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恩讐の鎮魂曲 の商品レビュー

4.1

133件のお客様レビュー

  1. 5つ

    35

  2. 4つ

    66

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

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2022/06/08

かつて死体配達人と呼ばれた殺人事件を起こした御子柴弁護士。医療少年院で罪の意識に気づかせてくれた稲見元教官。父のように思う、その稲見元教官が老人ホームで殺人を犯した! 稲見元教官の弁護人に無理矢理なって、稲見元教官を無罪にする⁉︎お話。 御子柴先生が人間味出した、ヒューマンドラ...

かつて死体配達人と呼ばれた殺人事件を起こした御子柴弁護士。医療少年院で罪の意識に気づかせてくれた稲見元教官。父のように思う、その稲見元教官が老人ホームで殺人を犯した! 稲見元教官の弁護人に無理矢理なって、稲見元教官を無罪にする⁉︎お話。 御子柴先生が人間味出した、ヒューマンドラマっぽい感じのお話でもありました。 ネタバレしそーなので感想書きにくいっ( ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ なので読んでみてくださいましw このままシリーズ一気読み予定です!

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2022/04/23

作品を経るごとに、御子柴弁護士の人間らしい面がいろいろ見えてきて、目が離せない。 今回は恩師である稲見教官の裁判ということで、力の入れようがやっぱり違うんだろうか。フットワークの軽さは相変わらず素晴らしい。 小笠原さんが印象的だった。彼女の苦悩を思うと胸が痛い。 事務の洋子さんが...

作品を経るごとに、御子柴弁護士の人間らしい面がいろいろ見えてきて、目が離せない。 今回は恩師である稲見教官の裁判ということで、力の入れようがやっぱり違うんだろうか。フットワークの軽さは相変わらず素晴らしい。 小笠原さんが印象的だった。彼女の苦悩を思うと胸が痛い。 事務の洋子さんがちょっと謎めいて気になっている。

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2022/01/27

最高傑作ですね。御子柴先生の一作目の出だしで、果たして、これがシリーズなのかと不思議におもいましたが、素晴らしい展開。この御子柴弁護士の作品でも、最高の内容です。評価が低過ぎると思います。とにかく、次を読みたくて止まらないですね

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2022/01/20

荒れ狂う海での客船沈没から始まる物語。場面が変わって、死体配達人の異名すらもつ悪辣弁護士、御子柴礼司登場。狭い法曹の世界では、実力云々より嫌われるだろうな、彼の持つ異色すぎる経歴は。 暴力団関係者しか依頼のこない、すさんだとも言える彼の弁護士生活だったが、ある日恩師が起こした事件...

荒れ狂う海での客船沈没から始まる物語。場面が変わって、死体配達人の異名すらもつ悪辣弁護士、御子柴礼司登場。狭い法曹の世界では、実力云々より嫌われるだろうな、彼の持つ異色すぎる経歴は。 暴力団関係者しか依頼のこない、すさんだとも言える彼の弁護士生活だったが、ある日恩師が起こした事件を新聞で見つける。 悪辣弁護士が苦戦する、厳罰すら望む依頼者とは。なぜ罪を犯したのか。なにがそこに向かわせたのか。いつもの冷静沈着さを失う場面もありつつ、魅せてくれる法廷ミステリー。これは面白かった!

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2021/12/26

今作では、御子柴自身が護りたいと思った者を 「本当に護れたのか?」が問われます。 また、容赦がなく 冷徹で論理派の御子柴が 珍しく感情的になるところも見どころでした。 前作で自分の過去が世間に知られてしまった御子柴。 弁護士事務所は窮地に立たされます。 そんな時、恩師の稲見が...

今作では、御子柴自身が護りたいと思った者を 「本当に護れたのか?」が問われます。 また、容赦がなく 冷徹で論理派の御子柴が 珍しく感情的になるところも見どころでした。 前作で自分の過去が世間に知られてしまった御子柴。 弁護士事務所は窮地に立たされます。 そんな時、恩師の稲見が殺人事件起こしたと知り 合法的とは言えない手段で前任者から任を引き継ぎます。 収益の見込めない国選弁護人として。 「償い続けろ、死んだ人間の分まで懸命に生きろ」 自分にそう言った恩師がなぜ殺人を? 無罪を勝ち取って恩返しをしたいと思う御子柴ですが 稲見の一徹な性格が御子柴を悩ませます。 そして、第一作でいい味を出していた埼玉県警の渡瀬。 今回は全く事件に関わっていないのですが、 電話で御子柴に重要な鍵を差し出します。 中山七里氏、サービス精神旺盛です。 さらに、いきなり冒頭で語られる旅客船沈没時の事件。 女性の救命具を奪って自分だけ助かった男の無罪判決が提示されます。 え? 何? と訳が分からなかったのですが このことを忘れかけた後半で、とても大きな意味を持ち始めました。 こういうハッとさせられ方、嫌いじゃないな。 今回のテーマ曲はモーツァルトのレクイエム。 荘厳で重たいこの曲は、正直ちょっと苦手です。 気持ちが奈落の底に引きずられてしまいそうで。 この曲をいつも聴いている上品な老婦人が登場するのですが 彼女の深い闇に心が冷えました。 最後に御子柴が手にした 倫子ちゃんからの手紙。 前作で「センセイ!」となついていた被告人の次女からです。 突然ポッと灯った光のよう。 御子柴が犯した罪の相手も、御子柴の心を救う相手も 同じ幼い少女だなんて…。

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2021/12/18

恩師を救おうと頑張る御子柴。 彼らの贖罪は、それぞれ異なっていて、 報われないのが、残念にも思うが、 それも自分勝手なのかしら。 人の役に立つって時にとても難しい。 誰もがそれぞれの大事にしたいものを持っている、だからいろんなことが起こるし、想いもぶつかる、それが社会で生きてるっ...

