マチネの終わりに の商品レビュー
ハッピーエンドで良かった〜。もう、それだけが心配だった。 平野啓一郎さんの小説は、私には難解なイメージがあったが、これはものすごく読みやすかった。 新聞の連載小説だったのか。これなら、毎日読むのがとても楽しみだったろう。 ま、こんなベタな恋愛小説も書いてくださって、ありがとうと...
ハッピーエンドで良かった〜。もう、それだけが心配だった。 平野啓一郎さんの小説は、私には難解なイメージがあったが、これはものすごく読みやすかった。 新聞の連載小説だったのか。これなら、毎日読むのがとても楽しみだったろう。 ま、こんなベタな恋愛小説も書いてくださって、ありがとうとお礼を言いたい。 "人に決断を促すのは、明るい未来への積極的な夢であるより、遥かにむしろ、何もしないで現状に留まり続けることの不安だった。" 150ページ "洋子は自分が、出口が幾つもある迷宮の中を彷徨っているような感じがした。そして、誤った道は必ず行き止まり、正しい道へと引き返さざるを得ない迷宮よりも、むしろ、どの道を選ぼうとも行き止まりはなく、それはそれとして異なる出口が準備されている迷宮の方が、遥かに残酷なのだと思った。" 182ページ
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難しい会話。何がなんだか。2人の関係がたった一つの事から急転直下で変わってしまうとは。直接確認取らずに。そこから先、読むのやめようかと思った。で、運命の2人、この先どうするのよ。子供がいなかったら簡単な話。自分を優先するのか子供を優先するのか。一般庶民の生活感がゼロで全てが遠すぎ...
難しい会話。何がなんだか。2人の関係がたった一つの事から急転直下で変わってしまうとは。直接確認取らずに。そこから先、読むのやめようかと思った。で、運命の2人、この先どうするのよ。子供がいなかったら簡単な話。自分を優先するのか子供を優先するのか。一般庶民の生活感がゼロで全てが遠すぎる。 恋はするものじゃない、おちるものなんだ って台詞を思い出した 芥川賞作家というのがとてもわかる。
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2016.9.12 よーこさんと平野さんの対談をきっかけに知った本。平野さんは初読み。 大人の洗練された恋愛ーーー相手を思って高揚する気持ちや嫉妬、不安、いろんな感情は歳を重ねても変わらずにあるものなんだと。私はこの登場人物たちよりまだまだ子どもだけど、その事実に、ただただ、ああ...
2016.9.12 よーこさんと平野さんの対談をきっかけに知った本。平野さんは初読み。 大人の洗練された恋愛ーーー相手を思って高揚する気持ちや嫉妬、不安、いろんな感情は歳を重ねても変わらずにあるものなんだと。私はこの登場人物たちよりまだまだ子どもだけど、その事実に、ただただ、ああそうなんだと。 ラストには安堵。この先この二人がどうなるのか現実的なところは分からないけれど、結婚という形で結ばれなくても心が通い合う存在もあるのかなあ。そうだとしたら、一生を誓い合ってする結婚ってなんなんだろう。 願わくば、心から愛する人と生涯を共にしたいな。 それにしても、知的で美人な女性なんて、素敵すぎる。
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なんだろう、読み進めることがちょっとだけできなかった、久々の小説でした。 平野さんの小説好きなんですが、どうしても、どうしても一気読みできるような読み方が出来ず、 読み進めることが出来ませんでした。 そういう小説に出会うのもまた、出会うかな。
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ギター演奏家の蒔野聡史とジャーナリストの小峰洋子の5年半の歳月の物語。一気読みする大人の恋愛小説。メモ。 (1)人は変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は未来は常に過去を変えてる。変えられるとも言えるし変わってしまうとも言える。 (2)いい歳して知的でない女と寝て...
ギター演奏家の蒔野聡史とジャーナリストの小峰洋子の5年半の歳月の物語。一気読みする大人の恋愛小説。メモ。 (1)人は変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は未来は常に過去を変えてる。変えられるとも言えるし変わってしまうとも言える。 (2)いい歳して知的でない女と寝てしまうと明け方惨めな気分になるよ。 (3)恋の効能は人を謙虚にさせること。年齢と共に人が恋愛から遠ざかってしまうのは愛したいという情熱の枯渇より愛される為に自分に何が欠けているのかという十代の澄んだ自意識の煩悶を鈍化させてしまうから。 (4)わたしと結婚して子供を育ててって生活を、蒔野さん、現実的に考えられる?それがこの関係のための正しい答えなのかしら? (5)孤独というのは、つまりは、この世界への影響力の欠如の意識だった。…自分の存在が他者に対して全く影響力を持ち得ないということ。持ち得なかったと知ること。 (6)みんな自分の人生の主役になりたいって考える。それで苦しんでる。 (7)尊ばれない事は忘れ去られる。これは我ら人類のもっとも人類の美しい掟の一つだ。(アラン) (8)明晰さとは太陽にもっとも近い傷だ。(ルネシャール) (9)どんな方法でもいいから、彼の側に居続けたいと思っていました。…正しく生きる事がわたしの人生の目的じゃないんです。わたしの人生の目的は夫なんです。
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大好きな平野さんの最新作です。ファンなのに読むの遅くなっちゃった。 平野さんの作品は恋愛ものじゃないほうが好みなんだけどな・・・なんて思いながら読み始めましたがすぐに撤回! 深い深い感銘を受けてしまい、この人のファンでよかった、やっぱり素晴らしい小説家だ、とあらためて思い、この...
