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近いはずの人 の商品レビュー

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34件のお客様レビュー

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2018/11/21

夫婦関係にもやっとしたものを抱えていた時に、図書館で手に取った一冊です。 【妻が旅先で亡くなった。 友達と一緒のはずが、事故に遭ったタクシーには妻1人。 妻は何故嘘をついたのか、本当は誰と一緒だったのか。】 妻のケータイのロックが解けるまで、淡々と話が流れていくので、最初は読...

夫婦関係にもやっとしたものを抱えていた時に、図書館で手に取った一冊です。 【妻が旅先で亡くなった。 友達と一緒のはずが、事故に遭ったタクシーには妻1人。 妻は何故嘘をついたのか、本当は誰と一緒だったのか。】 妻のケータイのロックが解けるまで、淡々と話が流れていくので、最初は読みにくい印象でした。 ロックが解けてからは、内容が内容だけにするする引き込まれるように読みました。 ただ、「え、もしかしてこの人?」と思ってからがスムーズ過ぎてひねりもなくてやや物足りない感。。。 しかしどんどん明らかになる妻のびっくりな部分。 やはりどうしても死んだ人の印象って良くなりがち、だけど、そうでもないよなって思いました。 そうでもないというか、悪人ということじゃなくて、人だもん。ということ。 自分にも身に覚えがあるように。 それから、兄弟なら話さなくてもなんとなく確信がもてることってあるけど、夫婦は違うよなということを思いました。 兄弟には年に数回会う程度で、夫婦は毎日一緒にいてもそれは変わらなくて。 夫婦は1番近くにいる他人なんだなと改めて思いました。(実感も含め。)(良くも悪くも。) 「人にはいろんな事情がある。知っておいた方がいいものもあるし、知らなくていいものもある。知るべきかどうかは、人同士の関係性によって変わる。そして人は、知っている情報だけで、充分、振りまわされることができる。」 この部分には妙に納得。 そしてこの話では相手が死んでしまってるから、よけさら自分の中で納得して完結させるしかないのだよね。 ただ相手が生きていたとしても、結局納得するのは自分なのだよね。 最後の終わり方は、え、それいる?笑 という感じでした。 自分に落とし込んで考えれば、もっといろんなこと夫婦で話さねばな…と思いました。 小説としてはあまり引き込まれなかったけど、この本から考えられたこととしては、星4つくらいかな。

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2018/11/18

夫婦三部作「その愛の程度」「近いはずの人」「それ自体が奇跡」の第2弾作品。 ・後退の九月 ・懐胎の十月 ・携帯の十一月 ・重体の十二月 ・倦怠の一月 ・招待の二月 ・敵対の三月 ・停滞の四月 ・忍耐の五月 ・進退の六月 食品会社で働く北野俊秀は、数か月前...

夫婦三部作「その愛の程度」「近いはずの人」「それ自体が奇跡」の第2弾作品。 ・後退の九月 ・懐胎の十月 ・携帯の十一月 ・重体の十二月 ・倦怠の一月 ・招待の二月 ・敵対の三月 ・停滞の四月 ・忍耐の五月 ・進退の六月 食品会社で働く北野俊秀は、数か月前に事故で妻・絵美を亡くした。 どん底の生活で酒浸りの日々の日課が、絵美の携帯のロックを解くこと。 しかしロックが解けたことで、旅行先での事故に8という謎の人物がいたことを知ってしまう。 自分は絵美に真摯に向き合ってきたのか、自問自答する。 小さなボタンの賭け間違いから、大きく人生の歯車が狂うこともある。 甘くもなく、切なすぎもせず、リアルにありそうな話。

Posted byブクログ

2018/05/23

妻を交通事故で亡くした俊英。日常の中の喪失感を持て余している。「友だちと旅行に行く」と言って出掛けた先で事故に遭った妻だが、死んだ時は1人だった。妻は何故嘘を吐いたのか、本当は誰と一緒だったのか。知らなかった妻の姿を知った夫の姿を描くている。 職場の人や家族との関わり方など、妻を...

