脳が壊れた の商品レビュー
この本は脳の障害に対した克明なレポートであり、夫婦や仲間の絆の話であり、社会へのルポルタージュでもある。 脳梗塞後の辛いリハビリを経て、感動の復帰みたいなありきたりの内容ではない。 脳梗塞後の障害を自己分析し、(たぶん)分かりやすく表現した当事者ならではの視点が特徴だろう。 そ...
この本は脳の障害に対した克明なレポートであり、夫婦や仲間の絆の話であり、社会へのルポルタージュでもある。 脳梗塞後の辛いリハビリを経て、感動の復帰みたいなありきたりの内容ではない。 脳梗塞後の障害を自己分析し、(たぶん)分かりやすく表現した当事者ならではの視点が特徴だろう。 それに著者らしく、脳の障害やリハビリを現在の社会問題と絡めて来るのもまた良い。 まっ、なんといっても最大は奥さんとの関係かな?ここら辺はちと感動ありでしたね。 何てったって最終的に脳梗塞になって障害も出たのに現在ではそれをプラスな出来事だと夫婦で言い切るのですから❗これには脱帽です。 「これからこの障害と共に頑張って生きていきます」的なことではなく 7:3で良かったとか言うんです。 自分もこの本を読んで7:3で良かったです。
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著者は、社会的弱者の中でも、とくに自分から声をあげられない人々に接し、その声を自らの著書の中で届けてきた。 自分も脳梗塞による障害を持つ中で、さまざまな過信を反省しつつ、最後に支えとなるのは人のつながりであるという事実を改めて発見している。
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脳梗塞で脳の一部が壊れた人のセルフレポート。壊れた箇所が運動野ではなく認知や感情を司る高次機能であることが興味深い。先天的な発達障害や、そこから復帰しない痴呆の状態の苦しみは、健常状態と比較して語られることが無かったが、もともと健常で、障害になり、復帰できた振り返りとして解説され...
脳梗塞で脳の一部が壊れた人のセルフレポート。壊れた箇所が運動野ではなく認知や感情を司る高次機能であることが興味深い。先天的な発達障害や、そこから復帰しない痴呆の状態の苦しみは、健常状態と比較して語られることが無かったが、もともと健常で、障害になり、復帰できた振り返りとして解説されている。余計な情報をフィルタリングして肝心なことに集中すること、優先順位をつけること、感情を出すことや抑制することなどにも、対応する脳のハードウェアが有り、それが壊れたらその機能が失われること、リハビリにより代替回路が構成され回復することが素晴らしい。 リハビリの有効性も再確認したが、現状の医療において、制度、器具の発展、本当に必要な人(リハビリすれば生産性が向上する人)への届け方などの課題も確認できた。
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脳梗塞になり、高次脳機能障害になった時、どんなことが起こるのか。本人から見て、どんな状況なのかが紹介されている一冊。 深刻な状況なのですが、思わずくすっと笑ってしまうようなエピソードも交えて書かれているので、読みやすかったです。 この症状を知っておくことで、大切な誰かの脳に異...
脳梗塞になり、高次脳機能障害になった時、どんなことが起こるのか。本人から見て、どんな状況なのかが紹介されている一冊。 深刻な状況なのですが、思わずくすっと笑ってしまうようなエピソードも交えて書かれているので、読みやすかったです。 この症状を知っておくことで、大切な誰かの脳に異変が起こっているとき、あるいは脳梗塞後の様々な困難の場面で、力になれることが見つけられるのではないかと思います。
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貧困を取り扱うライターが体を壊し脳溢血を起こした。 そして、高機能脳障害という、目に見えない障害が残った。 からだの不自由さは目に見える。しかし、脳の障害、こころの障害については目に見えない。 そして、著者は自身が実際に脳に障害を持ち、今まで対象としていた貧困に陥る彼、...
貧困を取り扱うライターが体を壊し脳溢血を起こした。 そして、高機能脳障害という、目に見えない障害が残った。 からだの不自由さは目に見える。しかし、脳の障害、こころの障害については目に見えない。 そして、著者は自身が実際に脳に障害を持ち、今まで対象としていた貧困に陥る彼、彼女らが同じように脳機能に障害を負っているのではないかと思いいたる。 著者の言う脳が壊れたことによりできないことも多くなる。 しかし、脳は壊れたままではなく、リハビリテーションによりある程度の機能は回復する。 問題は脳が壊れていることが目に見えてわからないということ。 治療のテーブルに乗れない人がたくさん居るということではなかろうか。
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著者は僕よりも少し若いライター稼業の人。そんな人が脳梗塞に見舞われ、高次脳機能障害が残った。その体験談だ。 ライターというのはある種の他人事としてモノを書かないといけないと思うのだが、逆に著者はこの事実を僥倖と感じる。当事者感覚を残しつつ、感じ、考え、書く能力を喪失せずにすむ、...
