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オデュッセイアー(訳:呉茂一)(下) の商品レビュー

4.1

37件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

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2016/01/23

『イリアス』と違った英雄譚。戦記ものというよりは大いなる旅路と家族愛が描かれていて、クライマックスにかけては思わず感情移入してしまう。あと他の人も書いてますが、酒を飲み肉を喰らいたくなる描写がそこかしこに…笑

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2015/11/01

旨そうに肉を焼く描写が頻繁に出てくるので、肉が食べたくなる。 オデュッセウスの帰国・復讐は無事終わったけれども、老後については思わせぶりな謎を残して終わってしまった。

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2014/12/16

下巻。上巻では貴種流離譚が描かれたが、後半は一転して凄惨な復讐劇とそれに続く大団円が描かれる。 艱難辛苦の流浪の末、20年ぶりに故郷イタケにたどり着いたオデュッセウス。息子テレマコスと共に、妻に言い寄り家の財産を食い物にする者たちを周到な準備のもと誅殺する。そして、ついに妻と再会...

下巻。上巻では貴種流離譚が描かれたが、後半は一転して凄惨な復讐劇とそれに続く大団円が描かれる。 艱難辛苦の流浪の末、20年ぶりに故郷イタケにたどり着いたオデュッセウス。息子テレマコスと共に、妻に言い寄り家の財産を食い物にする者たちを周到な準備のもと誅殺する。そして、ついに妻と再会し、オデュッセウスの旅は終わる。 全編戦いだらけの「イリアス」よりも話に起伏があって面白い。とくに、最後のクライマックス、オデュッセウスと求婚者たちとの戦いから、それに続く妻ペーネロペーとの再会までは、臨場感あふれる描写で一気に読ませる。こんなものが2000年以上前に書かれたのだから、文化の厚みというのはすごい。

Posted byブクログ

2014/09/17

オデュッセウスはものすごく疑い深くて自分で知謀に長けてるとか言っちゃう嫌なヤツだった。加えて残虐でもあるのか、当時としてはこれが普通なのかよくわからない。

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2014/01/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『オデュセイア』(下)岩波文庫:オデュセウスはパイエケス人の船に送られ、眠っている最中にあっけなく故郷イタケにたどり着いた。20年ぶりである。そのまま帰国すれば妻の求婚者どもに謀殺されるであろうと思い、迷っていると、アテナが現れる。オデュセウスはアテナの力を借り、財宝を洞窟に隠し、乞食に変装する。そして、忠実な豚飼エウマイオスに会い、乞食として豚飼の小屋でもてなされる。一方、アテナはテレマコスに帰国するよう伝え、テレマコスはスパルタから急いでイタケに帰国する(帰路の待ち伏せは回避できた)。帰国したテレマコスは豚飼をたずね、乞食が父であることを知る。ここで求婚者どもを誅殺する相談をする。テレマコスが先に帰宅し、乞食に身をやつしたオデュセウスが、後から物乞いにきて、求婚者たちに足台を投げつけられたり、牛の脚を投げつけられたりといった辱めをうける。また、地元の乞食イロスとも格闘する。妻ペネロペイアは「乞食」にオデュセウスの消息を訊ねる。乞食はトロイ出征当時の服装を言い当て、友として遇されることになる。ここで、老婆エリュクレイアが乞食の足を洗うが、このとき猪がつけた膝の傷をみて、老婆は乞食こそその人だと知るが、オデュセウスは事が漏れるのを恐れて、老婆を口止めする。ペネロペイアは長く婚約者たちをはぐらかしていたが(最初はオデュセウスの父の喪服を織っては解いていた)、弓比べを開催し、最も優れた者に嫁ぐと宣言する。時は夜である。求婚者たちは次々に挑戦するが、オデュセウスの強弓を一人として引くことができなかった。テレマコスは求婚者たちの反対を押し切り乞食の挑戦をゆるす。乞食は強弓をひき、十二の鉄斧を射落としたあと、そのまま求婚者の頭目を射る。ここから凄惨な誅殺となり、名のったオデュセウスは求婚者どもの多半を射殺し、テレマコス、豚飼エウマイオス、牛飼ピロイティウスらと武装し、槍で残党を殺す。前もって逃げ道をふさぎ、武器を隠しておくあたりは、『忠臣蔵』の討ち入りのようである。求婚者たちを誅殺すると、求婚者たちと密通した12人の女中を吊るし、乞食を愚弄し求婚者の反撃をたすけた山羊飼メランティオスを殺し、陰部を引きちぎり野犬に食わせた。これらの殺戮を終えたのち、水と硫黄で屋敷を清めると、ペネロペイアを起こし、夫が帰還したことを告げるが、妻は信じることができない。妻は寝台を移し、乞食の寝る場所を作ってやるように試みるが、オデュセウスは寝台がオリーブの大樹の切り株なので移動できるはずがないというと、ペネロペイアの疑いもとけ、長く別れていた夫婦は再会を果たした。最後は、オデュセウスに殺された亡者たちが冥府で、謀殺されたアガメムノンと語らい、オデュセウスの知略とペネロペイアの貞節を称える。アキレウスの葬儀のことも書いてある。一方、オデュセウスは隠居している老父ラエルテスに会い、再会を祝して食事をする。そこに、求婚者どもの身内が仇討ちにくるが、アテネに力を吹き込まれたラエルテスが老いをものともせずに、頭目を投げやりで仕留めると、アテナが仲介し、ここに両者の和解がなる。『オデュセイア』は悪者が成敗される時代劇みたいな話であるが、「浪費」とか「償い」などがでてきて、経済の話もある。しかし、浪費の償いをすると言う求婚者どもを誅殺するのはやはり苛烈であり、浪費の穴埋めをどこかで「略奪」して補おうとする所は、やはり古代ギリシアの観念なのであろう。当時の人間も、戦争は命がけであり、その悲惨も知っていたので、「戦争をスポーツと考えていた」とまではいえないが、やはり略奪が経済の一環になっているところは現代とはことなる。ちなみに、館に帰ってきた主人を最初に見分けたのはアルゴスという老犬であり、世話もされずに牛の糞に埋もれて死んでいくが、20年ぶりの帰国では犬も寿命だったのであろう。『イリアス』より『オデュセイア』は半世紀ほど若い成立らしく、ホメロスの後継者の作品ではないかという推定もある。鉄器もよくでてくる。ミュケナイ時代(前1450〜1150年ごろ)には鉄器は珍しく、暗黒時代(前1200〜700年)からだそうである。

