西洋菓子店プティ・フール の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
片思い、の話でもないし秘密、の話でもない。テーマが分かりそうで分からなかったお話だった。もしかしたらそんなテーマなんて無いのかもしれない。うん、ない方が可能性としては高いな。 食べ物が出てくるお話は読みやすくていい。特に西洋菓子やアフタヌーンティーなどはお洒落な気配がむんむんするから、好きだ。 最初の珠香の話で、あれこれ背徳的とか同性愛とかそんな感じの雰囲気?って思ったけど、その後の話では片思いの人が2人登場、祐介さんに至ってはいい人なんだけど亜樹といるシーンがなんだかカップルぽくなくて、ほんの少し違和感。 ハッピーエンドでもない、バッドエンドでもない、3人ほど病んでるような雰囲気を感じる癖を持っていて、一番魅力的に見えたのはじいちゃんと長岡さんかな。
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下町の洋菓子店の職人肌店主とパティシエの孫娘、その婚約者に後輩の青年、青年を想うネイリスト、洋菓子店の客…といった人々が織りなす連作短編集。 優しいお菓子も深みのあるお菓子も、それぞれの魅力と沼があり。その時々で求められる嗜好品。 人々もまた、内なるクリームのように、奥まり見え...
下町の洋菓子店の職人肌店主とパティシエの孫娘、その婚約者に後輩の青年、青年を想うネイリスト、洋菓子店の客…といった人々が織りなす連作短編集。 優しいお菓子も深みのあるお菓子も、それぞれの魅力と沼があり。その時々で求められる嗜好品。 人々もまた、内なるクリームのように、奥まり見えない顔や想いもあり。確定されたものでは無い関係性でも、今、横にいる。 安心にも、模索にも、持続にはそうあろうとする意志が必要で。その事に時に難しさを感じたり、無意識になったりしながらの、いつもの日常、並ぶショーケース。 お菓子の描写が美味しそうで、色々食べてみたくなりました。
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商店街の昔ながらのケーキ屋さんと、その店主と跡取り孫娘をめぐる物語。 洋菓子屋さんにかぎらないけど、昔からのやり方と新しい手法を合わせてうまくやるのは難しいのかな。でもこのお店なら、おじいさんの作り方を踏襲しつつ、亜樹が学んだ最近のお菓子も試して、両方並べても全然いいと思う。 心...
商店街の昔ながらのケーキ屋さんと、その店主と跡取り孫娘をめぐる物語。 洋菓子屋さんにかぎらないけど、昔からのやり方と新しい手法を合わせてうまくやるのは難しいのかな。でもこのお店なら、おじいさんの作り方を踏襲しつつ、亜樹が学んだ最近のお菓子も試して、両方並べても全然いいと思う。 心地よい雰囲気はあるけど、なんとなく登場人物の特徴が薄いのか、どの話もあまり強く印象に残らず。でもいろんなケーキはおいしそう。
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祖父の西洋菓子店を継ぐ孫、その周りのお客さんや仲間たちの視点で書かれた短編集。短編集だけど話がつながっていてサクサク読めた!! 感情や人間模様がお菓子の食感見た目などに合わさって表現されていたり内容も人間らしさがあってすごく読み心地の良い作品でした。 洋菓子店に行きたくなるなあ。
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仕事、片思い、寂しさ、夫婦、秘密など スイーツとともに描かれるストーリー 登場人物全員、好きだ。 面白かった。 「他人だから分かり合えないことがある」で終わるのか 「他人同士だから補えることがある」と捉えるのかで 結構変わるなとも思ったし 自分を卑下しても、 自分が好きにな...
仕事、片思い、寂しさ、夫婦、秘密など スイーツとともに描かれるストーリー 登場人物全員、好きだ。 面白かった。 「他人だから分かり合えないことがある」で終わるのか 「他人同士だから補えることがある」と捉えるのかで 結構変わるなとも思ったし 自分を卑下しても、 自分が好きになったものを否定しちゃダメだ。 っていう言葉が特に好き。 本当にそうだよな、、 あと、おじいちゃんが作るシュークリーム! 食べてみたいよ~、、!
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エッセイで知った千早さん。 たまたまラジオ出演でお声も聞いた。 ご縁があると感じて読んだ小説。 繊細で、お菓子とストーリーのパーツがピタッとハマっている感じが心地よく、素晴らしかった。 懐かしい系のシュークリームが無性に食べたい。
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祖父の西洋菓子店で一緒に働くようになった亜樹を中心とした6つの物語。 ソフノ作る昔ながらの優しいケーキと亜樹の作る斬新なフランス菓子がうまく対比して、それぞれの主人公が抱える表と裏の部分を表しているようだった。 お菓子の描写も繊細で、千早さんらしさを感じた。 ラストは、ここで終わ...
祖父の西洋菓子店で一緒に働くようになった亜樹を中心とした6つの物語。 ソフノ作る昔ながらの優しいケーキと亜樹の作る斬新なフランス菓子がうまく対比して、それぞれの主人公が抱える表と裏の部分を表しているようだった。 お菓子の描写も繊細で、千早さんらしさを感じた。 ラストは、ここで終わっちゃうの?という尻切れトンボな印象。
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美味しそうなケーキや洋菓子、和菓子がたくさんでてきてウキウキした。 でも話のメインは人間臭いところでそのギャップが良かった。お菓子は甘いから癒やされるし元気になれる。人だって辛いばっかりじゃなく自分にも他人にも甘いところがあっていい。
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昔ながらのケーキ屋さんのお爺さんと、パティシエのあき。 ケーキの名前がタイトルについた編ごとに、それぞれの人の視点で描かれていく。 人から見たらあきは強くて、感情が見えなくてクールに見えるけど、本人目線だととても人間らしい。 読んでいて、人の話はとても面白かったし、ケーキの描写は...
昔ながらのケーキ屋さんのお爺さんと、パティシエのあき。 ケーキの名前がタイトルについた編ごとに、それぞれの人の視点で描かれていく。 人から見たらあきは強くて、感情が見えなくてクールに見えるけど、本人目線だととても人間らしい。 読んでいて、人の話はとても面白かったし、ケーキの描写はとても美しかった。(食べたくなる系の話ではなかったけど)
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この本を読む前からずっと 生クリームは顔に付けるようなシーンが、 失恋にはショコラの苦味が、 バターは夜の香りが。 洋菓子はそうやって人の感情や、シーンを映すなと。 言い換えれば私達は気持ちを洋菓子に乗せて 口にしているのかもしれません。 この小説はまさにそれを利用して 人...
この本を読む前からずっと 生クリームは顔に付けるようなシーンが、 失恋にはショコラの苦味が、 バターは夜の香りが。 洋菓子はそうやって人の感情や、シーンを映すなと。 言い換えれば私達は気持ちを洋菓子に乗せて 口にしているのかもしれません。 この小説はまさにそれを利用して 人々の心や、生活を描いています。 さらりと読みやすくあっという間に読了。 初めての作家さんでしたが、他のも読んでみたいです
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