恩師を救おうと頑張る御子柴。 彼らの贖罪は、それぞれ異なっていて、 報われないのが、残念にも思うが、 それも自分勝手なのかしら。 人の役に立つって時にとても難しい。 誰もがそれぞれの大事にしたいものを持っている、だからいろんなことが起こるし、想いもぶつかる、それが社会で生きてるってこと。

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2021/09/28

御子柴礼司 シリーズ3 少年時代の凶悪犯罪が、自身が弁護する法廷で、白日の元に晒された御子柴。 悪評が拡散され、顧問契約も解約され、今や、クライアントは、暴力団関係者ばかり。 事務所も、虎ノ門から、葛飾区の雑居ビルに移転するしかなかった。 以前からいる事務員・日下部洋子の日...

御子柴礼司 シリーズ3 少年時代の凶悪犯罪が、自身が弁護する法廷で、白日の元に晒された御子柴。 悪評が拡散され、顧問契約も解約され、今や、クライアントは、暴力団関係者ばかり。 事務所も、虎ノ門から、葛飾区の雑居ビルに移転するしかなかった。 以前からいる事務員・日下部洋子の日課は、事務所玄関の、落書き消しから始まる。 〈死体配達人〉 〈殺人弁護士〉 〈死んでわびろ〉 そんな時、御子柴が関東医療少年院に入院していた時の、担当教官・稲見武雄が、殺人の容疑で逮捕された事を知った。 稲見は、御子柴に贖罪の意味を教えた、ある意味、父親以上の存在で、大恩ある人物であった。 その恩師の弁護をするため、奔走するが、潔癖な恩師は、自ら進んで罰を受けようとする。 いくら優秀な弁護士といえども、自ら罰を受けようとする人間を救うことはできなかった。 他人には、冷血で非道な人間に見えるし、そう振る舞っている御子柴だが、心の底には、いつも、贖罪の気持ちがあるように感じる。 恩師を救えなかった傷心の御子柴に、以前弁護した女性の子供・津田倫子(8歳)から手紙が届いた。 《わるいことをしていない人を助けようとする先生は、やっぱりいい先生だと思います。ずっとずっとおうえんしています。わたしも大きくなったら、先生みたいなべんごしになりたいと思います。 がんばってね。》 いつか、倫子が、弁護士になって、御子柴の前に現れるのだろうか。

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2021/09/10

カルネアデスの板(船が転覆し、海の上で1人が壊れた船の板にしがみつくがもう1人が来たら沈んでしまうため後から来た人を突き飛ばす)に似た事故が発生し、緊急避難による無罪を勝ち取る裁判があった。 数年後、御子柴にとって父親以上の存在である稲見が殺人を犯し弁護を引き受け、同じくこの緊急...

カルネアデスの板(船が転覆し、海の上で1人が壊れた船の板にしがみつくがもう1人が来たら沈んでしまうため後から来た人を突き飛ばす)に似た事故が発生し、緊急避難による無罪を勝ち取る裁判があった。 数年後、御子柴にとって父親以上の存在である稲見が殺人を犯し弁護を引き受け、同じくこの緊急避難を主張。法とは何を護り何を裁くものか、最後までこの問いにグルグル悩まされる作品。 211冊目読了。

Posted byブクログ

2021/07/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まいどそう来たかー、と最後まで本当に面白い。 そして今回は深い。 医療少年院時代の恩師、稲見が殺人容疑で捕まる。 それは殺人罪なのか、無罪なのか。 冒頭の沈みゆく船の上での犯罪に繋がり、更に次々繋がっていく… 稲見の結婚生活、息子の存在、特養ホーム「伯楽園」での施設内暴力。孫を、息子を、他人の命を重く受け止め、また憎しみの恐ろしさ、法の限界。御子柴は最後まで奮闘し、絶望を感じるものの、最後の手紙がまた秀逸! このシリーズ本当におもしろい! 刑法第三十七条 緊急避難 これがポイント!

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2021/06/03

御子柴礼司シリーズ。特別養護施設における老人虐待が焦点に。御子柴が医療少年院時代の恩師の稲見が介護士を撲殺。その弁護人を御子柴が買って出る。御小柴は緊急避難による無実として法廷に望む。しかし、稲見は自分の罪は全うに償うと矜持を貫く。弁護人の足を引っ張る依頼人があるかと苦悩する。冒...

御子柴礼司シリーズ。特別養護施設における老人虐待が焦点に。御子柴が医療少年院時代の恩師の稲見が介護士を撲殺。その弁護人を御子柴が買って出る。御小柴は緊急避難による無実として法廷に望む。しかし、稲見は自分の罪は全うに償うと矜持を貫く。弁護人の足を引っ張る依頼人があるかと苦悩する。冒頭の旅客船の事故の際に救命胴衣を奪われて犠牲になった女性とその犯人、特養の同居人の小笠原夫人の存在が伏線となり繋がる。何度も出てきたが、小笠原夫人が聴くモーツァルトのレクイエム(鎮魂歌)が悲しくも儚い。法廷場面は読み応えあり。

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