現代詩人探偵 の商品レビュー
「第一章」 残された人々。 何故こんなにも当時あったメンバーが減ってしまったのか、共通点は詩しかないが答えは見つかるのだろうか。 「第二章」 忘れたいもの。 こんな風に取り残されてしまったら、誰だって二度と想い出話としてすら語ることすら拒絶したくなるだろう。 「第三章」 心と...
「第一章」 残された人々。 何故こんなにも当時あったメンバーが減ってしまったのか、共通点は詩しかないが答えは見つかるのだろうか。 「第二章」 忘れたいもの。 こんな風に取り残されてしまったら、誰だって二度と想い出話としてすら語ることすら拒絶したくなるだろう。 「第三章」 心と体は違い。 考えたくもない仮説ではあるだろうが、もしも言い合いの内容が答えだったのであれば悲しい結末になったな。 「第四章」 一人だけ違う。 死因は知らされていたとしても、それ以外の情報を地道に集め続けたからこそ気付いてしまった答えなのかも。 「第五章」 偽物の探偵は。 連絡を取り合っていなかったのであれば、実際に何が苦だったのかなんて想像でしか考える事が出来ないよな。
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SNSのコミュニティ「現代詩人卵の会」のオフ会に集まった9人。10年後の再会を約束し集まった時に、その半数が既に亡くなっていることを知る。 彼らは何故死ぬことになったのか。詩は彼らの死に関与するのか。そして何故詩を書くのか。 詩を書くことに疑問を抱くようなっていた僕は、彼らの死に...
SNSのコミュニティ「現代詩人卵の会」のオフ会に集まった9人。10年後の再会を約束し集まった時に、その半数が既に亡くなっていることを知る。 彼らは何故死ぬことになったのか。詩は彼らの死に関与するのか。そして何故詩を書くのか。 詩を書くことに疑問を抱くようなっていた僕は、彼らの死について調べることにした。 全編に「何故」という思いが満ちた物語。その「何故」がミステリとしての骨格を持ちながら、詩に対峙する僕の心情に影響を与える。 詩人の死は自死、変死が重なり、遺された親しい人たちに話を伺い真実をさらけ出すことは、新たなキズを生み出すことにもなる。それでも僕は知りたいと思う。 何故そこまで知りたいと思うのか。これもまた物語の骨格となり、終盤ミステリ的な意味も持つ。ミステリらしくない物語であり、驚愕の仕掛けや壮大なカタルシスがあるのでもない。それでもこれはミステリでしか書き得なかった物語でしょう。 暗く重く陰鬱な印象が強いのに、引き込まれて読み進めてしまう。そんな作品でした。
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金沢でこの本を見つけました。作者さんの地元なんですね。詩と死で韻を踏んでいるような物語で、重い場面が多かったように思います。けれど、詩を書くことを題材にしているので、言葉との向き合い方、言葉に対する想いみたいなところで共感できる部分もありました。面白かったです。
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最後のあとがきに記載してあったが、気晴らしに読むにはじっとりとした新しいタイプのミステリでした。晴れやかな気持ちになったり、泣きそうなほど感動したりはしないが、明日も生きようかな、と思える。
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現代詩人卵のオフ会から十年、再び集まったものの半数が自殺をしていた事を受けその理由を僕が探る。遺された妻子や性同一性障害。盗作の境の薄さ。死ぬから詩人なのか。そこはかとない違和感からトリックには来たー!と思ったけれど真相はそこまでではなかった。孤独な雨の夜中みたいな鬱々とした静謐...
現代詩人卵のオフ会から十年、再び集まったものの半数が自殺をしていた事を受けその理由を僕が探る。遺された妻子や性同一性障害。盗作の境の薄さ。死ぬから詩人なのか。そこはかとない違和感からトリックには来たー!と思ったけれど真相はそこまでではなかった。孤独な雨の夜中みたいな鬱々とした静謐さと湿度に没入した。
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紅玉いづきさんらしい作品かと言うと、そうではない。新たな境地が見れる。 詩と死を扱う以上どうしても仕方ないのかもしれないが、主人公に好感が持てなかった。 ミステリーの中でも、犯行に及んだ動機に心が惹かれる人にはオススメしたい作品。「なぜ」の理由を深く語る。逆に、トリックとかが好き...
