モンスターマザー の商品レビュー

福田ますみ(著者)

2016/12/10

〈事実は小説よりも奇なり〉読み終えて真っ先に思い浮かんだこの言葉。本当にこんな胸糞悪い事件があったのか、創作ではないのかと疑うほど意味不明な事件だった。息子の自殺は「学校でのいじめが原因」という主張一辺倒の母親とその主張を真っ正面から信じ切った弁護士とマスコミ。彼女らは、裁判で段々と不利になっていく展開に考えを改める瞬間はなかったのだろうか。訴えられた人々は皆無実を証明できたが、結局失われた命は還ってこないわけで…母親は今もどこかで普通に暮らしている。現実だから仕方ないが、どこかモヤモヤする結末だった。

2016/12/09

実際に長野県であった事件の詳細と裁判の経緯や結果をまとめた本。
タイトルからも筆者がどちら側かわかるので、完全に鵜呑みにしてはいけない部分もありそうだけど、しかしなんとも壮絶な内容。
しかし考えさせられるのは、マスコミの感情や雰囲気で騒ぐ初動と、その後の関心の薄さや訂正の無さかなと。

2016/11/10

話せば分かるどころが、まったく伝わらない。正にモンスター。最終的には裁判に勝ったが、周りの人達に与えられたダメージは計り知れない。
隣人に潜んでいる怖さ。

2016/11/08

読んでて悲しくなった。

母親に虐待の懸念があるなら
離せなかったのか
亡くなった子供がかわいそうすぎる

2016/10/25

破壊されるスピードはあまりにも早く、修復だったり証明だったりはあまりにも遅い。そして相手は話の通じるタイプの人間ではない。このへんが人間の不幸の大多数をつくっているのだなと感じさせられる。

2016/10/12

学校の落ち度に対して鋭く突っ込んでくるような母親との戦いをイメージしていたが、単なる狂女の話になっているような感があって、ドキュメントとしてはどうなのかな？
確かにこれによって大きく人生を狂わされてしまった人はいると思うが、かえってそちらにフォーカスをあてたほうが、ドキュメンタリーとしては良かったのかもしれない。

2016/10/09

たった一人のエキセントリックと言っていいのか、モンスター母親に、みんなが振り回され、傷つけられ…

生徒が自殺をすると、まずイジメが指摘され、徹底的に学校がせめられる構図。
それでいくと、この事件は真逆であったのに、それを証明するため、どれだけの時間、精神的苦痛が必要であったか。

大人たちも悲惨だが、高校生たちも苦しめられたことがこの事件のひどいところだ。

実名で書かれている人権派弁護士と有名ライター。この人たちの頭は、先に結論ありきで、全く事実を丹念に追おうとしてなかった。個人的にその事実もまた私にはショックだった。

これでは人権派というより、売名の輩ではないか。人権派弁護士にもいろいろな方がいて、もちろん素晴らしい方の方が多いのだろうが、これからは自分の中で吟味しなければなと思った。

ライターの方は、何作か読んだことがあり、地道に取材して、弱者の側に立たれる人だと思ってただけに、ショックだった。騙されていたのかとも思ってしまう。この仕事だけがずさんだったのならいいのでけれど、そんなことはないだろうから。

「弱者の味方」という仮面を被った、頭の固まった、ずさんな仕事をする、自分のことしか考えてない人たちって、案外いるのだろうか。

2016/09/30

人間の目を通した瞬間から、ある程度自分の見たい姿に変わっていると聞いたことがある。10人いれば10通りのとらえ方があって、どちらも100％真実ではないのだと思う。けれどもあまりにも母親が異常すぎて、怖くて仕方なかった。巻き込まれた人たち、何より自殺した少年が可哀想すぎた。

2016/09/27

単なるとんでもないMDの母親が自分のネグレクトを棚に上げ、部活内の1度の体罰や1人のモノマネが息子の自殺の原因だと訴え、それをよく親の性格まで調べなかった弁護士が校長のことを殺人と名誉毀損などで訴えた事件。

2016/09/11

この本自体，決して中立な立場から描かれたものではないと思いますが，本件は，いじめが原因で自殺したという母親の証言以外にも，多くの客観的証拠があったため，ここに記載されたことはおそらくほぼ真実に近く，また幸運にも裁判も真実に沿った判決になったと考えます。

裁判が証拠に基づいて行われるものであり，また裁判官も人間である以上，判決というのは必ずしも真実を明らかにするものではないことは心にとめておかなければならないと思います。

この本に記載されているような人物に関わってしまったら，果たしてどのように対応したらよいのでしょうか。
一番は一刻も早く関係を断ち切ることだと思います。そして，それができないのであれば，本件のように反訴という形で毅然とした対応に出ることはそれなりに有効であると感じました。

それにしても，問題に気づいていながら，親子の分離に間に合わなかったことに，行政の対応の難しさを思いました。