妻を交通事故で亡くした俊英。日常の中の喪失感を持て余している。「友だちと旅行に行く」と言って出掛けた先で事故に遭った妻だが、死んだ時は1人だった。妻は何故嘘を吐いたのか、本当は誰と一緒だったのか。知らなかった妻の姿を知った夫の姿を描くている。 職場の人や家族との関わり方など、妻を亡くし、嘘を吐かれていたという衝撃を受け入れようとする姿がとても共感できる。 全体淡々としていて、でも見えないところで足掻いているのがリアルな感じでいいと思った。他の作品も読みたい。

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2017/12/03

友達と行くと言っていた旅先の不慮の交通事故で妻が死んだ。 しかし事故にあったタクシーには妻しか乗っていなかった。 夫俊英の手元には、ロックのかかった妻のスマホが残されている。スマホには妻の秘密が隠されているのか。 妻の死、ロックのかかったスマホ、ロック解除、妻の秘密。 読みたい...

友達と行くと言っていた旅先の不慮の交通事故で妻が死んだ。 しかし事故にあったタクシーには妻しか乗っていなかった。 夫俊英の手元には、ロックのかかった妻のスマホが残されている。スマホには妻の秘密が隠されているのか。 妻の死、ロックのかかったスマホ、ロック解除、妻の秘密。 読みたいと思わされる気になるストーリーです。 ロックを0000から解除していく少しずつの作業が突然の妻の死と向き合う気持ちを表しているようで痛々しい。 絵美の本心はなんだったのだろう。 夫との間に出来たと思っていた溝、その寂しさを埋めるために身近な人に頼ったのだとしたら、事故に合わなかったらどうなっていたのか。 俊英が絵美の死を乗り越える1年が、静かに描かれていた。 穏やかな性格の男性目線の話。 著者の作風が好みです。

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2017/11/16

小野寺史宜 著「近いはずの人」、2016.2発行。この作品は、私は嫌いです(^-^) 愛してる妻が、「友だちと一泊旅行に行ってくる」と言って、(夫はあの女性の友達だなと思い何の疑いもなく)でも、温泉に行く途中、タクシーの崖からの転落で死亡。死亡は妻とタクシーの運転手。一緒に行く予...

小野寺史宜 著「近いはずの人」、2016.2発行。この作品は、私は嫌いです(^-^) 愛してる妻が、「友だちと一泊旅行に行ってくる」と言って、(夫はあの女性の友達だなと思い何の疑いもなく)でも、温泉に行く途中、タクシーの崖からの転落で死亡。死亡は妻とタクシーの運転手。一緒に行く予定だったのはだれか・・・。残った妻の携帯から(4桁の暗証番号を順に入れて解除し)、思ってもいなかった不倫の事実が。そのあと、いろいろありますけれど、読了して、なんとも、その夫が情なく、そして切なく感じました!

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2017/02/23

初めて読んだ作家さんです。本の紹介記事であらすじを知り気になって手に取り。 ビールをガブガブ…というのがリズムになっているのかな、主人公の悲しみとは違う空虚感というか喪失感は良く出ています。 他の方も書いていますが、夫婦というのは結局一番近いところにいる他人なんだよなーという...

