恩讐の鎮魂曲 の商品レビュー
御子柴礼司シリーズ3作目です。御子柴が少年院時代お世話になった教官、稲見が起こした殺人事件がテーマです。序盤は少し退屈でした。今まで以上に地味な下調べ。でも、やはり最後はさすがの圧倒的展開。前2作同様、隠された真実の衝撃は大きかったです。それにしても、面白いなぁ。
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罪を犯してしまうこと、 そして犯した罪を償うということ、 本当に心から罪を悔いるというのはどういうことなのだろうかと 作者はシリーズを通してずっと私たちに問いかけている。 そしてこの物語には、裁かれないことで 更に不幸が加速する人がいれば 裁かれることで救われる人も登場する。 そ...
罪を犯してしまうこと、 そして犯した罪を償うということ、 本当に心から罪を悔いるというのはどういうことなのだろうかと 作者はシリーズを通してずっと私たちに問いかけている。 そしてこの物語には、裁かれないことで 更に不幸が加速する人がいれば 裁かれることで救われる人も登場する。 そこへキーワードとして登場する『緊急避難』が絡むことで 物語は猛烈に面白くなっていくのです。 ページをめくる手が止められなくなるほどストーリーは面白いのに 読み終わったあと、心の中には 答えの出ない問いが刺さったままになっているのでした。
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※このレビューにはネタバレを含みます
唸らせるトリックも、どんでん返しもなし。「少年A」に重なる大罪を犯した主人公が弁護士となり、セウォル号沈没を想起させる事件下で他人の命を犠牲にして生き延びた男に纏わる因果応報に、私情を抑えることなく絡む。意表を突くのは次々と明かされる血縁関係で、その設定に苦笑しつつも、それが陰鬱な裁判審理の中で気散じだったりする。更生、復讐、正義、判決、ありふれていながら定義と容認がやっかいなそれらに改めて向き合える作品だ。御子柴は、殺害した幼女の親に対してどんな贖罪をしているのか、そいつが気にはなる。
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御子柴が手がける事件はどうしても、彼が勝っても被告人が必ずしも幸せになるとは限らない事件ばかり。前回はそれが顕著だったけど、今回は被告人が勝つことを拒んでいた。 御子柴が回を重ねるごとにどんどん人間味をだしてくるのだけど、彼のいい面がみえてくればくるほど彼の起こした事件とのギャ...
御子柴が手がける事件はどうしても、彼が勝っても被告人が必ずしも幸せになるとは限らない事件ばかり。前回はそれが顕著だったけど、今回は被告人が勝つことを拒んでいた。 御子柴が回を重ねるごとにどんどん人間味をだしてくるのだけど、彼のいい面がみえてくればくるほど彼の起こした事件とのギャップが大きくなって、遺族とか身内はいたたまれないだろうな、なんてストーリーとは少し違うところに心奪われながら読んでいました。 一気読みできる安定の面白さでした。 2018.3.4
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ほうほう。こう続いたか……となる悪徳弁護士御子柴礼司シリーズ第3弾。そしてこういうエンディング嫌いじゃない。でもさらにどう続くんだろうか。
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前作で止めを刺されたと思った御子柴が帰ってきた、それも今度は「緊急避難」が論点だ。しかも罪をおかしたのは御子柴の恩人である稲見教官だ、しかし教官は自分の意思を貫いて刑罰を享受する、まんまと復讐を遂げた小笠原夫人を罪に問うことは出来ない。今回も見事に法の無力さを訴えている、最後はモ...
前作で止めを刺されたと思った御子柴が帰ってきた、それも今度は「緊急避難」が論点だ。しかも罪をおかしたのは御子柴の恩人である稲見教官だ、しかし教官は自分の意思を貫いて刑罰を享受する、まんまと復讐を遂げた小笠原夫人を罪に問うことは出来ない。今回も見事に法の無力さを訴えている、最後はモーツアルトの鎮魂曲を聞きながら読んだ。これでこのシリーズの存続は決まったようだ、次作はどんな法の盲点を示すことになるのだろう。「マチネの終わりに」の読んだ後にどうかなと思ったが、どうして読み応えがあり感動もあったよ。
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いつも冷静冷淡、御子柴 今回はやけに人間くさくて、初めて血が通ったように思えた 意固地な老人二人に存分に振り回されたよう 贖罪は終わらない
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悪辣弁護士、御子柴礼司シリーズ3冊目。前作で暴かれた御子柴の忌まわしい過去。弁護士を続けられるのか心配していたが、依頼人が次々と離れていき収入が激減。そこへ医療少年院での恩師、稲見が入所中の老人ホームで殺人、その国選弁護人として無罪を勝ち取るべく立ち上がるが、意に反して殺人の意思...
悪辣弁護士、御子柴礼司シリーズ3冊目。前作で暴かれた御子柴の忌まわしい過去。弁護士を続けられるのか心配していたが、依頼人が次々と離れていき収入が激減。そこへ医療少年院での恩師、稲見が入所中の老人ホームで殺人、その国選弁護人として無罪を勝ち取るべく立ち上がるが、意に反して殺人の意思を述べ、罪を償うべく御子柴に反抗する稲見。御子柴の苛立ちと己の無力さがヒシヒシと伝わってきてやるせなかった。入居者を取り巻く過去の因縁も読み応えあり。今回もとにかくおもしろかった!
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御子柴弁護士シリーズ3作目。 医療少年院時代の教官の弁護を 自ら望んで担当します。 教官を弁護することは彼にとっての恩返しなのでしょうか。 しかし、教官はそれを望んでいないようです。 罪に相応する罰をという教官。 この事件と教官のすべてを知っての行いが 御子柴をさらに血の...
御子柴弁護士シリーズ3作目。 医療少年院時代の教官の弁護を 自ら望んで担当します。 教官を弁護することは彼にとっての恩返しなのでしょうか。 しかし、教官はそれを望んでいないようです。 罪に相応する罰をという教官。 この事件と教官のすべてを知っての行いが 御子柴をさらに血の通った人間に導いているようにも思います。 御子柴の犯した罪への贖罪は続くのでしょうが それでも、御子柴がふわりと心を浮かせるような日が くるのでしょうか。 次作があれば、必ず読みたいと思うシリーズです。
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稲見は自己満足のために裁かれようと思われた。 御子柴に対し、行動で償えといった人物としては、この終わり方には不満を持った。 司法による罰をもって、罪に対して楽になろうとしているように思えた。
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