海の見える理髪店 の商品レビュー
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2020年10月15日 あ〜そうだったんだ‼️ だからこんなにしつこいくらい丁寧な仕事だったんだ。 こんな話を続けるとは、自分史を語る理由も最後に納得した。 お客さんもう一度お顔を見せていただけませんか、もう一度だけ。いえ。前髪の具合が気になりますもので。 せつない。
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じわりと胸が苦しくなる、切ないストーリーの短編集。どの話にも、ハッとする驚きが仕掛けられていた。全編を通して喪失の痛みが描かれているので、苦い気分になります。 表題の”海の見える理髪店”は、何とも言えない気持ちになって読み応えがあった。特にメンバーズカードのくだりから、ラストの2行がとても切なく、ため息がこぼれました。 ”いつか来た道” 取り返せない時間の重みを感じた。救いのある展開だったけれど、もっと早くに分かり合えなかったのかとモヤモヤします。 ”遠くから来た手紙” 一冊の中で、一番明るく小休止という感じ。 気持ちがほぐれます。 “空は今日もスカイ” ここから好転していくのだろうなと予想できる、力強いラストで良かった。 “時のない時計” 他の物語と毛色が違う。時計屋のせいか、なんだか奇妙な感じがする。止まった時の中に、ずっといてはいけないという事が伝わってきました。 “成人式” どんよりとした気持ちが、サッと明るくなっていくようで、この本の締め括りに相応しい話でした。
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表題作 わけあって、海沿いで理容店を営む店主。生き別れた年頃の息子は名を伏せ理容師の父の元へ客として訪れる。 店主の目線で話は綴られている。息子の心情に触れるところがない。 はじめは、あまりにも饒舌な店主に違和感を覚えた。いつ息子と分かったのだろう。最後のほうで「原田様のお若い声...
表題作 わけあって、海沿いで理容店を営む店主。生き別れた年頃の息子は名を伏せ理容師の父の元へ客として訪れる。 店主の目線で話は綴られている。息子の心情に触れるところがない。 はじめは、あまりにも饒舌な店主に違和感を覚えた。いつ息子と分かったのだろう。最後のほうで「原田様のお若い声の予約が嬉しくて」とあるから、たぶんそこで。 自分の半生を息子に聞かせる(聞いてもらう)つもりで、意を決したように感じた。人を殺めてしまった過去がある店主は一生父と息子として会うことはないだろう。 赤い錆びれたブランコの所は切なかった。思わず表紙を見たら裏表紙にはブランコの上から半分のイラストにあった。ああやっぱり、と思った。 そこで私は、無性に小さい頃の思い出の品が頭に浮かんだ。母がミシンで作ってくれた、母とお揃いの洋服。黒地に小花模様、母はツーピース私はワンピース。今も、どこかにあるだろうか。見たら一瞬で泣ける。なんでだろう。そんな気持ちにさせてもらった。 親子にも色々ある。 いつか来た道 好みだったのはこれ。 母と娘のお話。母から価値観を押し付けられ、ずっと呪縛で苦しみ続けてきた。 だか長いことぶりに訪れた母は認知症にかかっていた。 杏子は絶対に言わない言葉を言う。 「また来るから」と。 親が病んで衰えてわだかまりが解けてゆく。親子とはこういうものかな。 空は今日もスカイ 読めど読めど、活字としてしか頭に入ってこなくて、挫折しかけた。ふわふわして付いてゆけなかった。今、少々疲れてるので頭が働かない(私の読書力不足)。 成人式 両親の気持ちは分からないでもない(同じ状況ではないのでなんとも言い切れないが)。 辛い場所には立ち寄りたくない(見たくもなくなる)私…なので、理解し難い感があった。 しかし、最後は前向きにという気持ちは同じ。 全体的に、思っていたイメージと違った…。 タイトルと装丁の印象から、癒され系(私の思う)と想像していたが、けっこう鋭かった。
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大切な人を亡くしたり、喧嘩してしまった人たちの物語。6話の短編集。 タイトルと表紙絵から明るい話かと思っていたら、重めのストーリーで、なかなか読み進められませんでした。 一話目(表題作)は、物語の主旨が掴みづらく、でも最後は「そうだったのか!」という感じでした。 二話目〜三話目は...
大切な人を亡くしたり、喧嘩してしまった人たちの物語。6話の短編集。 タイトルと表紙絵から明るい話かと思っていたら、重めのストーリーで、なかなか読み進められませんでした。 一話目(表題作)は、物語の主旨が掴みづらく、でも最後は「そうだったのか!」という感じでした。 二話目〜三話目は、悲しかったり、寂しかったりする内容で、挫折しかけました。 でも、最終話は前向きな終わり方だったので、挫折せず最後まで読んでよかったです。
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掲題作、しみじみ地味深かったです。 よくある小説という感じの中、しみじみ心に入ってくる。 他の作品も、ちょっと暗いのと、世代が違う、作者と性別も違うためか、そういうもんかーと思いながら読みましたけど、救いがあって良かったです。
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家族をテーマにした短編が6編、それぞれに少しずつ雰囲気が違っているけど、どれもだいたい数時間の日常を舞台にして、そこから遠い時間に世界が広がってゆく。読み終えると素敵な気分になれる話が多くて、家族っていいなと思える。
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2年近く市民図書館の本棚を見つめていたはずなのに、なんと再読だった。 自分の忘却力?に慄いた。 いやしかし、表題作だけは読んだ記憶があった(短編集のため)。読み始めてすぐ、伊坂幸太郎の「死神の精度」(連作短編集)の中の最後の一編「老女と死神」に似ていると思ったのだ。伊坂幸太郎作...
2年近く市民図書館の本棚を見つめていたはずなのに、なんと再読だった。 自分の忘却力?に慄いた。 いやしかし、表題作だけは読んだ記憶があった(短編集のため)。読み始めてすぐ、伊坂幸太郎の「死神の精度」(連作短編集)の中の最後の一編「老女と死神」に似ていると思ったのだ。伊坂幸太郎作品の方が、それまでの短編の内容が伏線になっていて、正直面白かった。 なのでこの本、続く短編は読んでいないと思っていたのだが、どれを読んでも、「あ、読んだ」と…。 どの話も家族がテーマになっていて、読みどころもあるのだが、短編のせいか物足りないまま終わってしまう感じがする。 直木賞受賞作で期待したのだが、自分の力量が足りないのか…。2020.4.20
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本の題名が印象的で前から気になってまして、やっと手に取りました。 短編集なんですが、海の見える理髪店と成人式は惹かれるものがあり、良作でした。 他は可もなく不可もなくって感じでした。
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始めて読んだ作家! 前評判は聞いている。 うーん、さすが! 海の見える理髪店に1人の男「客」が来て それからの店主の話、 グイグイ惹かれていく、最後にいろんなことがわかる。 人生はほんと、いろいろあるー ほろっと泣ける。
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短編集です。直木賞ということで期待が高かったこともあり、全体的には人物描写が物足りなくて結構がっかりでした。ただ、最後の成人式は良かったです。
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