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2013/04/20

吉本新喜劇じゃなくって、松竹新喜劇的な味わい。 “べた”な安心感。 こんな大昔に。すごいな人類。

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2013/01/04

トロイヤ戦争後のオデュッセイアの冒険談。やたらややっこしい名前の神やら怪物やらが登場してきて、登場人物(?)の把握に往生しますが、オデュッセイアは運命の赴くがままに旅を進めます。ギリシャ神話の知識がないと、流石にきついかも。

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2012/08/25

ジョイスの『ユリシーズ』を読むにあたっての再読です。 『オデュッセイア』は、言わずと知れたホメロスの『イリアス』と並ぶ長編叙事詩。 ポセイドンの逆鱗に触れたオデュッセウスは、トロイア戦争終結後、10年もの間、苦難の冒険を続け、やっと妻子の待つ故郷のイタケ島に帰り着く。 『オデ...

ジョイスの『ユリシーズ』を読むにあたっての再読です。 『オデュッセイア』は、言わずと知れたホメロスの『イリアス』と並ぶ長編叙事詩。 ポセイドンの逆鱗に触れたオデュッセウスは、トロイア戦争終結後、10年もの間、苦難の冒険を続け、やっと妻子の待つ故郷のイタケ島に帰り着く。 『オデュッセイア』12110行から成る英雄叙事詩であり、『イリアス』よりのちに誕生したものらしい。 オデュッセウスといえば、トロイア戦争で、トロイの木馬と呼ばれることになる木で作った大きな馬を城内に運び込み、味方を勝利に導いた英雄である。 トロイア戦争勃発時、オデュッセウスには、若く美しい妻ペネロペと生まれたばかりの息子テレマコスがあった。 オデュッセウスは、後ろ髪を引かれる思いで出征する。 予想以上に戦は長引き、10年も続いた。 しかし、オデュッセウスは、そののち、ポセイドンの怒りはおさまらず、10年、海上及び諸国を漂流し、やっと故郷に帰り着く。 オデュッセウスの留守の間に息子のテレマコスは20歳の若者に成長し、妻のペネロペは夫の無事帰還を信じて待ち続けるが、城は厚顔無恥な求婚者で溢れ、妻子は悲嘆の日々を送っていた。 そこに、オデュッセウスが乞食の身なりで現れ、彼自身の弓で、矢を12本の斧の穴に通し、無礼者たちを格好よく成敗する。 叙事詩は、オデュッセウスの漂流中の数ある冒険談と、帰国後の彼の活躍ぶりで構成されている。 とにかくオデュッセウスは格好よく、英雄のなかの英雄であり、絵画の素材としても多く描かれている。 近世、映画として、フランシス・F・コッポラ製作総指揮で、「オデュッセイア 魔の海の大航海」が作られている。 1922年刊行のジョイスの小説『ユリシーズ』は、『オデュッセイア』を下敷きに描かれている。

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2012/08/19

 女神アテナはなぜ、あれほどまでにオデュッセウスの帰郷と復讐に尽力したのかけっこう謎だった。仮説ではあるが、現代でいうなら、アテナは運という名前で呼ばれるそれであろうかとなんとなく思った。

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2012/07/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『イリアス』と並ぶホメロスの大叙事詩。下巻ではオデュッセウスのイタケ帰還から大団円まで(第十三歌~第二十四歌)を収録する。上巻で多く含まれていた神話的要素は薄れ、下巻では専ら求婚者たちに対するオデュッセウスの報復が描かれる。 オデュッセイアを通読して思ったのは、オデュッセウスは女神に愛されてこその英雄なのだという事である。オデュッセウスは女神アテナから様々な恩恵を受ける(それこそ知恵や策略といったものから、美貌や背丈といったものまで)。あまりに女神からの恩恵が多いが故に、オデュッセウス自身の武功がやや霞んでしまうほどであった(無論、彼が人に長たる能力を持つ人物である事は否定しないが)。 また、「美貌」や「背丈」といったものまで与えるというギリシャ神話の神々の姿も驚きであった。

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