大好きな平野さんの最新作です。ファンなのに読むの遅くなっちゃった。 平野さんの作品は恋愛ものじゃないほうが好みなんだけどな・・・なんて思いながら読み始めましたがすぐに撤回! 深い深い感銘を受けてしまい、この人のファンでよかった、やっぱり素晴らしい小説家だ、とあらためて思い、この作品は私の中で今年のナンバーワンです。 今までの作品よりも読み易く、けれども相変わらず知的好奇心をくすぐられ、そしていつもの美しさや繊細さは顕在で、深く考えさせられ・・・もう、なんと表現したらよいかわかりません。 具体的には難民問題や自爆テロ、被ばくなど社会的テーマを扱いながら、そこに音楽という芸術を絡めた恋愛小説で、そこには哲学を感じ、未来と希望がみえるのです。 作品の構成としては、基本に忠実な「起承転結」から成るきわめてオーソドックスな形なのに全く飽きることはありません。 エンタメ小説のような、起承転転転、みたいなことをしなくても読ませるんですよね。本当に素晴らしい。 今回読んでいて一番胸に沁みたのは「未来は過去を変えられる」ということ。この作品の主題でもあるのではないでしょうか。 人は、未来だけを変えられると思い込んでいるけれどそうではない、未来の行動によって過去の印象も変わりつづける、という考え方です。 日ごろから「分人」を主張される平野さんの、その考え方の延長にあるものだと思います。納得感があり、またひとつ重要なことを教えてもらえた気持ちです。 ああ、本当によい作品。読んでよかった。
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恋愛小説というよりも、現在、未来によって過去に意味を与えられることへの希望を感じさせるふたりの生き方に感動しました。 何故、と泣きたくなるような事も、後から振り返れば、「あの時の壮絶な苦しみのがあったからこそ今の自分がある。」という価値を見出だして、感謝の気持ちにも変えていける。...
恋愛小説というよりも、現在、未来によって過去に意味を与えられることへの希望を感じさせるふたりの生き方に感動しました。 何故、と泣きたくなるような事も、後から振り返れば、「あの時の壮絶な苦しみのがあったからこそ今の自分がある。」という価値を見出だして、感謝の気持ちにも変えていける。 これまで自分が漠然と信じてきた「ムダなことなんてひとつもない」というのは、そういうことなのだと繋がった気がします。 生きる意味と向き合い続けた蒔野と洋子が美しかった。 蒔野のスランプとその後のより色彩豊かな人格、音楽へのステップアップは、今の自分の闘病生活とも重なり励まされるものだったし、洋子の視点での蒔野のニューヨークでの演奏の描写には思わず涙が出ました。 大げさかもしれないですが、 私自身、こうやって生きる意味を考えていける歓びに涙が出て、心が震えるほどの感謝を感じました。 結局単行本も買いましたが、最初に読むきっかけになったKindle Unlimitedには感謝!
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内容紹介 天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。深く愛し合いながら一緒になることが許されない二人が、再び巡り逢う日はやってくるのか――。 出会った瞬間から強く惹かれ合った蒔野と洋子。しかし、洋子には婚約者がいた。スランプに陥りもがく蒔野。人知れず体の不調に苦し...
内容紹介 天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。深く愛し合いながら一緒になることが許されない二人が、再び巡り逢う日はやってくるのか――。 出会った瞬間から強く惹かれ合った蒔野と洋子。しかし、洋子には婚約者がいた。スランプに陥りもがく蒔野。人知れず体の不調に苦しむ洋子。やがて、蒔野と洋子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまうが……。 芥川賞作家が贈る、至高の恋愛小説。
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40代の恋愛がテーマ。 主人公の二人とほぼ同世代なので、パートナーへの愛は冷めても子供への愛情は冷めない、とか、心というかメンタルが思わしくないときは、刺激よりも癒しのほうが必要なのはそうだろうな、とか、やっぱり人生で一番好きだった人のことは忘れることはできないなぁ、等々、理解で...
40代の恋愛がテーマ。 主人公の二人とほぼ同世代なので、パートナーへの愛は冷めても子供への愛情は冷めない、とか、心というかメンタルが思わしくないときは、刺激よりも癒しのほうが必要なのはそうだろうな、とか、やっぱり人生で一番好きだった人のことは忘れることはできないなぁ、等々、理解できるところは思った以上にあった。 でも、この主人公の二人、美しくて才媛な女と、天才ギタリストの男という、あまりにも完全すぎて嘘っぽいというか、一昔前の話っぽく感じてしまった。 まぁ、そのせいでいらぬ嫉妬を受けるわけだし、つまらぬ横やりが入って遠回りをするわけですが。 二人が完全なので、ギタリストの妻になった女のした行為にあんまり苛立たなかった。 正直、この二人が感情的に怒ったり、苛立ったりしている様子が見たかったかもしれません。
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美しい文章でした 美しい恋愛でした もどかしいけれど 音楽の素養がない私はちょっと近づけない部分もあったけれど 住む世界も想いも広がっていて憧れました 美しいラストでした マチネの終わりに でも共感しにくかったな ≪ コンサート 心の余韻 そのままに ≫
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