西洋菓子店プティ・フール の商品レビュー
主人公の亜樹があまり好きになれなかった。お客さんを喜ばしたいという気持ちでケーキ作りに夢中になるのはいいのだけど、それだけではなあと思う。自分の事ばかりしか考えてない。というか、自分の事はわからないのかな?途中からそれにイライラしてしまった。祐介をもっと見て。周りをもっと見て。お...
主人公の亜樹があまり好きになれなかった。お客さんを喜ばしたいという気持ちでケーキ作りに夢中になるのはいいのだけど、それだけではなあと思う。自分の事ばかりしか考えてない。というか、自分の事はわからないのかな?途中からそれにイライラしてしまった。祐介をもっと見て。周りをもっと見て。お客さんの喜ぶ顔が見たいという気持ちと同じ事なのに…。最後はそれに気付いてよかった。 それに気付かしてくれたのは、おじいちゃんだ。おじいちゃんの言葉が毎回心に響く。ハッとさせられる。まるで私に言われているみたいだった。外見を見るだけではだめ。内面をよく見るのが大事。 亜樹にイライラしてしまったけど、亜樹のパティシエとしての姿は好きだ。探求し続けて、いつか自分だけの特別なケーキを見つけてほしい。 おじいちゃんのシュークリーム、亜樹のシュークリーム。私だったらどっちが好きかな?食べ比べたーい。 食べ物系の物語はどうもダメ。食べたくなってしまう。今回は、どうしても食べたくなって途中でケーキをネットで注文してしまった。
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大好き。ドストライクでした。 また読む時はシュークリーム、スイーツを用意して じっくり堪能したいです。
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いつまでも「女子」である20〜30代の女性のための本だった。 髪も顔も服も手先も、うんとかわいくお洒落をして、そしてうんとお気に入りのパティスリーで美味しいケーキを食べて、楽しくて贅沢な時間を過ごしたい気持ちになった。 甘くて、だけどほろ苦さもあって、少し酸味もある。まさに、人...
いつまでも「女子」である20〜30代の女性のための本だった。 髪も顔も服も手先も、うんとかわいくお洒落をして、そしてうんとお気に入りのパティスリーで美味しいケーキを食べて、楽しくて贅沢な時間を過ごしたい気持ちになった。 甘くて、だけどほろ苦さもあって、少し酸味もある。まさに、人生や人間関係をスイーツに例えたような本だった。 みんながみんなそれぞれ、「大事にしているもの」やこだわりを持っているのが良かった。 それぞれ違うこだわりを持っているからこそ、気持ちがすれ違ったり、関係が変わったりする。 シュークリームが食べたい。ピーチメルバも、エクレアも、フォンダンショコラも。ラム酒がうんと効いたスイーツも。あったかい紅茶つきで。 話の中では「ロゼ」が好きだった。
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洋菓子店を舞台にした連作短編集。 甘い菓子の名前とは裏腹にピリリと辛味の効いた物語には千早さんならでは。 女を興奮させない菓子は菓子じゃないってすごい破壊力ある言葉だなぁ。 じいちゃんもばあちゃんも潔くて好きだし、甘い物は苦手なんだけど、亜樹のつくる菓子を食べてみたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
久しぶりにこの作者の本を手にしました。プティ•フールを舞台に描かれています。外からみると、手に職を持ってすごいなと思う人も実は当たり前だけど、悩みを抱えていたり、あがいているのかきちんと書いてくれています。 個人的に気になったのは、身だしなみを整え、幸せそうに見える主婦が、幸せの象徴である甘いものを吐きだこができるまで消費行動していること。お店の人が気づいたのに夫はいつか気づいてくれるんだろうかそして彼女はどういう選択をするんだろうか。恋愛系のドロドロしたものにならず、お仕事小説にならず、それでも、お店でスイーツを買ってきラッピングしてくれた状態までそれぞれの章を仕上げてくれているので、じゃぁ後は、読み手の解釈かなぁってちょっと思いながら。正直それぞれ、嫌だなぁと思う内面はきちんと描かれています。主人公には職人気質な部分と後輩だから、同じ職人だからいろんなことが共有できると言う気持ちはわからなくもないけれど、恋人としてはちょっとやきもきするのは当たり前だろうなぁって思いましたし。ちょっと後輩の気持ちを利用している部分があるなーってちょっとずるいなぁって。じゃぁその後輩くんもどうかと言うと、自分に思いを寄せてくれる女性を振り回している部分もあったりで。とは言え誰でもそんなもんですかね。結局自分勝手になるよね。甘いだけじゃなくビターな部分、そういったものもきちんと描いてくれているのでそれが魅力かなと思いました。 読むとスイーツが食べたくなるけど、ちょっとビターに思いますので、コーヒーを片手に読んでる気分です。主人公のおばあさんのように、紅茶専門店のマスターのように、いろんなことを気づき、きちんと見れる人間になりたいな。と思いました。
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スイーツ好きには堪らない。 出てくるお菓子がどれも美味しそう! 主人公の亜樹ちゃんが、一見強くてカッコいいカンジなんだけど、実は面倒くさい性格。 「一人でもいいなんて、覚悟じゃないわ。酔っているだけ」 おばあさんの亜樹ちゃんへの言葉が印象的でした。
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連作短編。1話目で、読むのやめようかなとチラリと思う。主人公と恋人との間の空気がギシギシしてたから。2話目で視点が変わり、美味しそうなスイーツも次々出てきてたまらない。何度もネットで検索してスイーツの姿を確認。あぁ食べたい。最後の2話はぐっと引き込まれて一気読み。
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シュークリーム、二種類、食べ比べたい! 個人的には、プロポーズがらみのあたりがわりと良かったなぁと思いました。 あと、喧嘩しながら事務所に駆け込んでくるスナックのママとかね。 あ、これってネタバレになるん?ならない??
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お菓子を作る人、食べる人、それぞれの思いや事情が描かれた短編集。ただの甘い・綺麗な・華やかな話ではなかった。でも、甘いお菓子にちょっと助けられ?救われ?たりして、ちょっと前が向けるようになる気持ちになれるお話。
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下町の西洋菓子店を舞台にした連作短編集。祖父の洋菓子店で働く””亜樹”を中心とした6つの片思いの話。皆、自分の気持ちを言葉にして伝えようとしないので、もどかしく感じました。 本や章のタイトルから受ける、甘いイメージとは異なり、やっかみや嫉妬といった苦い感情表現が多いのが印象に残...
下町の西洋菓子店を舞台にした連作短編集。祖父の洋菓子店で働く””亜樹”を中心とした6つの片思いの話。皆、自分の気持ちを言葉にして伝えようとしないので、もどかしく感じました。 本や章のタイトルから受ける、甘いイメージとは異なり、やっかみや嫉妬といった苦い感情表現が多いのが印象に残りました。片思いといえども、恋というには重い。仕事や立場も相まって、どんよりとした空気がたちこめます。それでも、各章の終わりには、各々が自分の気持ちに答えを見つけるので、少し晴れやかに。 おじいさんのシュークリームのように、相手に寄り添う優しさを忘れないようにしたいと思いました。 老舗の洋菓子店のケーキと、フランス菓子店が提供する本格的なケーキ。どちらもすごく美味しそうに描かれています。読んだら食べたくなるに違いありません。
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