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帰ってきたヒトラー(下) の商品レビュー

3.8

67件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    26

  3. 3つ

    16

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2017/01/03

前編に引き続きの後編。 映画とは全く異なる終わり方で、この後編の先は読んでる皆様にお任せのあたりが、本らしくていいかなと。 やはりヒトラーの力というのは自然だからこそ驚異的であった。注目のされ方が当時とは異なるが、現代に蘇った時の恐ろしさを感じた。

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2016/12/24

1945年に自殺したはずが、2014年に目覚めたヒトラー。最初こそ混乱するものの、すぐにこれぞ神の意志と思い定め、この世界で大衆を動かす手段を探り始める。彼が見出したのはコメディアンという身分、それに「インターネッツ」だった。 大方のイメージと異なり、ヒトラーはわかりやすい憎悪を...

1945年に自殺したはずが、2014年に目覚めたヒトラー。最初こそ混乱するものの、すぐにこれぞ神の意志と思い定め、この世界で大衆を動かす手段を探り始める。彼が見出したのはコメディアンという身分、それに「インターネッツ」だった。 大方のイメージと異なり、ヒトラーはわかりやすい憎悪を語るのではなく、むしろ普通の人々が抱くごく普通の不満や怒りを取り上げて語るのだ。ネオナチよりも「緑の党」をヒトラーが高く評価しているというのも興味深い。もっともあまりドイツの事情に詳しくないこともあって、そこまで腑に落ちる感じはなかったのだけど…。著者自身による注がいろいろ勉強になって面白かった。

Posted byブクログ

2016/12/12

上巻に比べるとドタバタ的シーンは減ったかな。一方でヒトラーを真に「理解する」人が増えてきて雲行きが怪しくなってくる。 近年の極右系暴言政治家が選挙で選ばれてきてしまう風潮に似たところを感じてちょっと怖い。

Posted byブクログ

2017/03/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

笑いが散りばめられている小説なのですが、最後はヒトラーが反省するのだろうとか、何らかの形で現代の世から去るのだろうとか、そんなストーリーを予想していました。だって何と言ってもあのヒトラーだし、そういう終わり方じゃないと多くの人は納得しないんじゃないだろうかと思って。 予想を裏切られ、この本のヒトラーは生きたまま、そして相変わらず使命感に燃えたままで物語が終わります。文庫本版についているニューヨークタイムズの書評のところに、ブラックユーモアを使ってナチスの過去と向かい合う新しいアプローチだと書かれていました。なるほど。 本を読んで大笑いし、そこでふと我にかえり「こんなに笑っていいのだろうか?」と自問する。そういう小説でした。映画にもなったんですね!

Posted byブクログ

2016/11/01

上巻に続き下巻を読みました!  「この本はヒトラーを笑うのではなく、ヒトラーとともに笑う」みたいなことをどこかに書いてあったと思うのですが、確かになと納得です。 この本を読んでいると、ヒトラーがチャーミングでいい人な気がしてきます。 もちろん内容はフィクションですし、過去に行われ...

上巻に続き下巻を読みました!  「この本はヒトラーを笑うのではなく、ヒトラーとともに笑う」みたいなことをどこかに書いてあったと思うのですが、確かになと納得です。 この本を読んでいると、ヒトラーがチャーミングでいい人な気がしてきます。 もちろん内容はフィクションですし、過去に行われた悲惨な出来事を思うと、フィクションとは言え、そう思うことが正しいことなのか?と自問してしまいます。 そして本書でヒトラーが行うような手口、もしくはヒトラーのようない人物が現れた時にその思惑に気づくことができるのか? 私自身、そして周り、日本という単位で考えてみても疑問です。 終始ユーモアを感じながら読み進めることができますが、最後の最後にはやはりどこか「ゾッ」とさせるものがあります。

Posted byブクログ

2016/10/29

最後のページを読み終えるまで、私は彼の無事に安堵し、彼の一層の活躍の予感に素直に喜んでいた。 だが、物語の外に出て、我に返った時、とりわけザヴァツキ夫妻を思い出し、彼がこれから作り上げていく未来に思い至って、空恐ろしい気持ちがしてならなかった。 あとがきの通りだ。 読者は、物語...