紅玉いづきさんらしい作品かと言うと、そうではない。新たな境地が見れる。 詩と死を扱う以上どうしても仕方ないのかもしれないが、主人公に好感が持てなかった。 ミステリーの中でも、犯行に及んだ動機に心が惹かれる人にはオススメしたい作品。「なぜ」の理由を深く語る。逆に、トリックとかが好きな人には絶対にオススメしない。
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詩人とは死ぬものなのか,詩人になるオフ会に集まった9人のうち,10年後には4人が死んでいた.探偵と呼ばれた僕は自身の存在意義をかけて4人の死について調べていく.盗作がキーワード,全体に詩が死に侵食されていくようだ.
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死人となった詩人たち。その死の謎に迫る臆病な詩人が探偵役だ。 ミステリーを期待して読むと拍子抜けだろう。これは詩人の生き様、その呪いの一つを垣間見る物語だ。明かされるは死の動機、隠れてしまった心を探り当てるというミステリーなのだろう。 全編的に暗いトーンで綴られ、随所に感じる...
死人となった詩人たち。その死の謎に迫る臆病な詩人が探偵役だ。 ミステリーを期待して読むと拍子抜けだろう。これは詩人の生き様、その呪いの一つを垣間見る物語だ。明かされるは死の動機、隠れてしまった心を探り当てるというミステリーなのだろう。 全編的に暗いトーンで綴られ、随所に感じる詩や言葉の呪いに陰鬱な気持ちになってくる。それでも読むのを止められないのは、自分もまだ作り手であり物語の語り手でありたいからだからかも。 最後のカタルシスにそれなりに意外性はあったが、これもミステリー的というよりは純文的だった。 余談だけど。個人的に「詩」そのものは苦手というか、ワシの感性では理解が難しいものなのだが、詩人のひねり出す言葉の力は凄いと思っている。自分と向き合い、心の深層から言葉を紡ぎ出すその力。 そして自分と向き合うことは、生と死に向き合うことかもしれないな、と本作を読んで改めて思った。
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※このレビューにはネタバレを含みます
「将来的に、詩を書いて生きていきたい人」が集まったSNSコミュニティ「現代詩人卵の会」。10年ぶりに集まったオフ会では10年前に集ったメンバーの約半数が故人となっていた。 「詩」は人を殺すのか。「僕」は自分がかつて書いた詩の「探偵」のようになって、故人たちの「死」の経緯を探り始める。 *** 冒頭の「僕」が詩について述べた部分が印象的だった。 ''詩を書きたくて詩人になった人間なんていない。僕はずっとそう思っている。(中略) 数多の表現の中で、詩を、よりにもよって詩を選ぶということは。 詩しかなかった、ということなのだろう。特別なことでなく、詩以外があるならばそうしていた。他のすべてが出来なかったから、最後に、あるいは早々に詩にたどりついたのだ。'' 人によって詩に対するイメージは違うと思うけど、私は何となくこの作品の「詩」に対するイメージに共鳴する。なぜか私の中で「詩」はほんのりと暗く、少し哀しい。 それはやはり、既存の言葉や、表現の方法では表せないもやもやを抱えた人の「違和感」からきている表現であるような気がするからだ。 はみ出したものの悲哀なのかな。 この作品は詩という「表現方法」「芸術」に作者が向き合った作品なのかも。 そして人が「死」に向き合うということにも。 だから昨今よく見る日常系ミステリには物足りなさを感じるんだけど、この作品は読みごたえがあった。 作中で延べられるように「僕」が繋ぎ合わせた故人たちの「死」の顛末には救いはないかもしれないけど、少しだけ、希望と呼べそうな一筋の光もあったのも良い。 最終章で「僕」の語られなかった秘密が明かされる構成も上手い。 個人的に好きなのは第三章の夏炭氏の切ない婚約指輪のエピソードと、第四章の≪真っ暗なパーティ≫という詩。 どちらも暗闇の中で僅かに鈍く反射する光のような哀しい魅力がある。
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