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帰ってきたヒトラー(下) の商品レビュー

3.8

67件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    26

  3. 3つ

    16

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2020/05/10

いや〜面白かった。ずっと読んでられる。 「暗い過去」だってこんな角度で見てみたい。 体験してないからこそ「あれはダメ、これは悪」だけでは終わらさないようにというメッセージがあった気がする。ほんとに面白かった、続編希望。

Posted byブクログ

2020/03/20

上下巻合わせての感想とする。 知識が足りず難解なところも多かった。 ヒトラーが時代錯誤な言動を繰り広げるのを笑っていたはずが、いつの間にかヒトラーと一緒に笑っていた。 「なんだ、まともな事言ってるじゃないか」とすら思った。 キャッチコピーの「笑うな危険」にモノの見事に陥ったもので...

上下巻合わせての感想とする。 知識が足りず難解なところも多かった。 ヒトラーが時代錯誤な言動を繰り広げるのを笑っていたはずが、いつの間にかヒトラーと一緒に笑っていた。 「なんだ、まともな事言ってるじゃないか」とすら思った。 キャッチコピーの「笑うな危険」にモノの見事に陥ったものである。 映画で大きく構成を変えたのは、思いの外皮肉が通じず本当に「悪いことばかりじゃなかった」って方に転びそうで脅威をより分かりやすくしたのかな?

Posted byブクログ

2024/07/09

最後まで面白かった。 タイムスリップものSFなわけですが、イデオロギー、プロパガンダ、メディア、ポピュリズムなど、勝手にあれやこれや考えさせられてしまう。それがこの作品の一番すごいところではないか。 現代に帰ってきたヒトラーがナチズムを繰り出す事で、ただただ困惑する人、ジョー...

最後まで面白かった。 タイムスリップものSFなわけですが、イデオロギー、プロパガンダ、メディア、ポピュリズムなど、勝手にあれやこれや考えさせられてしまう。それがこの作品の一番すごいところではないか。 現代に帰ってきたヒトラーがナチズムを繰り出す事で、ただただ困惑する人、ジョークとして消費する人、ジョークとして消費する事すら禁忌であるとする人、ジョークとして扱われる事を嫌悪する人(ナチ)、いつの間にか本気で傾倒していく人、があぶりだされる。これは作者が描くヒトラーの主張にある程度共感できる部分があったり、おかしみを含めてとても魅力的であるからだ。その結果、作品を描く作者、それを読む自分、そして世の反応に対しても考えさせられる事になる。この作中作外に及ぶ多様な視点の表出がこの作品の特徴といえる。 さらにいうならば、これらの多様な視点は時代にも関係してくる。作品の舞台となっているのは2011年頃であり、トランプやブレグジットを経た2020年の解釈とは異なってくる。きっとあと5年後に読むと、また新しい視点になるのだろう。 それらをひっくるめて、自由で多様性のある社会とそこに内包される一抹の危うさを、最後の一文が表しているのではないだろうか。

Posted byブクログ

2020/01/17

複数巻を平行に読了シリーズ。といっても、最近はあまりプレッシャーも不安もないな。 上巻で離陸したユーチューブ・ヒトラーが大人気となり、タブロイド紙「ビルト」に目をつけられる。ビルト紙による罠の会談を、相手方の不満が残る形で切り抜けると、その足で極右政党の本部に乗り込んで、体たら...

複数巻を平行に読了シリーズ。といっても、最近はあまりプレッシャーも不安もないな。 上巻で離陸したユーチューブ・ヒトラーが大人気となり、タブロイド紙「ビルト」に目をつけられる。ビルト紙による罠の会談を、相手方の不満が残る形で切り抜けると、その足で極右政党の本部に乗り込んで、体たらくぶりを斬る映像を取る快進撃を続ける…。 上巻で「離陸したところ」と書いたが、下巻が始まった途端に調子に乗りまくりで、あれよあれよという間に半分は読み終えてしまうだろう。 過去の人が過去のままだと思いこんで(というわけでもないが)、左右政治家にぶち当ててみたら、実はヒトラーのほうが柔軟で、うまくあしらってしまうさまは痛快である。その一方で、クリスマスの話など、なんとか書きました、というような話もあるので、章分けはうまくなされているのではないかと思う。 相変わらずのヒトラー口調と一般人のコントラストが非常に素晴らしい訳をなされており、堅苦しいように見えるヒトラー一人語りも、軽く読めてしまうところがまた面白い。一章で移動は1つ、イベントも1つというのも、読者を飽きさせないテクニックであろう。内容は☆4。 ただでさえ短い作品だが、下巻は特にあれ?ここで終わるの?と思わせる厚さを残して終わり(終わり方は個人的に好き)、その後に長々といろんなマスコミの書評などで嵩上げして、上下2巻にしているのはいただけない。1冊で済む話だ。星を一つ減らしたのはそこ。 また、よく考えてみると、ドイツ人が書いて、ドイツ人はこの作品に出てくるヒトラーを一切認めてはならないのだが認めざるを得ないという、複雑な状況で読んでんだろなと思いながら読むと、なおさらおかしい気分になる。 2019年に読んだものの中では、ベスト3には入るけど、1位ではないかな。

