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オーブランの少女 の商品レビュー

3.8

66件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    33

  3. 3つ

    12

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

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2025/12/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表題作「オーブランの少女」を読み終え、それ以外は未読ながら思うことありレビューをしたためることとする。以下ネタバレあります!注意してお進みください。 序盤から時代、土地などの記述がなくファンタジー的な作品と思いつつ読みすすめるのだが、世界観の正体が判明していく中で、そういうことか!と思いいたる。背景は第二次大戦ただ中のフランス片田舎であり、ナチス独がユダヤ人狩りの悪政を行っていいる。その中での無知蒙昧なる少女達の物語であった。作者深緑氏のデビュー作であり、氏の作品では「戦場のコックたち」のみ既読である。が、しかし深緑の創作における原点的なもの、これは先の大戦、特に欧州戦線における様々な事象を見つめ直すことにから始まっている!としか思えないのである。「戦場の~」のレビューでも述べているが、ストーリーは実際の空挺団の動きを追う中での創作であった。また未読であるが「ベルリンは晴れているか」は終戦直後のベルリンを舞台にしている。 日本人であり女性である深緑氏が、ここに大いなる興味を持ち(妄執といってもよいくらい)作家生活を始めた、という事実は個人的にも非常に非常に興味をそそられる。氏は1983年生まれのようであり「戦場~」の元ネタである「バンド・オブ・ブラザーズ」が製作されたのは2001年である。20歳未満の女性の一般的趣味嗜好からはかなり外れていると思うのだが、深緑氏がここにのめり込んでいたのは疑えない。おそらくその素養はあったのだろう、そのきっかけを知りたい!と切実に思う。読み物だったのだろうか?歴史書か?はたまた自分を始めとするミリオタらしく戦争映画だったのあろうか?で、あるならば「プライベートライアン」1998あたりからか?氏の成年月日より遡るなら、様々な良作がある中、どんな映画を見たのだろうか?ここにはオタクのシンパシーを感じてやまない。 「ベルリン~」も依然より注視していたが、早急に読破リスト入りすることとなった。とはいえアニメ化された「この本を盗むものは」を探したがなかったので「オーブラン~」たどりついたのである。第二次大戦から離れた氏の作風にも注目している。

Posted byブクログ

2025/12/03

深緑野分さんの2冊目。 「この本を盗む者は」では★1。 もうこの作家さんはいいかな〜と思ってたんだけど、つい手に取ってしまった。 だってさー。 このうらすじだよ。 【美しい庭園オーブランの管理人姉妹が相次いで死んだ。姉は謎の老婆に殺され、妹は首を吊ってその後を追った。姉の遺...

深緑野分さんの2冊目。 「この本を盗む者は」では★1。 もうこの作家さんはいいかな〜と思ってたんだけど、つい手に取ってしまった。 だってさー。 このうらすじだよ。 【美しい庭園オーブランの管理人姉妹が相次いで死んだ。姉は謎の老婆に殺され、妹は首を吊ってその後を追った。姉の遺した日記に綴られていたのは、オーブランが秘める恐るべき過去だった】 そりゃ読みたくなるでしょー。 長編かと思ったら短編集だった。 しかも全てに『少女』が絡んでいる。 ・オーブランの少女   著者デビュー作。   集められた少女たち。   いや、そうはならんだろう。 ・仮面   踊り子の少女。   ジジイが美少女に惚れるとろくなことにならんよ。 ・大雨とトマト   大雨の日にやってきた少女。   脳内妄想右往左往。 ・片想い   昭和初期の女学校。   エスってどっかで聞いたな。 ・氷の皇国   ファンタジー世界の少女。   王族美少女は大体残酷で厄介。 いずれもミステリー仕立ての物語。 「この本を〜」でも思ったことだけど、この人のって設定の説明がくどい印象。だるい。 いろんな世界を舞台に選んでるが、それを書きたいと思ってやってるのだろうが、読んでる方は、特に俺のように頭の回転やスタミナが足りない人間にとってはけっこう大変。 思いきってぶん投げてしまうか、もっと物語に沿って興味を引くようにしないと読んでる方は眠くなる。 それでも短編だけに「この本を〜」よりはまだマシか。 やっと設定を頭に入れて読んでも内容が軽くて「ふうん」で終わってしまう。 苦労して山を登ってもあまり眺めがよくない登山を繰り返してるよう。 ちょっと残念。

Posted byブクログ

2025/08/27

短編集、ダークファンタジーのような幻想的な雰囲気なのに現実味も強くて、それがまたひたひたと怖い。 少女たちの脆さと強かさに心がきゅっと締め付けられる。 切ないけれど、その両極端な部分が諸刃の剣剣のようにまわりを傷つける可能性も自分たちを傷つける可能性もはらんでいてどきどきする。...

