神様が殺してくれる の商品レビュー
ただひとりの恐ろしい美貌を持った青年と、それゆえに狂気に転じていくミステリーに惹き込まれ、一気に読んでしまった。受け入れられないようなラストにまた驚き。自分の内側の感情がひどく掻き乱される一作。
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ちょっと・・いや、かなり久々の森ミステリ読了。 パリの女優殺害を発端に欧州、台湾、日本へと舞台を移す連続殺人の顛末を、事件の重要参考人である妖艶な男性モデルを追うインターポール職員の視点で描いています。 ミステリとしてはまずまず(ちょっとズルい感じもするけど)ですが・・・ 外国人...
ちょっと・・いや、かなり久々の森ミステリ読了。 パリの女優殺害を発端に欧州、台湾、日本へと舞台を移す連続殺人の顛末を、事件の重要参考人である妖艶な男性モデルを追うインターポール職員の視点で描いています。 ミステリとしてはまずまず(ちょっとズルい感じもするけど)ですが・・・ 外国人を主人公にしているからか、いかにも「海外文学の翻訳」的な文体で書かれているのが・・どーも馴染めませんでした。ちと残念・・・
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文章は相変わらずとても綺麗。 森博嗣さんの作品としては、いつもと雰囲気違うなーという印象。 叙述トリック系は基本好きなんですが、この感じはあまり好みではなかったです。 手記形式なので、真相がほぼ読み手の想像になってしまうので、楽しいところもあるけどモヤモヤも結構残ったままです、、、
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サロメの引用、一度全部読んで味が深まるの辛くて心がずっと嵐 全部「人」の話だったよ〜〜〜 信頼できない語り手、良い〜と思いながら読み進めていた。 レナルドのみたい世界の話と信じたい世界の話、あまりにも、だからから「原罪」で「犠牲」なんだろうな…… レナルドとミシェルによって狂わされたリオン、レナルドはミシェルの事を恐ろしいほど美しい、って言っていたが、もしかしたらレナルドたちも相当に美しかったのでは? レナルドやミシェルの身体的描写って殆どなくって(それはレナルドの主観によって描かれたものであるから)、作中、レナルドに非好意的だった人たちは、かつてのレナルドと同じように、美しすぎるものを恐れて遠ざけた、或いは嫌厭することで自分を守っていたとも捉えられるんじゃないか。 日本でレナルドが記者会見に出席するってかなり得意だと思うし(インターポールであることを省いても)、それは事件に関して詳細を突っ込まれるより、レナルドに興味が行けば〜っていう打算もあったんじゃないか。通訳してくれた警官さん、最後の通訳適当にごまかした気配あったから(私の主観かも) リオンは神様じゃなくて消費される偶像 ミシェルは神様(レナルド)を騙った人 レナルドは全ての元凶とも言えるので原罪? でも周囲の彼ら・彼女らを消費し続けていたかつての大人たちもまた原罪だって言えるのではないか? 双子の片割れが死んだことによって自由を得る双子の構図〜………完璧では神様のままなので、ミシェルは自分を殺すことで自分で作り上げた神様を地に落としたのかもしれない。 (私はこんなになってしまったのに、お前だけが崇拝され、愛されるのは許せない、?) 愛っていうか 恋っていうか 信仰だったのかも レナルド、打算と妥協で会話してるところとか、ちょいちょい保身してるところとか、角が立たないように会話する癖があった気がする。 それが余計に、言い切らない煮えきらないことで、周囲の人間が「想像する余地・空白」が出来てしまって、狂っていってしまったのでは? 自分でも似たようなニュアンスのこと言ってたけど、二兎追っていたのでは?どちらも捨てきれない だからハッキリさせられない。ミシェルにリオンの事を教えたのは、優越感もあったのでは? (僕は彼と同室である)という優越感。他者とは違い彼と特別な関係(を望んでない、稀有な存在)だという自負。 リオンの事をめちゃくちゃ褒めそやす描写がある割に、仲がいいことを否定する、興味があることも否定する。(美しいことは認めるが、誰が見てもそうですよね?って話を若干そらす) 特別な彼(リオン)を特別視していない自分が特別 う゛ーーーーーッ苦、よかった。面白かったです。
