西洋菓子店プティ・フール の商品レビュー
登場人物のひとり語りが交代で進んで行く 視点が変わると見え方も変わる 自問自答しながら、そこにスイーツが絡んで美味しそう じいちゃんや紅茶専門店マスターは流石の年の功で言葉も態度も含蓄あり 読了後、スーパーにシュークリーム買いに行って食べた。じいちゃんを思い出しながら
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これを読んで甘くてほろ苦いケーキが食べたくなりました。ゆっくり味わっていいんだよ、と寄り添ってくれるようなお話ばかりで心が落ち着きました。 どの登場人物もいいキャラクターをしています 特に気に入った文章を引用します。 ①「嗜好品ってのは、はけ口の対象になりやすい。けれどね、どん...
これを読んで甘くてほろ苦いケーキが食べたくなりました。ゆっくり味わっていいんだよ、と寄り添ってくれるようなお話ばかりで心が落ち着きました。 どの登場人物もいいキャラクターをしています 特に気に入った文章を引用します。 ①「嗜好品ってのは、はけ口の対象になりやすい。けれどね、どんな食べ物も口にする人の幸せを願って作られているんです。だから、楽しく味わってやって欲しい」 (p124) ②「ひとつじゃ駄目だ。ふたつ以上の脂肪球がぶつかって、膜が剥がれて、溶けて、繋がって、そうしてやっと液体はかたちになる。」 (p254) 世界は小さく、人間関係も複雑。 迷った時人は甘えたくなり、何かを必要とする。 おじいさんが気になります。人生の師のような言葉は培った経験が紡ぐ羅列なのでしょう。 おじいさんの人生も気になりますね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【あらすじ】 フランスて菓子作りの修業をしたパティシエールの亜樹は、菓子職人の祖父のもと、下町の西洋菓子店「プティ・フール」で働く。女ともだち、恋人、仕事仲間、そして店の常連客たち……。店を訪れる人々が抱える様々な事情と、それぞれの変化を描く連作短編集。 『やっぱりこの人が好きだ、と思った。軋むように、呻くように、胸がそう告げる。笑顔ひとつでこんなに甘い気持ちにしてくれる人はいない。』 『まあ、結婚も離婚もたいしたことじゃないよ。しても、しなくても、一度くらいは後悔するし、一度くらいはよかったと思う。それだけのことだ。』 『違う人間だから、同じ事柄にも違う反応ができるよってこと。他人って冷たい感じに聞こえるとおもうけど、だからこそ一緒に対処できることもあると思うんだ。』 【個人的な感想】 知らないお菓子がたくさん出てきて読んでいて楽しかった。 痛いところを突いてくる話が多く、やっぱり千早茜さんの作品や言葉が好きだなと思った。
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この本から得た最も大切なメッセージは、 秘密は、あってもいい。 お互いどう思ってるかを きちんと言葉で伝えること。 できそうでできない、 簡単そうで難しい。 このお話は続くのかな? 珠香ちゃん気になる。
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2016年刊。タイトルからして、お店を舞台とした人間模様かなぁ、と思っていたが…。主はラブストーリーだ。生き方が余り器用でないカップル。空回りする片思いの面子を含め、生きている事に苦悩しつつ。カップル側も愛情面では中々噛み合わない…。最後はともかく、読んでいる途中でとてもストレス...
2016年刊。タイトルからして、お店を舞台とした人間模様かなぁ、と思っていたが…。主はラブストーリーだ。生き方が余り器用でないカップル。空回りする片思いの面子を含め、生きている事に苦悩しつつ。カップル側も愛情面では中々噛み合わない…。最後はともかく、読んでいる途中でとてもストレスを感じた。何か病みそう……。 洋菓子、特にクリームの白さ、艶めかしさと、性差の別に関わらない倒錯的な感覚を織り込んであったり。何だか色々詰めてあるけれど、何が書きたいんだ?何で洋菓子店でなきゃダメだったんだ?、何か色々と、自分とは相性が宜しくないらしい。
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登場人物がそれぞれに語るので、章ごとに語る本人以外は、みんなカッコ良く、生き生きとしている。内面と外面で同じ事象について描かれていて面白かった。
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千早茜さん作品2作目。1作目である「さんかく」は気持ちを言葉に出さずに、登場人物同士がそれぞれの頭のなかで会話しているような感覚にありました。おそらく、自分の中にある「本心」を外に出さずに、内で「ねぇ、気づいてほしい」といいたげに語りかけてくるようなそんな印象。 この作品も、人間...
