脳が壊れた の商品レビュー
社会問題を扱うルポライターの鈴木さんが、脳梗塞になったお話。 その状態になって初めて、これまで取材で出会った人の気持ちに近づけたと感じ、 自分の心がコントロールできなくなって、自分というものを内省して向き合っていく。 本の中で鈴木さんが大事にしていた言葉が、 「様々な距離感のと...
社会問題を扱うルポライターの鈴木さんが、脳梗塞になったお話。 その状態になって初めて、これまで取材で出会った人の気持ちに近づけたと感じ、 自分の心がコントロールできなくなって、自分というものを内省して向き合っていく。 本の中で鈴木さんが大事にしていた言葉が、 「様々な距離感のところに自分の応援団を持とう」だった。 私は小さい頃から色々抱えていて、 正直社会とか人間関係とか自分というものとでさえ、 うまくやっていくのが得意じゃない。 それでも頼りたいと思える人は何人かいて、 その人はすごく近くにいるわけではないけど、 ダメな自分を少しさらけ出せる人。 ダメな自分でも仕方ないなぁって言いながら、 受け入れてくれる人は、とてもありがたいなぁと思う。 自分も誰かの応援団になれればいいなぁ。
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最貧困女子に続いて読了しました。 著者が41歳で脳梗塞に倒れ、その後の闘病記となりますが、病気になって失くしたものもあるけど、得たもの、気づかされたことがたくさんある、ということが分かります。 著者と奥様の、自身の弱さを見つめ正面から向き合えることが、逆にその強さを感じました。 ...
最貧困女子に続いて読了しました。 著者が41歳で脳梗塞に倒れ、その後の闘病記となりますが、病気になって失くしたものもあるけど、得たもの、気づかされたことがたくさんある、ということが分かります。 著者と奥様の、自身の弱さを見つめ正面から向き合えることが、逆にその強さを感じました。 図書館で借りた本ですが、この本は買って手元に置いておこうと思います。
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脳に障害を持つことがどういうことなのか非常によく分かる。きわめて巧みな筆致。筆者が言うように、いわゆる「発達障害」と通じるところがあるんだろうね。 さんざん「家族語り」を聞かされた後、最後に奥様の文章があるところなんざ泣かせる。(泣かせようとして書いていないのがいい)
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脳梗塞を発症し、高次脳機能障害が残った著者による、患者の「当事者感覚」ルポ。 まず、著者の体験の一部を追体験できるほどに描写がリアル。それでいて、語り口がユーモラスなので、あまりネガティヴな気持ちにならずに読める。 また、脳神経細胞の可塑性に驚かされる。 リハビリがこれほどま...
脳梗塞を発症し、高次脳機能障害が残った著者による、患者の「当事者感覚」ルポ。 まず、著者の体験の一部を追体験できるほどに描写がリアル。それでいて、語り口がユーモラスなので、あまりネガティヴな気持ちにならずに読める。 また、脳神経細胞の可塑性に驚かされる。 リハビリがこれほどまでに劇的な効果を生みうるものとは知らなかった。
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41歳で右脳に脳梗塞、高次脳機能障害の経験とリハビリを当事者として語る。脳機能とリハビリ、小学生脳や感情の暴走。真の原因が性格にあることに気付き、考え方を変えることにする。家族、生きていくうえでの応援団。 状況認識、表現上手。脳の育ち方に関する洞察。脳の成り立ちや仕組みが見えて...
41歳で右脳に脳梗塞、高次脳機能障害の経験とリハビリを当事者として語る。脳機能とリハビリ、小学生脳や感情の暴走。真の原因が性格にあることに気付き、考え方を変えることにする。家族、生きていくうえでの応援団。 状況認識、表現上手。脳の育ち方に関する洞察。脳の成り立ちや仕組みが見えてくるような。そして、感動の家族ストーリー。
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ノンフィクションのルポライターさんに降りかかった脳梗塞。 高次脳機能障害となりながらも、取材もとは自分であるからして、より詳しく状況を伝えているところが興味深い。 面白可笑しく書かれているのであっという間に読めてしまっった。(妻の存在が大きい。) 筆者がより深く様々な思いも募ら...