初めて読んだ作家さんです。本の紹介記事であらすじを知り気になって手に取り。 ビールをガブガブ…というのがリズムになっているのかな、主人公の悲しみとは違う空虚感というか喪失感は良く出ています。 他の方も書いていますが、夫婦というのは結局一番近いところにいる他人なんだよなーというのは自分も感じますね。 そういうことはふと感じてもわざわざ人に言ったりしないので、小説でこういう話を読めるのは 面白く感じました。仕掛けとしては「配偶者(他家族や近しい人)が亡くなって生前の秘密事が露見する」というのはありがちな気もしますが。 たぶんこう展開するんでは、という予測がついてしまうのがちょっと残念ですが、落ちとしてはそうなるかなと。 時は良くも悪くも止まらず、生きている限りは流転していかざるを得ないのですね。 本書は面白く読めましたが、同じ作家さんの他書に手が延びるほどでも非ず。

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2016/06/02

「近いはずの人」と思っていた妻は「近いはずだった人」になった。主人公は事故で妻を失う。それから始まる彼の枯れたような淡々とした日々。妻の残した携帯のロックを解除する番号を「0000」から順に打ち込むのが日課だ。そしてロックは解除される日はきた。そこから見えてくる「近いはずの人」の...

「近いはずの人」と思っていた妻は「近いはずだった人」になった。主人公は事故で妻を失う。それから始まる彼の枯れたような淡々とした日々。妻の残した携帯のロックを解除する番号を「0000」から順に打ち込むのが日課だ。そしてロックは解除される日はきた。そこから見えてくる「近いはずの人」の本当の顔。彼が目をそらそうとしていたのか、妻が彼を軽く見ていたのか。これならば、むしろ携帯のロックを解除しようとしていた日々の方が、まだよかったのではないかと思えるほどだ。彼を救いあげてくれる人がいつか登場することを待ちたい。

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2016/05/09

向き合うべきときに、ちゃんと向き合わないといけない そこで逃げたら、相手も逃げる 装画もチェック!と、とり?? 2016.05

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2016/05/08

妻と夫。 元は他人。 そんな二人が何かの縁で巡り会い、愛を深め、新しい結びつきができ、協力して家族になる。 ゆえに結婚はおめでたいもの、喜ばしいものとされている。 日本国内における現民法では、配偶者は法で手厚く守られ、名実ともに夫婦は互いに誰よりも近い人、のはずなのだ。 だがそれ...

妻と夫。 元は他人。 そんな二人が何かの縁で巡り会い、愛を深め、新しい結びつきができ、協力して家族になる。 ゆえに結婚はおめでたいもの、喜ばしいものとされている。 日本国内における現民法では、配偶者は法で手厚く守られ、名実ともに夫婦は互いに誰よりも近い人、のはずなのだ。 だがそれはあくまでも予想的なもの、「はず」であり、心の中では最も近いとは限らない。 秘密を全く持たないことが近いことの証明ではないが、秘密を持っていればそれが相手の心をざわめかせることもあるのだ。 いま一度問おう。 夫婦は、「近い人」なのか。 俊英は妻の絵美を亡くした。 突然の事故だった。 そして悲しみにくれる彼の心に追い打ちをかけるような出来事があった。 どうも妻は誰かと一緒に出かける途中であったようだ。 調べるうちに彼は妻の別の姿を知る。 姉からも嫌われていた部分、近くにいた人にすぐに頼ってしまうところ。 絵美を不安にさせ、そうした行為に移させるきっかけは俊英自身だった。 子供が欲しいねと言わなかったから、諦めてしまったように思えたから、夫が冷たいように感じたから、だから頼った。 そう、夫婦は他人なのだ。いくら近いと思っていても、家族であっても、他人なのだ。 いつもいつも以心伝心で事足りるはずもない。 いくら感謝しても、愛していても、夫婦をつないでいるのは言葉なのだ。 当たり前だと思って言葉にしなければ、気を使ったつもりになって話をしなければ、届く思いなどほんのわずか。 愛とは難しいもの。 けれどもとても単純なものでもある。 直球勝負、それが一番二人を近づける。

Posted byブクログ

2016/04/24

交通事故で妻を亡くした夫のその後の日々が、多分そんな感じになるんだろうなと淡々と書かれている。好きや嫌いという個人的な感情ですら、実はだいたいにたりよったりなんだな、となんか残念な気分になってしまう。作者の若い男性客の心理描写は駿逸。

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