オーブランの少女 の商品レビュー
中学の時に読んで、衝撃的だった。 当時、怖いと思ったけれど、今読んでみるとやっぱ面白い。こういう後味もいいな、と。
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短編集ながら読み応えがあり、楽しめた。 表題作は言わずもがな、「大雨とトマト」「氷の皇国」がとても印象的。訳あって長く積読本化しており、重い腰を上げたつもりがページを捲る手が止まらなかった。 表題作は思いつきで逆から読んでみたのだが、これがストーリー的にも思いのほか効果的で、最...
短編集ながら読み応えがあり、楽しめた。 表題作は言わずもがな、「大雨とトマト」「氷の皇国」がとても印象的。訳あって長く積読本化しており、重い腰を上げたつもりがページを捲る手が止まらなかった。 表題作は思いつきで逆から読んでみたのだが、これがストーリー的にも思いのほか効果的で、最終的に「こういうことだったのか」と腹落ちした。 解説もとても良いのでおすすめです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ずっと気にはなっていたけど、深緑さんの作品は初めて読みました。短編集ですが共通点は「少女」が主役。個人的には最初と最後の「オーブランの少女」と「氷の皇国」が印象に残りました。前者はラストがとても怖く、後者は切ないながらも穏やかな時間を感じる作品。どれもとても面白かったです。
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深緑先生のデビュー短編集。 まずそのバラエティ豊かさに驚かされる。第2次世界大戦下のフランス、ヴィクトリア朝時代のイギリス、昭和初期のの女学校の寄宿舎、中世北欧の辺境地と舞台も時代も自由自在だ。飽きることなく読ませていただきました。以下、特に印象に残った感想を 「オーブランの少...
深緑先生のデビュー短編集。 まずそのバラエティ豊かさに驚かされる。第2次世界大戦下のフランス、ヴィクトリア朝時代のイギリス、昭和初期のの女学校の寄宿舎、中世北欧の辺境地と舞台も時代も自由自在だ。飽きることなく読ませていただきました。以下、特に印象に残った感想を 「オーブランの少女」 表題作。非常に映像喚起力の高い文章。 緑の庭園、白い館、マロニエ並木、キングサリの藤棚、白いスカート、青い瞳、赤いリボン、軋む歩行具。 なぜ海外が舞台?と思いましたが、なるほどこの残酷な世界はフランス郊外がしっくりきます。 そして残酷な世界には少女達がぴったりなのです。 「仮面」 本当に最終番になってから、ただ醜いとされてたアミラの秘密が記述されます。アミラとは決して分かり合えない隔たりを感じました。 「片想い」 昭和初期の女学校の寄宿舎が舞台。日本が舞台でも変わらず面白かったです。 「氷の皇国」 架空の国の辺境地。時代はわからないけど、多分中世の北欧がモデル(トナカイが住む、白夜と極夜が訪れる地)。最も読みごたえがありました。
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本書収録の「オーブランの少女」で2010年に第7回ミステリーズ!新人賞で佳作に入選した深緑野分が2013年に発表した短編集「オーブランの少女」の文庫版。少女をテーマにした「オーブランの少女」「仮面」「大雨とトマト」「片想い」「氷の皇国」の5作品を収録。時代や場所を変えて描かれる少...
本書収録の「オーブランの少女」で2010年に第7回ミステリーズ!新人賞で佳作に入選した深緑野分が2013年に発表した短編集「オーブランの少女」の文庫版。少女をテーマにした「オーブランの少女」「仮面」「大雨とトマト」「片想い」「氷の皇国」の5作品を収録。時代や場所を変えて描かれる少女たちは妖しい魅力に溢れています。基本はミステリーですが、作品ごとにホラー、ダークファンタジー、エスなど色々な要素が混じりあい独特の雰囲気を漂わせています。
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ミステリーも短編小説も読んだことがなかったが、全て面白かった。 これがミステリーの醍醐味なのだと思うが、最初に読んだ時は全く気にも留めなかった一文が、最後、謎が解決した後で伏線だったと気づいた時の爽快感が素晴らしかった。 短編だからすぐに二度目を読み始めてどこに伏線が張られていた...
ミステリーも短編小説も読んだことがなかったが、全て面白かった。 これがミステリーの醍醐味なのだと思うが、最初に読んだ時は全く気にも留めなかった一文が、最後、謎が解決した後で伏線だったと気づいた時の爽快感が素晴らしかった。 短編だからすぐに二度目を読み始めてどこに伏線が張られていたのか確認することができたのも良かった。 ミステリー沼第一歩としてはとても良い作品だったと思う。
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2013年版は装丁が好みじゃないので誰かが紹介してくれなかったら手に取らなかったと思う。 表題作「オーブランの少女」はナチスドイツの侵攻が始まったフランスに作られた訳ありのサナトリウム。「仮面」ヴィクトリア朝時代イギリスが舞台。「大雨とトマト」大雨の日、安食堂にやってきた常連客...
2013年版は装丁が好みじゃないので誰かが紹介してくれなかったら手に取らなかったと思う。 表題作「オーブランの少女」はナチスドイツの侵攻が始まったフランスに作られた訳ありのサナトリウム。「仮面」ヴィクトリア朝時代イギリスが舞台。「大雨とトマト」大雨の日、安食堂にやってきた常連客と突然やってきた少女。「片思い」女学校。駆け落ち。身代わり。「氷の皇国」北の辺境にある漁村に流れ着いた首のない死体。ガラス細工。 欲しいものを手に入れるために少女は衝動的になり、残酷にもなる。怖い。
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「少女」をモチーフとした短編集。イギリスの、フランスの、北国の、大正時代のそれぞれの場所の描写も雰囲気が目に浮かぶし、ちょっとしたミステリーも粒が揃ってて良い感じ。初の深緑野分の本だったから最初の印象が強いのかな、表題作が一番好み。
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友人に勧められ初めて読んだ作家だったが、文体も読みやすく面白かった。 時代も場所もバラバラな短編集で、全体的に仄暗い美しい描写が際立つ。
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庭園「オーブラン」の管理人が殺された。自殺した妹の日記を元に、少女たちの寄宿学校(サナトリウム)で起こった凄惨な事件を辿る。閉鎖された空間で起こる血生臭い事件に引き込まれる。「氷の皇国」も良い。
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