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一人称の手記の物語から想像する 恐ろしい程の美しさと存在 執着や愛情 囚われた心 思いを言葉にしていたら 語られない空白と深層への想像には 限界があって 自分の凝り固まった概念が嫌になる 萩尾先生の解説も秀逸
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岡山の旅先で見つけて、森博嗣、こんな海外小説風なミステリィもかくのか!ってなりました。 なかなか特殊な設定でしたよね(おぼえてない トリック的には、ああこのパターンかとなってしまったが、そもそもの設定が面白いので読む手が止まらなかったですね。
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Wシリーズの小休止のつもりで手に取ったが、読み始めたら最後ページを繰る手を止められなかった。 主人公の手記のような体裁で始まったこの本、登場人物ひとりひとりにそこはかとない濁りを感じて「黒幕はこの人?いや、この人?」と推理しながら読んでいく。 懺悔パートに入ってやっぱりこの人か…と落胆しそうになったのも束の間、奥にある真実を知って「えぇ!?」と声に出してしまった。いやー、気づかなかった…!真実を知ってから思い返すと、確かに言葉の端々に違和感あったな…とは感じるものの、いや、まさか、そんな斜め上を…。 同性愛、血縁者との愛、血の繋がらない家族間の愛、それに対する倫理観と時代錯誤性、宗教観。 DNAのサンプルの根源について考え出したら、それこそ性別があべこべ、さまざまな関係がひっくり返って混乱する。性別の先入観に囚われてるのかと頭を抱えつつも、いや、生物学的に考えたら…とぐるぐるしてしまう。 海外の人はすぐ神の名を出すけど、日常的に神を持たない日本人には感覚が難しい。 結局は誰が誰を、どういう意味で愛していたのか、掴むことができなかった。 ーー真実というよりも、真実の上部の本当に綺麗な上澄みだけを掬い取ったものだと思う。 手記に書かれた最後の言葉、これを見て掴むことは諦めた。 主人公が隠したのなら、書けなかったのならもう分からない。 越えてはいけないラインがあって、たまたまそれを越えなかっただけ。そうであると、たまたま育てられただけ。 読書後よく思う。人はいつもギリギリで均衡を保ってるだけで、それはいつでも簡単に崩れる。 自分は、運が良かっただけなのかもって。 なんかでも、結局主人公が一番世の中の目を、性別を、気にしてるんだよね ーー皆さんは、ゴーストを待っているのですか?
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翻訳小説を読んでいるような感覚になった。 登場人物のキャラクタ、トリック、すべて計算されて書かれたものだろうなと思う。 自分が2021年に読んだ小説がこの1冊だけということに驚いた。
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シリーズものではないため読み逃していた作品。この結末はアンフェアだと感じる人がいるかもしれない。自分の場合は、この人物が犯人というパターンもあるかも?と可能性の一つとして思った瞬間もあったが、それとはまったく別のレベルの真相に翻弄されるのを楽しんだ。実は、文章を追っていくだけで既...
シリーズものではないため読み逃していた作品。この結末はアンフェアだと感じる人がいるかもしれない。自分の場合は、この人物が犯人というパターンもあるかも?と可能性の一つとして思った瞬間もあったが、それとはまったく別のレベルの真相に翻弄されるのを楽しんだ。実は、文章を追っていくだけで既に読書体験のかなりの部分で満足したと感じるほど、森博嗣の文体・表現が好きなので、ストーリーも面白いとなれば得した気分。どの作品も両面でクオリティが高いけれど。
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おもしろかった。複雑なようでシンプルで。映画では表現できない結末。本ならではの驚きを与えてくれた。他の著者の本も読んでみたいと思う。
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