千早茜さん作品2作目。1作目である「さんかく」は気持ちを言葉に出さずに、登場人物同士がそれぞれの頭のなかで会話しているような感覚にありました。おそらく、自分の中にある「本心」を外に出さずに、内で「ねぇ、気づいてほしい」といいたげに語りかけてくるようなそんな印象。 この作品も、人間が心の奥底に閉じ込めて見せないようにしている「欲望」を短編ひとつひとつに現しているように感じました。だけど、その欲望を外に出そうとせず、行動や言動だけが「自分が、自分が、」と前に出てしまう。亜樹はその典型のように思えます。 私は登場人物のなかでは澄孝が好きだなあと思いました。素直だから。美波は物分りよく、場に合わせて嫌われないように?好かれるように?長いものに巻かれるように?振舞っているのが生きづらくならないかなあと心配になりました。 最後に出てきた、じいちゃんの秘密。 秘密って、知りたいけれど秘密のままにしておいた方がいいこともあるよね、きっと……。ストーリーからなんとなく想像はつくものの、詳細を明かされないところに人の好奇心を刺激する緊張感がある気がする……。明かされないことに人の心はくすぐられてしまう。想像させることが小説の醍醐味だと思うし、すっきりと終わらずこの後どうなるかは読む人次第な終わり方は嫌いじゃない。むしろ好き
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千早茜さんの本は『さんかく』に続いて2冊目 食べ物とりわけスイーツが出てくるお話に惹かれるため 金文字でフランス語のタイトル、ブルーの装丁にも興味を持ちました 以前読んだ作品より好みでした 美しく刺激的で人間味があって痛い だけど憎めなくて愛おしい登場人物たち 大人になるほど...
千早茜さんの本は『さんかく』に続いて2冊目 食べ物とりわけスイーツが出てくるお話に惹かれるため 金文字でフランス語のタイトル、ブルーの装丁にも興味を持ちました 以前読んだ作品より好みでした 美しく刺激的で人間味があって痛い だけど憎めなくて愛おしい登場人物たち 大人になるほどそれぞれの差は大きくなって 内面に触れることは容易ではなくなるけれど 美しいだけじゃないのかもしれない 経験したことのない苦しみに どうしようもなく焦がれてしまう 痛みと安堵を両方与えられた作品でした
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私はお菓子が好き。特にケーキが。 それだけで聞いたこともないお菓子の名前が出てくると、どんな形でどんな色で、どんな味か想像するだけで楽しい。 だけど、ただ甘いだけの話じゃなくて、一人ひとりが悩みやいろんな思いを抱えて生きている。 じいちゃんの発する言葉は、奥が深くて心に刺さった...
私はお菓子が好き。特にケーキが。 それだけで聞いたこともないお菓子の名前が出てくると、どんな形でどんな色で、どんな味か想像するだけで楽しい。 だけど、ただ甘いだけの話じゃなくて、一人ひとりが悩みやいろんな思いを抱えて生きている。 じいちゃんの発する言葉は、奥が深くて心に刺さった。 嗜好品ってのは、はけ口の対象になりやすい。 これにはちょっとドキッとした。 じいちゃんのシュークリームとショートケーキ 楽しく味わいたい。 美味しい紅茶とともに。
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流行りの美しいスイーツが必ずしも老舗の昭和スイーツより優れているわけではない。 頭の先から爪先までおしゃれで砂糖菓子みたいな女の子が好きな人から選ばれるとは限らないし、大学在学中に司法試験に合格した人が劣等感を持たないわけではない。 一見自分より優れていて幸せそうな人も心の中は...
流行りの美しいスイーツが必ずしも老舗の昭和スイーツより優れているわけではない。 頭の先から爪先までおしゃれで砂糖菓子みたいな女の子が好きな人から選ばれるとは限らないし、大学在学中に司法試験に合格した人が劣等感を持たないわけではない。 一見自分より優れていて幸せそうな人も心の中は満たされていないものなのかも。 テーマのお菓子に寄せてもう少し幸せ成分が多い方が良かったかなぁ
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