1,800円以上の注文で送料無料

拳の先 の商品レビュー

3.7

39件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    10

  3. 3つ

    14

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/09/17

以前ボクシング雑誌の編集をしていた空也は、記事を書くために入会したボクシングジムで、知らず知らずにボクシングにのめり込んでいく。 そのボクシングジムで知り合った同い年のタイガー立花。立花は、日本チャンピオンになったが、その後はリンクでの、その拳の先にある得たいの知れない恐怖と闘っ...

以前ボクシング雑誌の編集をしていた空也は、記事を書くために入会したボクシングジムで、知らず知らずにボクシングにのめり込んでいく。 そのボクシングジムで知り合った同い年のタイガー立花。立花は、日本チャンピオンになったが、その後はリンクでの、その拳の先にある得たいの知れない恐怖と闘っていた。 空也は、いじめにあっているジムに通う少年ののんちゃん、若き作家の蒼介らと、関わり合いになりながら、その拳の先にある得たいの知れないものに対していく。

Posted byブクログ

2024/06/20

角田光代さんが描いたボクシング本。 「空の拳」の続編と知らず、先に読んでしまったけれど、超長編にも関わらず、飽きずに読めました。 ボクシングは、シンプルに勝ち負けの世界なので、どれだけ強くなってもその先の進退もあるわけで、周囲からの期待も罵倒も背負わなければならない。 それに合わ...

角田光代さんが描いたボクシング本。 「空の拳」の続編と知らず、先に読んでしまったけれど、超長編にも関わらず、飽きずに読めました。 ボクシングは、シンプルに勝ち負けの世界なので、どれだけ強くなってもその先の進退もあるわけで、周囲からの期待も罵倒も背負わなければならない。 それに合わせて、ノンちゃんの成長ぶりもいい塩梅に差し込まれていて、角田光代さんらしさも出ていて良かった。 ボクシングについては、知識も興味も無い私だけど、試合の緊迫したムードは差し迫るものがありました。 文章でこれだけ再現するのって素晴らしい。

Posted byブクログ

2023/01/02

長いが飽きずに読み切れる。 すでにボクシングをやめて記者として仕事をしている主人公はボクシング雑誌から他のジャンルに替わる。 しかしむしろ前作のような濃い関係より、第三者としての視点がまたボクシング関係者の思いをうまく浮き彫りにしている。 アジアの国で一人自分を磨くボクサー。でも...

長いが飽きずに読み切れる。 すでにボクシングをやめて記者として仕事をしている主人公はボクシング雑誌から他のジャンルに替わる。 しかしむしろ前作のような濃い関係より、第三者としての視点がまたボクシング関係者の思いをうまく浮き彫りにしている。 アジアの国で一人自分を磨くボクサー。でもものすごく努力をしても、全てがうまく行くわけでもない現実との葛藤。 スポーツマンとして淡々と受けて一つの人生の経験として流せていく潔さ。ここにいじめを受けている前向きな少年の姿が重なり…。

Posted byブクログ

2022/05/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後まで蒼介(作家)のことが好きになれなかったし、空也がなぜ、メモを渡してもいいも思うほど彼に思い入れるのか、まったくわからなかった。

Posted byブクログ

2021/10/22

ボクシングには、あまり詳しくないのですが角田さんが書いたということで読んでみました。試合のシーンは、やはり漫画には描写ではかなわないものがありますが、本書はなかなかに読みごたえはありました。読み慣れないうちは、試合が終わったことが分かりづらく、次のシーンの記述に移って気付くという...

ボクシングには、あまり詳しくないのですが角田さんが書いたということで読んでみました。試合のシーンは、やはり漫画には描写ではかなわないものがありますが、本書はなかなかに読みごたえはありました。読み慣れないうちは、試合が終わったことが分かりづらく、次のシーンの記述に移って気付くという事が少しありましたが、中盤にかけて慣れてくると段々と読みごたえが出てきました。弱小ジムならではの苦労が側聞していたほど感じられなかったのは、多少違和感がありましたが。

Posted byブクログ

2018/10/09

空の拳の続編。ボクシング雑誌は廃刊となり念願の文芸部に異動した空也は通っていたジムの立花を追い続ける。階級がありランキングがあり国内から世界があり。誰もが勝ち続けることの出来ない世界でひたすら一勝を積み上げるために毎日練習する。ボクサーの強さとは。逃げるとは。ボクシングに限らず何...

空の拳の続編。ボクシング雑誌は廃刊となり念願の文芸部に異動した空也は通っていたジムの立花を追い続ける。階級がありランキングがあり国内から世界があり。誰もが勝ち続けることの出来ない世界でひたすら一勝を積み上げるために毎日練習する。ボクサーの強さとは。逃げるとは。ボクシングに限らず何かに打ち込めば同じ、サラリーマンであったって。

Posted byブクログ

2019/05/03

続編らしいけど、ここから読みました。途中ちょっとだらけて読みずらくなりましたが 時間をかけて読了。立花が負けてからがいい。スポ根ではないので都合よくチャンピオンはないだろうと思いつつ期待もしたり、最後もいい終わり方だと思う。平行して描かれていたノンちゃんの話は、必要なのかな。拳の...

続編らしいけど、ここから読みました。途中ちょっとだらけて読みずらくなりましたが 時間をかけて読了。立花が負けてからがいい。スポ根ではないので都合よくチャンピオンはないだろうと思いつつ期待もしたり、最後もいい終わり方だと思う。平行して描かれていたノンちゃんの話は、必要なのかな。拳の先にあるものは、ゾーンに入るという事?負けるという事を良く描いていると思います。拳の先を知った立花は勝ったのだと思います。

Posted byブクログ

2017/12/10

17/12/10 (91) 角田さんのは全部読む!な勢いで手に取った一冊だけど、ボクシングは興味ないし話に入り込めなかった。。リタイア。。 ・だれもが少しだけ強くなってその違う世界に向かうのだと思った。(P540)

Posted byブクログ

2017/10/05

当事者として戦う者と、そこに自身を投影したり思いを持って見つめる人々がいる。様々な場面でそのどちらにもなり得る。自分の弱さと向き合えるか。 私はボクシングについて知らないことだらけだが、角田さんの文章を通して語られる「試合」にじわじわと魅せられていった。

Posted byブクログ

2017/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ボクシングには縁もないし興味もないけど、結構読めた。 それは、著者のボクシング愛とともに、それ以上の普遍的なものを描いているから。 人間の弱さ。どんなに努力してもどうにもならない壁。 恐怖に押しつぶされそうになる気持ちを、それでも奮い立たせようとする、強い思い。 それが、「拳の先」にある、と著者はいう。 登場人物たちは決して強くない。いや、弱い人間ばかりだ。 それでも彼らは戦う。拳の先にあるものを得るために。自分の中にある恐怖と弱さを見極めるために。 みんな、それぞれのリングで戦っている。 この著者の作品にしては登場人物に奥行きはないが、それも弱さを際立たせるためのしかけなのかもしれない。 仕事をきちんとこなしている(であろう)サラリーマンにも、リングに立ち戦いに挑むボクサーにも、自信満々のはずの売れっ子(?)作家にも、学校でいじめにあっている子どもにも、華々しくデビューしたボクサーにも、みんな「弱さ」があって、みんなそれぞれの方法でそれと立ち向かっている。 あなたの「拳の先」にあるものは何だ。 そう問いかけられている気分。 試合の場面がやや冗長なのと、登場人物が飲んでばっかりいること、つきあっている彼女がやけに物分かりがいいこと、などなどあって星四つ。

Posted byブクログ