短編集、ダークファンタジーのような幻想的な雰囲気なのに現実味も強くて、それがまたひたひたと怖い。 少女たちの脆さと強かさに心がきゅっと締め付けられる。 切ないけれど、その両極端な部分が諸刃の剣剣のようにまわりを傷つける可能性も自分たちを傷つける可能性もはらんでいてどきどきする。 表題作である『オーブランの少女』がデビュー作とは、物語の完成度がすごい。

Posted byブクログ

2025/06/04

海外の作品かなと思ってしまうくらい異国の描写がうまいです。かと思えば明治の文豪の作品みたいなのもあるし…ミステリーの内容も短編ながらもしっかりと組み立てられてます。

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2025/06/01

【オーブランの少女】 大人たちの都合で少女たちは集められ 大人たちの都合で先行きを決められる 抗った二人の少女は…… 人間 このおぞましい生き物 他者の命を奪った者には厳罰を与えるのに 戦で敵の命を奪う者は褒められる 何という矛盾 【仮面】 人は皆仮面を付けているのかもし...

【オーブランの少女】 大人たちの都合で少女たちは集められ 大人たちの都合で先行きを決められる 抗った二人の少女は…… 人間 このおぞましい生き物 他者の命を奪った者には厳罰を与えるのに 戦で敵の命を奪う者は褒められる 何という矛盾 【仮面】 人は皆仮面を付けているのかもしれない 【大雨とトマト】 外は嵐、日曜日のレストランでの出来事 店主である父親の千々に乱れる想いがちょっと痛々しい 少女はどうするのだろう 【片想い】 高等女学校の寄宿舎、同室の二人の少女の想いと想いが若くて青くて良いなあ 【氷の皇国】 小さな漁村、網にかかったのは人の亡骸 二人の少女におきた出来事が とても とても 悲しい……

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2025/03/05

現在、ドはまり中の深緑野分。様々な書評を見ると、単行本デビューとなる本書「オーブランの少女」を推す声が多数見られたので読みたくなった。だいぶ出版が古くて書店では入手できなかったので、困った時のBOOKOFFで探したところ・・・ありました。 深緑野分のことについては殆ど何も知らな...

現在、ドはまり中の深緑野分。様々な書評を見ると、単行本デビューとなる本書「オーブランの少女」を推す声が多数見られたので読みたくなった。だいぶ出版が古くて書店では入手できなかったので、困った時のBOOKOFFで探したところ・・・ありました。 深緑野分のことについては殆ど何も知らないまま作品にのめり込んだので、巻末の瀧井朝世の解説は本当に参考になった。やはりこの本の位置づけはかなり重要なので、この時点で読んでおいて良かった。本としての全体像は実に多岐に亘っており、作者の文章構成力の高さを目の当たりにした。どんなジャンルの作品でも書ける実力が確実にある。本書は短編集なので、一つの作品を読み終える度に、次の作品では私をどの様な世界に連れて行ってくれるのかワクワクしながら作品を読み始めることができる。さて、個別に感想を述べたい。 〇 オーブランの少女 最初は普通の秘密の花園的な世界から入るのだが、急に不穏な世界に引きずり込まれてしまう。この良くあるパターンに知らず知らずのうち引き込まれ、結果として初めに戻る。 〇 仮面 もうアトキンソンが可哀そう過ぎる。医者になるくらい頭がいいはずなのだが、小娘に簡単に騙される。医者に必要な記憶力をいくら持っていても、頭の回転が悪いのではいずれ滅びる。まあ、結果的には嵌められて犯罪者となった訳だが、自分の能力をきちんと把握していないとこうなってしまうのだな。 〇 大雨とトマト 店主、いるよね、こんなオヤジ。でも、オヤジの色っぽい話で終わるのかと思ったら、よもやの募金箱の話で締め括るとは、これもどんでん返しの一種か?募金箱から金を抜いた犯人は、読者は判った。しかし、オヤジや妻は犯人を知らないまま今後も生きていく。オヤジが写真について息子に聞いても、普通なら息子がしらばっくれて終了。 〇 片思い 岩様は江戸時代だったらお岩さんか。でも名前の方が薫子さんとはね。あまりにもギャップが大き過ぎる。お岩さんだと、あまり良いイメージではない。最初は暗くて寡黙だったが、物語の後半では一転して迫力のある台詞が続く。さぞかし水野環ならぬ杉浦友子さんは怖かったでしょうね。題名から考えてもてっきりGLの話かと思ったのだが、さすがのどんでん返しが後半を盛り上げてくれた。 〇 氷の皇国 ありの~ままに~♪の世界の話かと思ったら、なんと、こてこてのミステリー、謎解きミステリーとは全く予想できなかった。しかし、杉下右京ばりの皇后陛下の推理で一件落着となるとは・・・もう素晴らしすぎて感動です。後日談も痛快痛快、満足の極みです。 深緑野分も麻薬・覚醒剤の様な作家。最近の私はいろいろな薬に手を出している。彩瀬まる、村山早紀、そして深緑野分。誰が大麻か、コカインか、LSDかは言及しないが、とにかく禁断症状を抑えるのに心底苦労している。うっかり連続摂取するものなら、知らないうちに長時間読み続けて睡眠時間が削られる・・・やっぱり麻薬・覚醒剤じゃないか!最近ではちょっとしたきっかけで伊坂幸太郎も使ってしまった。一時期やめていたのに・・・脱法ドラッグか?依存症って怖いですよね。もう抜け出せない。誰か助けて。おねがい。