Posted byブクログ

2019/09/12

何が笑いを誘うのかというと噛み合わない感じとか、お互いが誤解してしまってる感じか。 ヒトラーが大した人物だと思うのはホントに自分にストイックでその信念を貫くためにものすごい努力と自制をしているようであること。単なる誇大妄想や私欲というより、ドイツという公に奉仕しようとする気持ちが...

何が笑いを誘うのかというと噛み合わない感じとか、お互いが誤解してしまってる感じか。 ヒトラーが大した人物だと思うのはホントに自分にストイックでその信念を貫くためにものすごい努力と自制をしているようであること。単なる誇大妄想や私欲というより、ドイツという公に奉仕しようとする気持ちが強いのだな。

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2019/07/13

面白い企図。読者はヒトラーの時代の恐ろしい所業をすでに知っている。しかし全編通してヒトラーの視点で描き出された現代社会と彼の思想を読んでいると、「こいつ面白いやつじゃん、なんか純粋でいい人やん、確かに言っていることは一理ある」と思ってしまう。ごく自然に彼が現代社会においてもスター...

面白い企図。読者はヒトラーの時代の恐ろしい所業をすでに知っている。しかし全編通してヒトラーの視点で描き出された現代社会と彼の思想を読んでいると、「こいつ面白いやつじゃん、なんか純粋でいい人やん、確かに言っていることは一理ある」と思ってしまう。ごく自然に彼が現代社会においてもスターになっていくことが受け入れられる。 ヒトラーとナチスが台頭してきた時代もきっとそうだった。こうやって民主的に独裁恐怖政治が選ばれていくんだとわかる。 ファシズムは最初から恐ろしい顔をしていない。ごく当たり前のように隣に存在するんだという事を知って恐ろしくなる。

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2019/03/21

第二次大戦当時、自殺したとされたヒトラーが70年後の現代に蘇り、当初は本人似のコメディアンとして認知されるものの、メディアを通じて次第に人気が出て行って…という話。 読んでて面白いのに、読みすすめていく内にとんでもなく不安になる不思議な小説。 その不安は①そもそもヒトラーの話を面...

第二次大戦当時、自殺したとされたヒトラーが70年後の現代に蘇り、当初は本人似のコメディアンとして認知されるものの、メディアを通じて次第に人気が出て行って…という話。 読んでて面白いのに、読みすすめていく内にとんでもなく不安になる不思議な小説。 その不安は①そもそもヒトラーの話を面白おかしく読んでしまってる自分がいるけどいいのだろうか?②ドイツやイスラエルの読者はこれ読んでどんな気持ちになるんだろ?③これはヒトラーの事例だけど、似たような状況が知らぬ間に起こり得るってことだよね?、といった具合に様々な思いが入り混じって押し寄せてきます。 巻末のニューヨークタイムズの書評やイスラエルでの版権を獲得した編集者へのインタビュー、そして日本で活躍しているドイツの方と訳者による解説はとても読み応えがありました。 本国ドイツで200万部のベストセラーとなった時、著者が「これは200万人が参加する社会実験だ」と言ったというのは頷けます。 ヒトラーについて思考停止で“絶対悪”と決めつけるべきではなく、そこに至るまでの過程があったことに気付かされます。

Posted byブクログ

2018/12/22

ヒトラー本人が現代のドイツで目覚める。 最初は戸惑うも徐々に現代に順応していくさまはよくあるタイムスリップもの。 一発ネタかと思ったら意外と面白かった。 映画も面白く、難しいことを考えないで見るには良かった。

Posted byブクログ

2018/06/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 終わり方が打ち切り漫画みたいだった。続刊ありますと言われたら信じるくらいアッサリ。  実際彼がしたことはそんなにないし、周囲の人間に影響を与えた程度で、国民にどれほど人気になったのかもよく分からなかった。  もう一度総統になるのは現実の風潮が許さないだろうし、人気芸人の頂点に立って終わるのは本人が満足しないだろうし、この終わり方が妥当なのか?  前編ほど面白くなかった。

Posted byブクログ

2018/06/02

上巻ほどの楽しい読後感はない。変わらぬブラックユーモアなのだが、どこかで「ホントに良いの?」「この小説が許されるドイツ国内外の環境とは?」など余計なことを考えてしまう。ちなみに「ひぐ本棚」のカテゴリでは「娯楽」でなく「教養」にした。

Posted byブクログ