最後のページを読み終えるまで、私は彼の無事に安堵し、彼の一層の活躍の予感に素直に喜んでいた。 だが、物語の外に出て、我に返った時、とりわけザヴァツキ夫妻を思い出し、彼がこれから作り上げていく未来に思い至って、空恐ろしい気持ちがしてならなかった。 あとがきの通りだ。 読者は、物語に没頭すればするほど、彼とともに笑い、そうするほどに、我に返った時、背筋の凍る思いをし、一度でも彼に共感を覚えてしまったことを猛烈に反省する。 どこか、「あの」歴史にも似ている。 彼が、彼のような人が現れた時、途中で我に帰ることの出来る人間が、一体どれほどいるだろう。 それは、あまりに恐ろしい想像だ。

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2018/10/19

うわべだけのポリティカル・コレクトネスで、本書も読まないままにタイトルと、それが持つイメージだけで追いやってはいけないだけの内容がある。 今の世界を覆っている(と我々が思っている)民主主義なるものは、「ヒトラー」が持つ世界観とその世界観からの再解釈を拒否できる自浄作用を持っている...

うわべだけのポリティカル・コレクトネスで、本書も読まないままにタイトルと、それが持つイメージだけで追いやってはいけないだけの内容がある。 今の世界を覆っている(と我々が思っている)民主主義なるものは、「ヒトラー」が持つ世界観とその世界観からの再解釈を拒否できる自浄作用を持っているだろうか。

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2016/10/09

ヒトラーが現代に目を覚まして、また政治活動を始めるというのは、かなり荒唐無稽な思いつきで、物語の中でもそれらしい説明はまったくない。SFでもファンタジーでもなく、気がついて、目が冷めたらここにいたという設定。彼はあの当時のまま。マスコミでの記事の書かれ方が頻繁に挿入されるが、これ...

ヒトラーが現代に目を覚まして、また政治活動を始めるというのは、かなり荒唐無稽な思いつきで、物語の中でもそれらしい説明はまったくない。SFでもファンタジーでもなく、気がついて、目が冷めたらここにいたという設定。彼はあの当時のまま。マスコミでの記事の書かれ方が頻繁に挿入されるが、これはもともと新聞記者としての作家の真骨頂だろう。ゴシップ新聞の記者だったらしいから、ちょうど彼向きのネタなんだろうと思う。最近引退したばかりのドイツの政治家が、結構舞台設定の説明上、登場してくる。このあたりの扱い方が面白い。

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2016/10/07

うーん、本領を発揮したヒトラーは凄いですね。 反対するものも多いですが、賛成するものも数多く現れます。小説上の出来事ですが、いままさに行われているアメリカ大統領選挙において、同じような現象が起きていると感じるのは気のせいでしょうか?NYの不動産王をヒトラーに擬えるつもりは全くあ...

うーん、本領を発揮したヒトラーは凄いですね。 反対するものも多いですが、賛成するものも数多く現れます。小説上の出来事ですが、いままさに行われているアメリカ大統領選挙において、同じような現象が起きていると感じるのは気のせいでしょうか?NYの不動産王をヒトラーに擬えるつもりは全くありませんが、賛否両論という現象面は、この小説のヒトラーとの相似形を感じます。 この作品は、映画化もされています。映画化に際しては、ドキュメンタリー的な撮影手法を取っていて、市街でアポなしの撮影を敢行したらしいです。ドイツで、そんな事ができるのかとちょっと驚きです。結末は、小説と映画では異なります。どっちが怖い結末かと言えば・・・、小説家かな。

Posted byブクログ

2016/09/28

空恐ろしい。演説が上手くて魅力があるから総統ヒトラーは誕生した。その事を忘れると、またヒトラーに忠誠を誓う可能性は、無きにしも非ず。

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