ノンフィクションのルポライターさんに降りかかった脳梗塞。 高次脳機能障害となりながらも、取材もとは自分であるからして、より詳しく状況を伝えているところが興味深い。 面白可笑しく書かれているのであっという間に読めてしまっった。(妻の存在が大きい。) 筆者がより深く様々な思いも募らせ、今までの生き方や、社会における弱者に対する視点にも寄り添い示しているところが、「一般的な脳梗塞でこうなりました」という本とは違います。さすが社会派?なのかしら?ルポライターですね。 脳梗塞の原因 背負い込み体質.妥協下手.マイルール狂.ワーカホリック. 善意の押し付け.オンオフがない そうなんだよなあ.....と納得。 「様々な距離感のところに自分の応援団を持とう」という言葉に赤線ひきました。
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ノンフィクション作家が書いた自身の高次脳機能障害とのことで非常に興味があったんだけど、残り1/3は病気になる前の反省とか妻の話ばかりでちょっと期待外れでした。
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脳卒中の後遺症について、具体的な症状を初めて知った。後遺症の感覚は実際になってみないと完全には分かり得ないが、ルポライターとしての取材力、表現力でその色々な症状が説明されていて、そのイメージを持つことができた。 著者の性格や奥さんの話には驚いたが、最後まで明るい気持ちで読めたのも...
脳卒中の後遺症について、具体的な症状を初めて知った。後遺症の感覚は実際になってみないと完全には分かり得ないが、ルポライターとしての取材力、表現力でその色々な症状が説明されていて、そのイメージを持つことができた。 著者の性格や奥さんの話には驚いたが、最後まで明るい気持ちで読めたのも良かった。
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41歳で突然の脳梗塞に倒れたルポライター。 一命は取りとめ、身体への後遺症は軽かったものの、いくつかの高次脳機能障害が残ってしまう。 高次脳機能障害とは、記憶障害や注意障害などの神経心理学的障害のことで、身体の麻痺などのように一見してわかるものではないため、「見えづらい障害」と...
41歳で突然の脳梗塞に倒れたルポライター。 一命は取りとめ、身体への後遺症は軽かったものの、いくつかの高次脳機能障害が残ってしまう。 高次脳機能障害とは、記憶障害や注意障害などの神経心理学的障害のことで、身体の麻痺などのように一見してわかるものではないため、「見えづらい障害」とも言われているそうだ。 高次機能障害を負い、その障害の辛さを知るにつけ、著者の脳裏には、それまで取材対象としてきた、社会的に発言の機会を与えられてこなかった弱者たちの顔が浮かんだという。 彼らも、多くの場合発達障害や精神疾患を抱え、自分の辛さを言語化することが難しく、他者にその辛さを解ってもらえない状況に追い込まれている。その本当の辛さが身をもってわかったのだという。 障害と健常のボーダーラインにいる人こそ、支援や周囲の理解が届かない傾向があり、そこにもっと医療の手を差し伸べるべきとも言っている。 個人的には、病を得たことで、自分の生活を見直し、きちんと向き合えていなかった家族と向き合う著者の姿に素直に感動した。 深刻なのだけど、どこかユーモラスな著者とその周りの様子に時には笑わせられながらも考えさせられることが多かった。 もし自分が倒れたら、誰に頼れるだろう? もし自分が死んでしまったら、今私を支えてくれている周りの人々に対して悔いが残らないだろうか? もしもの時のことも念頭に置きながら、毎日を大切に生きていきたいと思わせられる1冊である。
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この本は脳の障害に対した克明なレポートであり、夫婦や仲間の絆の話であり、社会へのルポルタージュでもある。 脳梗塞後の辛いリハビリを経て、感動の復帰みたいなありきたりの内容ではない。 脳梗塞後の障害を自己分析し、(たぶん)分かりやすく表現した当事者ならではの視点が特徴だろう。 そ...
この本は脳の障害に対した克明なレポートであり、夫婦や仲間の絆の話であり、社会へのルポルタージュでもある。 脳梗塞後の辛いリハビリを経て、感動の復帰みたいなありきたりの内容ではない。 脳梗塞後の障害を自己分析し、(たぶん)分かりやすく表現した当事者ならではの視点が特徴だろう。 それに著者らしく、脳の障害やリハビリを現在の社会問題と絡めて来るのもまた良い。 まっ、なんといっても最大は奥さんとの関係かな?ここら辺はちと感動ありでしたね。 何てったって最終的に脳梗塞になって障害も出たのに現在ではそれをプラスな出来事だと夫婦で言い切るのですから❗これには脱帽です。 「これからこの障害と共に頑張って生きていきます」的なことではなく 7:3で良かったとか言うんです。 自分もこの本を読んで7:3で良かったです。
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