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神様が殺してくれる の商品レビュー

3.6

36件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    12

  3. 3つ

    9

  4. 2つ

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2018/09/24

仏、伊、独、日の四ヶ国を股に掛ける連続殺人事件にその存在を残す美貌の青年・リオンを元ルームメイトの主人公が追いかけるミステリー。紀行小説さながらに舞台を移しては、忙しなく展開する構成に反し、描写もストーリーも淡々と進むのに、演劇的な印象を強く受けるのが何とも不思議。怪しいと睨んで...

仏、伊、独、日の四ヶ国を股に掛ける連続殺人事件にその存在を残す美貌の青年・リオンを元ルームメイトの主人公が追いかけるミステリー。紀行小説さながらに舞台を移しては、忙しなく展開する構成に反し、描写もストーリーも淡々と進むのに、演劇的な印象を強く受けるのが何とも不思議。怪しいと睨んでいた人物が正に犯人だったが、そのトリックには思わず(一瞬)頭がフリーズ。このミスリード誘導の為にしては随分複雑な人物相関図だった様な気もする。解説を書く漫画家・萩尾望都さんの解釈が示す様に、往年の少女漫画をイメージする作品だった。

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2018/04/29

シリーズの登場人物達もないし、未来や架空の世界にぐいぐい引き込んでいく訳でもなく、淡々としている印象。森博嗣の独特な濃密さはあまり感じられなかった。とはいえ、無駄のない精緻な文章だと思う。 終幕の急展開には息を飲んだが、正直、何が犯罪の原因だったのか、消化不足に終わった。 「レ...

シリーズの登場人物達もないし、未来や架空の世界にぐいぐい引き込んでいく訳でもなく、淡々としている印象。森博嗣の独特な濃密さはあまり感じられなかった。とはいえ、無駄のない精緻な文章だと思う。 終幕の急展開には息を飲んだが、正直、何が犯罪の原因だったのか、消化不足に終わった。 「レナルド・アンペールが殺した」というリオンの供述に対し、そのレナルドなら犯人の可能性に思い至って良いんじゃないだろうか。その点、ちょっと不満が残った。犯人の犯行時の行動も特に主人公レナルドから記されてないので、その点も物足りない。 まあ、ミステリーを書こうとした訳じゃないんだろうな。 解説の萩尾望都からこの作品の倒錯的な裏側を知らされ、頭がクラクラした。 この作品を味わうには、当方の想像力が不足していたということなんだろう。

Posted byブクログ

2017/10/09

ミステリーとしても、耽美小説としても、物足りない感じがする。 殺人事件が国をまたぎ、移動しすぎたせいだろうか? 人物像も客観的すぎて、主人公や美貌の青年もあまり魅力的に描かれていなかった。ストーリーは惹かれるのに勿体ない。

Posted byブクログ

2017/06/19

なんだか不思議な感じのする本。 主人公はフランス人なんだけど、無国籍な雰囲気が漂う。それが大きなスパイスになっているような気がします。殺人事件なのに穏やかな雰囲気で進んでいく物語も最後のどんでん返しには、驚かされ引き込まれました。

Posted byブクログ

2017/05/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【あらすじ】 パリで連続殺人事件が起こった。その発端となった女優殺害事件の現場で、両手を縛られて拘束されていたのは、重要参考人のリオン。彼は「神が殺した」とだけ証言するが、結局真犯人の手がかりは掴めないままだった。やがて起こった次の事件でも、ピアニストが絞殺された現場にはリオンがいた。たったひとつのヒントは、彼の異様なまでの美しさだけ。舞台はフランクフルトから東京へ移り、インターポールによる捜査が始まる。 【感想】

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2017/02/28

いつも騙される。珍しく展開の少ない物語だと思うと、最後に騙される。小説でしか描けない、その王道のさらに上をいく。森博嗣には、常に驚かされる。

Posted byブクログ

2017/02/09

女にしては美しすぎる、美貌の青年をめぐる一連の事件。下手すると昼メロになりそうな愛憎劇だけど語りは淡々としていて熱は低い。最後に驚いて、主人公が語ったことや語らなかったことを後からあれこれ考えるのも楽しいです。面白かった!

Posted byブクログ

2017/01/02

すごい!すべてがFになると同じぐらいの衝撃を受けた! 真相の一言が出たとき、すぐには全てを理解できなかったが、徐々に真実の糸が繋がっていった。 思い返せばいたるところに伏線が…。 子供がいらないってそういうことだったのか、まだ籍を入れていないってなるほど〜。似た者同士ってまさ...

すごい!すべてがFになると同じぐらいの衝撃を受けた! 真相の一言が出たとき、すぐには全てを理解できなかったが、徐々に真実の糸が繋がっていった。 思い返せばいたるところに伏線が…。 子供がいらないってそういうことだったのか、まだ籍を入れていないってなるほど〜。似た者同士ってまさに…‼︎などなど。 リオンの心理は謎めいたものがあったが、森博嗣ワールドということで。 著者の新ジャンル開拓という感じ。

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2016/10/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ノン・シリーズ、初長編森作品。まず装丁に目を奪われ、文体も流れるようで大変読みやすい。主人公・レナルドとそのパートナー・ミシェルの性別も文章の通りだと思い、解説を読んで『あっ!?』と・・(^^; 愛と美についての物語でした!

Posted byブクログ

2016/09/24

インターポールで働く主人公のレナルド・アンペールのもとにフランスの刑事がやってくる。 殺人現場で両手を縛られた状態で発見された重要参考人リオンが「神様が殺した」、「神様の名前はレナルド・アンペールだ」と証言したと聞かされる。 リオンは男性ながら女性以上に完璧で美しい容姿をしている...

インターポールで働く主人公のレナルド・アンペールのもとにフランスの刑事がやってくる。 殺人現場で両手を縛られた状態で発見された重要参考人リオンが「神様が殺した」、「神様の名前はレナルド・アンペールだ」と証言したと聞かされる。 リオンは男性ながら女性以上に完璧で美しい容姿をしている。 レナルドとリオンは大学時代に半年間だけ寮が一緒だっただけで特別親しい訳では無い。 リオンの妄言だろうか。 手がかりの無いままミラノで絞殺事件が発生。またしても現場にはリオンが拘束された状態で発見された。 異常に美しいリオンを中心に起こる殺人の犯人は誰なのか。 そんなお話。 * 簡単にいうと、女性にしては美しすぎる男性のリオンに心を奪われた人達の愛憎劇なんだけど、読み終わるとそれ以上の示唆を含む考えさせられる内容でした。 (ネタバレしないために深くは言うまい。) * 途中まで単なる推理もので退屈だったけど、まさかの叙述トリックでした。 毎度毎度、予想外のトリックで楽しませてくれる森先生。 叙述トリックも出来るとは… * 読んでてゾクゾクしました。 これだから読書は辞められない。 * ちなみに、幻冬舎文庫のカバー外した表紙が無条件で好き。

Posted byブクログ