著者は僕よりも少し若いライター稼業の人。そんな人が脳梗塞に見舞われ、高次脳機能障害が残った。その体験談だ。 ライターというのはある種の他人事としてモノを書かないといけないと思うのだが、逆に著者はこの事実を僥倖と感じる。当事者感覚を残しつつ、感じ、考え、書く能力を喪失せずにすむ、というのは望んで得られるものではない、と。 著者がこれまで扱ってきた仕事の多くに、発達障害を抱えるが故に社会から排斥されてきた人たちがいる。先天的か後天的かという違いはあるが、当事者認識が符合するのではないかという。実際のところ、それはずいぶん違うのではと想像はするが、あくまで僕の想像でしか無い。現場で多くの人と触れ合ってきて、また本書のキーマンとも言える奥さんも注意欠陥があり、自身がそういう体験をして、となれば、想像で考えるのとは違う結果があろう。 どんな状況で発症したか、振り返って原因や兆候がどんなであったか。運ばれた直後の話から、リハビリのこと。感情表現が、対人の姿勢・雰囲気が思うように出来ないもどかしさ。でも奥さんが、こんな機会ないから楽しめ、という。 そんな具合で明るく楽しく書かれているが、やっぱり大変だ。もともと高いと思っていた交渉能力が極端に低下する。相手の言葉を遮って反論するようなことが出来なくなる。これは後期高齢者の、特に認知症患者のそれに似ているようで、そちら方面の体感までしてしまう。でもだんだん治っていく実感もあるようで、「妻にエロ本を発見された夫の開き直り謝罪を完全再現できる発声スキル」が当面のリハビリ到達目標、だそうだ。 強引に一言でまとめれば、「面倒くさい人」になってしまったわけだ。でも世の中には面倒くさい人がたくさんいる。そういう人が生きていける社会をどんな風につくるのか、というヒントやら答やらがあるなあ。僕も近頃体調が悪いので、そうなったときの応援団を作っておかないとな、とひしひし感じた。
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高次機能障害、見た目は健常者というのが辛いな…。もちろん、それで救われる事も多いんだろうけど。 社会の理解が必要なんだろうけどなかなか進まないなぁ…
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高次脳機能障害を発症したライターさんの手記。書くことが仕事のひとが、動けなくなり書けなくなり感情失禁におそわれる現実。となりにいてくれるひとの尊さ、当たり前の有難さに気付かされる一冊。
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著者は41歳の若さで脳梗塞で倒れたフリーのルポライター。その著者が、リハビリによるその後の機能回復過程も含め、脳の障害を負った当事者がどのように感じるかを記録したのが本書。幸い著者の脳梗塞は軽度のもので済んだようで、タイトルの「壊れた」から想像するほどの分かりやすい障害が残った訳...
著者は41歳の若さで脳梗塞で倒れたフリーのルポライター。その著者が、リハビリによるその後の機能回復過程も含め、脳の障害を負った当事者がどのように感じるかを記録したのが本書。幸い著者の脳梗塞は軽度のもので済んだようで、タイトルの「壊れた」から想像するほどの分かりやすい障害が残った訳ではないのだが、逆に見た目には分かりにくい脳の微妙な障害(高次脳機能障害)が残ったようで、それがどのような状態なのかを著者は壊れた脳で懸命に言語化を試みている。そして、それはいわゆる発達障害だとかアスペルガー症候群だとか言われるような人々の症状と似ているということを著者は指摘しているし、その当事者の気持ちにはなってみないと理解しにくいようだ。今回、著者はそれを自身で体験して言語化しているわけで大変貴重な体験とその記録となっている。もちろんその記録も貴重であるとは思うが、個人的には「脳が壊れた」こと自体の記録よりも、著者自身がその原因を追求して自分自身のそれまでの人生と生活、家族との関係を振り返って脳梗塞となった理由を考察している後半部分の方をより興味深く感じた。自分自身にも当てはまる、身につまされる部分も多い様に思う。脳梗塞にならんように気を付けよう。
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後天的に負った脳障害の症状と先天的に負った脳障害の症状が類似すること。⇒発達障害が脳障害であることの分かりやすい根拠。 hot-system/cool-systemの実例のような症状。⇒高次脳機能の障害はcool-systemの障害。 良いタイミングで読めた。
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