はこういう物語を通して目指すべき偉大な人物像を学んでいたのだろうということが窺える。礼儀を弁えて相手を立てながら自分の品位も一切落とさずに言いたいことを伝える弁術はぜひ見習いたいものだと思った。因果不明の...

気高さとはこういうものなのだという一つのイメージが得られた気がする。昔の人々はこういう物語を通して目指すべき偉大な人物像を学んでいたのだろうということが窺える。礼儀を弁えて相手を立てながら自分の品位も一切落とさずに言いたいことを伝える弁術はぜひ見習いたいものだと思った。因果不明のあらゆることを神々の仕業として解するのは明快で清々しさすらあった。物語としては空想的要素のある前半の漂流記の方が面白かったかな。まあでも全体として楽しめた。英雄叙事詩、初めてだったけど結構いいものですな。

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2017/04/02

あのオデュッセウスが帰ってきた。アテナの応援のもと、悪い求婚者たちを皆殺しにするぞ。 なんというか文化の違いを感じる。確かに求婚者たちはオデュッセウスの財産を食いつぶし、遺産を手に入れるため息子までも手に掛けようとする。だからといって最初から皆殺しにするつもりで行動するオデュッ...

あのオデュッセウスが帰ってきた。アテナの応援のもと、悪い求婚者たちを皆殺しにするぞ。 なんというか文化の違いを感じる。確かに求婚者たちはオデュッセウスの財産を食いつぶし、遺産を手に入れるため息子までも手に掛けようとする。だからといって最初から皆殺しにするつもりで行動するオデュッセウスを現代の感覚で理解するのは難しい。 求婚者たちのことを抜きにしても、減ってしまった家畜について「またどこからか掠奪すればよい」という感覚がマジにバルバロイ。

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2016/09/04

帰還したオデュッセウス、求婚者達を討ってめでたしめでたし...良い求婚者まで殺されたのはすっきりしないもののまあいいか。 英雄譚ではあるがオデュッセウスは滑稽なほど人間臭い。せっかく厚意で故国まで送り届けてもらいながら、勝手に勘違いして逆恨みしかけたり、忠実な部下の気持ちを試し...

帰還したオデュッセウス、求婚者達を討ってめでたしめでたし...良い求婚者まで殺されたのはすっきりしないもののまあいいか。 英雄譚ではあるがオデュッセウスは滑稽なほど人間臭い。せっかく厚意で故国まで送り届けてもらいながら、勝手に勘違いして逆恨みしかけたり、忠実な部下の気持ちを試してみたり、素性の知れない相手にはとりあえず出まかせの経歴を語ったり、投降した求婚者を容赦しなかったり、聖人君子ではなくどちらかというと悪人に近いが、そんな人物だからこそ、聞き手は親近感を抱くのだろう。 全体の構成は、悪者の無法な振る舞いと、それに耐える主人公、計画のあらまし説明と準備、伏線としての予兆、運命的な決行日の決定、動き出す作戦、チャンス、ハプニング、決着と大団円...と現代でも通じる要素が見事に盛り込まれている。 日本版「百合若大臣」のように、世界各地に同じモチーフの 話が伝わっているというのも納得。

Posted byブクログ