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2024/07/05

中学の時に読んで、衝撃的だった。 当時、怖いと思ったけれど、今読んでみるとやっぱ面白い。こういう後味もいいな、と。

Posted byブクログ

2024/05/10

短編集ながら読み応えがあり、楽しめた。 表題作は言わずもがな、「大雨とトマト」「氷の皇国」がとても印象的。訳あって長く積読本化しており、重い腰を上げたつもりがページを捲る手が止まらなかった。 表題作は思いつきで逆から読んでみたのだが、これがストーリー的にも思いのほか効果的で、最...

短編集ながら読み応えがあり、楽しめた。 表題作は言わずもがな、「大雨とトマト」「氷の皇国」がとても印象的。訳あって長く積読本化しており、重い腰を上げたつもりがページを捲る手が止まらなかった。 表題作は思いつきで逆から読んでみたのだが、これがストーリー的にも思いのほか効果的で、最終的に「こういうことだったのか」と腹落ちした。 解説もとても良いのでおすすめです。

Posted byブクログ

2024/03/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ずっと気にはなっていたけど、深緑さんの作品は初めて読みました。短編集ですが共通点は「少女」が主役。個人的には最初と最後の「オーブランの少女」と「氷の皇国」が印象に残りました。前者はラストがとても怖く、後者は切ないながらも穏やかな時間を感じる作品。どれもとても面白かったです。

Posted byブクログ

2023/02/22

深緑先生のデビュー短編集。 まずそのバラエティ豊かさに驚かされる。第2次世界大戦下のフランス、ヴィクトリア朝時代のイギリス、昭和初期のの女学校の寄宿舎、中世北欧の辺境地と舞台も時代も自由自在だ。飽きることなく読ませていただきました。以下、特に印象に残った感想を 「オーブランの少...

深緑先生のデビュー短編集。 まずそのバラエティ豊かさに驚かされる。第2次世界大戦下のフランス、ヴィクトリア朝時代のイギリス、昭和初期のの女学校の寄宿舎、中世北欧の辺境地と舞台も時代も自由自在だ。飽きることなく読ませていただきました。以下、特に印象に残った感想を 「オーブランの少女」 表題作。非常に映像喚起力の高い文章。 緑の庭園、白い館、マロニエ並木、キングサリの藤棚、白いスカート、青い瞳、赤いリボン、軋む歩行具。 なぜ海外が舞台?と思いましたが、なるほどこの残酷な世界はフランス郊外がしっくりきます。 そして残酷な世界には少女達がぴったりなのです。 「仮面」 本当に最終番になってから、ただ醜いとされてたアミラの秘密が記述されます。アミラとは決して分かり合えない隔たりを感じました。 「片想い」 昭和初期の女学校の寄宿舎が舞台。日本が舞台でも変わらず面白かったです。 「氷の皇国」 架空の国の辺境地。時代はわからないけど、多分中世の北欧がモデル(トナカイが住む、白夜と極夜が訪れる地)。最も読みごたえがありました。

Posted byブクログ