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モンスターマザー の商品レビュー

4.1

79件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    28

  3. 3つ

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2017/08/15

「お母さんがねたので死にます」という遺書を残して自宅で男子生徒が自殺した。 不登校が続いたその男子生徒に対して、先生や友人たちは地道な励ましをつづけた。その甲斐あって彼は翌日には学校に行くよ、と約束をした。しかし、彼がその夜に選択したのは自死だった。 母親は学校でのいじめが...

「お母さんがねたので死にます」という遺書を残して自宅で男子生徒が自殺した。 不登校が続いたその男子生徒に対して、先生や友人たちは地道な励ましをつづけた。その甲斐あって彼は翌日には学校に行くよ、と約束をした。しかし、彼がその夜に選択したのは自死だった。 母親は学校でのいじめが原因で息子が死んだと主張する。しかし学校側はいじめはなかったと主張。非を認めない学校に対して、マスコミや人権派を名乗る弁護士たちも非難の声を上げる。「学校側はいじめを隠蔽しようとしている」との母親の主張を全面的に支持し、全国ネットで非難を繰り返した。 一方、学校側は男子生徒の自殺の原因は母親の精神的な虐待にあり、先生や生徒に対して度を越した非難や謝罪要求を繰り返したため、学校やクラブ活動に復帰できるように心を砕いてくれた先生、友人に対して、いたたまれない気持が極限に達したためだ、といった内容の反論をした。  どちらの主張が真実なのか。  取材が進むにつれ、母親の病的な言動が次々に明らかになる。  詳細は伏せるが、 「モンスターマザー」というタイトルに誇張は一切ない。  マスコミは一過性の報道しかしないので、たぶん関係者以外は、そんな事件あったっけ?くらいの印象しか残っていないと思うが、当事者たちは病気になったり生活を破壊されたり、人権を侵害されたわけだから、事件の真相を明らかにすることは悲願だったろう。  裁判の結果には納得できるが、裁判所の賠償金支払い命令って、なんでこんなに効力弱いの? 心卑しい者たちが金払うわけがない。これでは、被害者はいじめられっぱなしってことだ。なんて理不尽なんだ。  ネタバレになるけど、冒頭に書いた「母親がねたので死にます」という遺書。 このたった一行のメモのような遺書は、男子生徒の母親に対する最後の気遣いが読み取れる、と当初は解釈された。  しかし、走り書きのため「ね」の字は「や」のようにも見えるらしい。そうだとすると「やたので死にます」となる。「嫌だので死にます」だ。標準語だと「嫌なので」か「嫌だから」となるが、この地方の方言では「やだので」という表現を使うらしい。  男子生徒を死に追いやったのは母親ということは明らかだ。

Posted byブクログ

2016/04/25

丸子実業高校バレーボール部員自殺事件。 事件発生から裁判が結審するまでが綿密に描かれているが、読み終えてももやもや感が募る。何が真実なのか本当にわからなくなる。前作『でっちあげ』同様に色んな意味で凄く怖い本だ。

Posted byブクログ

2016/04/17

本当に異常としか言いようがない。 こんな母親が実在するなんて・・・ 誰しもが摩耗させられるだけの存在。 フィクションではなく、ノンフィクション、 ただそれだけでも戦慄させられる。

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2016/04/17

酷い話。 この本に書かれている内容が事実であるとするならば、「モンスターマザー」の被害者は、特に落ち度もないのに、人生を損なわされている、ことになる。 しかし、どんな事象であっても、関係する人数分の、違った受け止めがあり、「人数分の『正義』がある」ことを考えると、恐ろしいと思...

酷い話。 この本に書かれている内容が事実であるとするならば、「モンスターマザー」の被害者は、特に落ち度もないのに、人生を損なわされている、ことになる。 しかし、どんな事象であっても、関係する人数分の、違った受け止めがあり、「人数分の『正義』がある」ことを考えると、恐ろしいと思う。 最近は、「偏見を持って接すること」は効率性の観点から、人生が有限である以上、ある程度有効な態度である、という意見にも正当性があると思うようになってきていた。 しかし、司法関係者はそうであってはならないと、強く感じた。

Posted byブクログ

2016/04/10

子供は親を選べない。 一番の被害者である裕太君の深い苦悩を思うと不憫でならない。 常軌を逸している母親は、単なる「変な人」ではなくパーソナリティ障害があることは明らかで、平穏に社会生活を送ることができない性質を生まれ持った彼女は、ある意味気の毒な人だとも言えるのかも。

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2016/04/07

キチ◯イマザーと所謂人権派キ◯ガイ弁護士による地獄のマリアージュ。その燃え立つ焔にぶち込まれた学校とその周辺の人達の悲劇。しかし本当の地獄を見たのは自殺した裕太君。親が悪魔だった彼には罪はない。彼の事を思うと…辛い内容だ。

Posted byブクログ

2016/04/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いじめによる自殺、なんだ、またか・・。 そう思ってしまうほど、それが珍しくなくなっていることに愕然としてしまいます。そして、それが起こる度に学校側が「そういう事実は確認できていません」と言うことに、もどかしい思いがします。 今回のケースは学校というより家庭、母親に問題があったということですが、“いじめ”の問題は双方の意識の違いもあり、なかなかはっきりとした事実をつかむことは難しいのではないでしょうか。 この事件は母親のヒステリックで異常な行動により、校長や担任、部活動の顧問、部員とその保護者達が大変な迷惑精神的な苦痛を受け、果ては訴えら、世間に白い目で見られることになってしまいます。 学校や教育委員会は公である分、プライバシーの関係で公表出来ない事柄もあり、弱い立場にならざるをえません。そうでなくても昨今では保護者からのクレーム対応に追われる学校、精神的に疲弊していく教員も多そうです。  この本を読むと、ここの学校はよくやっているし、先生方も人格者だと思えますけれどね。 こういう保護者にあたってしまった人達は不運としか言いようがないのかもしれません。  結果は学校側の勝訴となりましたが、かきまわされた学校、名門だった部活動、その当事者達にとっては取り返しがつかない多くのものを失ったと思います。 何より、自殺してしまったその子の貴重な命は戻らないですし・・。  彼がどうして自殺を選んだのか、本当の理由はその彼自身にしか分からないですけれど、彼の話に耳を傾け、彼の学業、部活動を応援する普通の家庭であったなら・・と思わずにはいられません。   

Posted byブクログ

2016/03/25

まずは亡くなられた裕太君のご冥福をお祈りいたします。 久々のフィクション。書店でタイトルに興味を持ち購入。自殺した高1の息子の母親はモンスターペアレント。恐ろしいくらいのモンスターぶり。息子の自殺は家庭環境か⁈学校でのイジメか⁈

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2016/03/22

人は誰でも叩かれると痛いのです。 小説の犯人に告ぐで出てきた台詞を思い出しました。ただ、とても悲しい出来事ではあったけど、最大限に要因を明らかにできた事がすごいと、思った。 粘り強く戦われた精神力に尊敬と著者の丁寧な取材内容に感謝。

Posted byブクログ