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帰ってきたヒトラー(下) の商品レビュー

3.8

67件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    26

  3. 3つ

    16

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    2

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2016/09/24

あとがきにもあったが、変なやつヒトラーをみて笑っていたつもりが、いつの間にかヒトラーを応援し、ヒトラーとともに笑っていた自分に気付きぞっとする。

Posted byブクログ

2016/08/24

下巻はあっという間。ヒトラーは常にある意味正しいことを言っている。会話のミスマッチが大きな違いを生んでいるのみ、人々はそれを笑っている。あの時代もこうしてヒトラーという人間をドイツ人は選んでいったのだろう。誤解を恐れずに言えば、ヒトラーも信念の人であり、自分の原理原則にひたすら忠...

下巻はあっという間。ヒトラーは常にある意味正しいことを言っている。会話のミスマッチが大きな違いを生んでいるのみ、人々はそれを笑っている。あの時代もこうしてヒトラーという人間をドイツ人は選んでいったのだろう。誤解を恐れずに言えば、ヒトラーも信念の人であり、自分の原理原則にひたすら忠実ないち政治家だったのだ。それを受け入れた国民も、こんなはずじゃなかったと思ったけど時すでに遅し。でもそれが民主主義でもある。よい政治家とは何か、よい国民とは何か。それを考えさせられる作品。 最後の「悪いことばかりじゃなかった」というスローガン。笑える?笑えない?複雑で、しかも最後の最後にズーンと重く心にのしかかってきた。

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2016/08/22

うーん。 ドイツ通のヒトとか、ヨーロッパ近現代史に精通したヒトとかが読んだら、隅々まで楽しめるのだろうな。 そのどちらでもないので、面白さ30~40%減(当社比)というところ。たぶん。

Posted byブクログ

2016/08/17

ヒトラーが現代に蘇ったら…という話。 面白かった。 すごく面白かったんだけど、「近代史最悪の独裁者」というイメージがある彼の発言にわずかでも共感したり納得しかけてしまうのが怖くて、読み進めるにつれて、消化しきれない後ろめたさのようなものが積もってくる感じ。 そういう不安をマライ・...

ヒトラーが現代に蘇ったら…という話。 面白かった。 すごく面白かったんだけど、「近代史最悪の独裁者」というイメージがある彼の発言にわずかでも共感したり納得しかけてしまうのが怖くて、読み進めるにつれて、消化しきれない後ろめたさのようなものが積もってくる感じ。 そういう不安をマライ・メントラインさんの解説が少し整理してくれてほっとした。 これはぜひ、映画も観たいなあ。

Posted byブクログ

2016/08/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ベルリン陥落で自殺後にガソリンかけられて焼かれたはずのヒトラーが2011年に蘇る設定。自殺する直前までの記憶はあるらしい。最初は良くできたモノマネ芸人と間違われてテレビに出るが、やがてその発言内容は各方面に影響力を持ち始める。 この作品でのヒトラーは、頭が良く、ドイツ国民の未来を真剣に考え、労働者の味方で、明確なビジョンを持ち、意見の対立を恐れず、総統として政治的決断の責任を全うする気力溢れる政治家である。民族主義で、経済的には中道左派。作中では極右を罵倒し、緑の党とは仲良くなる。 領土拡大も戦争も民族浄化もドイツ国民の幸福のための手段であり、総統の責任において決断してやり遂げる強い意志がある。なぜならそれは国民が支持しているから。現代に蘇ったヒトラーもそれは変わってない。ここが怖いところ。

Posted byブクログ

2016/08/06

2011年のベルリンの路上に、アドルフ・ヒトラーその人が現れた。 独特の視点で社会を見つめ、鋭く批判する姿は「前衛的で過激なコメディアン」として受け入れられていく…。 ヒトラーの主張する「一理ある」ように思われる言説と風刺に納得し、笑いながら、ふと 「この人、アドルフ・ヒトラーな...

2011年のベルリンの路上に、アドルフ・ヒトラーその人が現れた。 独特の視点で社会を見つめ、鋭く批判する姿は「前衛的で過激なコメディアン」として受け入れられていく…。 ヒトラーの主張する「一理ある」ように思われる言説と風刺に納得し、笑いながら、ふと 「この人、アドルフ・ヒトラーなんだよね」 と思い出したときにおこる一抹の不安。 本の終わり方と併せて、素晴らしい小説でした。 映画化され、その作品も見ましたがそちらも面白かったです。

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2016/09/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上下巻通して面白かったのですが、ナチス・ドイツおよびアドルフ・ヒトラーを詳しく知っていると、なお面白いのだと思う。 私は知識があまり無いまま読んでしまったので、そこそこの面白さで終わってしまった。

Posted byブクログ

2016/07/26

なかなかの良書。読売新聞にこの本の著者のインタビュー記事が載っていた。それによると著者はヒットラーの著書の贋作を書くことを思い至って、本書を執筆したとのこと。贋作よりもこういったSF(?)にすると面白いし、ぞっとさせられもした。笑えたが最後の一言、「悪いことばかりではなかった」と...

なかなかの良書。読売新聞にこの本の著者のインタビュー記事が載っていた。それによると著者はヒットラーの著書の贋作を書くことを思い至って、本書を執筆したとのこと。贋作よりもこういったSF(?)にすると面白いし、ぞっとさせられもした。笑えたが最後の一言、「悪いことばかりではなかった」という、ヒトラー再起の選挙ポスターの文言が衝撃的だった。

Posted byブクログ

2016/07/15

微妙。 ヒトラーのことを詳しい人なら面白いのかも。。 私はあまり面白さを感じなかった。 この手のものは映像で見たほうが良いのかも。

Posted byブクログ

2016/07/07

なぜかヒトラーが60年ほど冷凍保存され、2011年の現代ドイツに1945年4月末の意識を保ったままよみがえる。 ヒトラーが手がけたきた行為を反芻しながら、本書をよむことが、いかに面白いか。 映画化されたものは未聴だが、これは活字でなくては伝わらない面白さと著者の工夫が随所にあ...

なぜかヒトラーが60年ほど冷凍保存され、2011年の現代ドイツに1945年4月末の意識を保ったままよみがえる。 ヒトラーが手がけたきた行為を反芻しながら、本書をよむことが、いかに面白いか。 映画化されたものは未聴だが、これは活字でなくては伝わらない面白さと著者の工夫が随所にある。 本書は、現代ドイツ版の『パパラギ』だろう。 70年前の筋金入りの国家社会主義者からみた現代は驚愕と落胆の連続であり、現代人からすれば懐古的な思想と発言しかできない男をどこまでも訝しく思う。 そして、それは徹底的な風刺であり皮肉であるが、そしてその皮肉を発する主体である「ヒトラー」その人物も、周囲からすれば「ヒトラーになりきった人」という見え方しかされていない。いかにこれが皮肉なことか。 現代におけるヒトラーの滑稽さと、ヒトラーから見た現代の滑稽さを、相当意識的に混同し、読者を困惑させる。賛同はしないが、応援は心から行う。 そういう小説ではないだろうか。

Posted byブクログ