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永遠をさがしに の商品レビュー

3.8

103件のお客様レビュー

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    19

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2019/10/04

オーケストラの有名指揮者を父に持ち、元チェリストを母に持つ主人公和音。 話は、友人から譲り受けた鳴かないカナリアが逃げたことから始まる。 それは、両親の不協和音から守ってくれる存在だった。 続くように、母が離れていった。突然の離婚。 そこからは、他人が自分を世話してくれる...

オーケストラの有名指揮者を父に持ち、元チェリストを母に持つ主人公和音。 話は、友人から譲り受けた鳴かないカナリアが逃げたことから始まる。 それは、両親の不協和音から守ってくれる存在だった。 続くように、母が離れていった。突然の離婚。 そこからは、他人が自分を世話してくれる生活が続く。 まだ大人ではない主人公は、他人の中で大人のふりをして本音を言わない女の子に。 一方通行のような会話。 父親がアメリカのオーケストラを指揮する契約になったことから、日常は大きく回転始める。 突然入り込んだ異星人のような新しい母との生活。 慣れた頃にその母から語られる真実。 音楽から逃げたはずだったのに、いつしか音楽と生きることを。 まだまだ、どんでん返しが隠されていて、美しい音楽と、熱さのある青春と、親子さえもやり直しができるというホットな物語だ。

Posted byブクログ

2019/08/28

和音(わおん)は高校生。チェロの練習は嫌になって10歳の時に辞めてしまった。父は世界的な指揮者でボストン交響楽団の音楽監督に就任することになった。母は元チェリストで、父とは離婚している。父はボストンで音楽の勉強をすればと言うけれど、和音にその気はない。すると突然父の再婚相手だとい...

和音(わおん)は高校生。チェロの練習は嫌になって10歳の時に辞めてしまった。父は世界的な指揮者でボストン交響楽団の音楽監督に就任することになった。母は元チェリストで、父とは離婚している。父はボストンで音楽の勉強をすればと言うけれど、和音にその気はない。すると突然父の再婚相手だという女性が家にやって来た! 何と言ったらいいのか。汚濁した心が洗われるような、癒されるような励まされるような、とてもポジティブな気分になった。 ネタバレしないで説明するのが難しいのだけれど、家に突然やってきた女性真弓が物語の鍵になる。どんな人なのかを説明するのもネタバレになってしまうので書かないけど、兎に角とってもいい話だった。いやものすごくいい話だった。ブラボー! 音楽小説の傑作だと言っていいし、少女の成長物語だと言ってもいい。

Posted byブクログ

2019/08/04

和音は子供の頃、鳴かない深緑色のカナリアを飼っていた。名前をトワという。母の時依(ときえ)のトと和音(わおん)のワをつなげて「トワ」「『トワ』という言葉には永遠という意味もあるの。永遠というのは誰にも絶対みつけられないものよ」ある日、どこかへ逃げてしまった鳴かないカナリア。「お父...

和音は子供の頃、鳴かない深緑色のカナリアを飼っていた。名前をトワという。母の時依(ときえ)のトと和音(わおん)のワをつなげて「トワ」「『トワ』という言葉には永遠という意味もあるの。永遠というのは誰にも絶対みつけられないものよ」ある日、どこかへ逃げてしまった鳴かないカナリア。「お父さんは和音のことが好きなのよ。でも意地っぱりだから、大好きだって言えないだけなのよ。お願いだからお父さんを好きでいて」 母はひとり遠く離れていった。父のもとに私を残して。 和音は高校一年生になり、父で日本交響楽団のレジデンド・コンダクターの梶ヶ谷奏一郎はボストン交響楽団に着任することになり、日本を離れます。 和音は日本に残りますが、そこへ真弓という昔チェロを弾いていたフリーの音楽ライターだという39歳の女性が現れ、「奏さんはあたしのダンナ」と言い、東京の和音の家で同居を始めます。和音は「父の財産が目的で結婚したんですか?」と真弓を問いただします。和音の母の時依も昔は名だたるチェリストで、和音もチェロを弾いていました。 そして、和音はお嬢様でした。 でも、真弓は今まで和音の周りにいた大人の範疇に入らない女性で、和音のクラスメイトの文斗や朱里たちも巻き込んで、だんだんと真弓のペースに乗せられていってしまいます。そして和音は16歳の誕生日に真弓とお母さんからの(!)、すごい誕生日プレゼントをもらいます。 ここでストーリーがすべてひっくり返されていきます。 そして他にも重大な秘密がどんどん発覚していきます。 和音、時依、真弓の三人のチェリストのストーリーです。 和音は最後に永遠をみつけることができます。

Posted byブクログ

2019/08/03

涙無しには読めなかった。 夕暮れの電車の中、人目を気にせず泣きながら読んだ。 憧れの人とか、会いたい人とか、そういう人に伝えたい思いって誰にでもあるんだな、と。 そう考えているのがわたし一人じゃないと思わせてくれた。 音楽をしていて、没頭した演奏をした時 何かをしていて、没頭して...

涙無しには読めなかった。 夕暮れの電車の中、人目を気にせず泣きながら読んだ。 憧れの人とか、会いたい人とか、そういう人に伝えたい思いって誰にでもあるんだな、と。 そう考えているのがわたし一人じゃないと思わせてくれた。 音楽をしていて、没頭した演奏をした時 何かをしていて、没頭して物事に取り組んだとき この瞬間が終わらなければいいのに、永遠に続けばいいのに そう思うときってこの先の人生であと何度体験できるんだろう。 自分が体感したことと少しだけ近い感情だとか気持ちだとかが入り混じったからなんだかとても体に染み込んでくるような文章だった。 とても良い、原田マハ初体験、でした。

Posted byブクログ

2019/07/27

190727*読了 ここ最近、原田マハさんの著作を全部読みたい!という思いから、次々と読んでいます。 原田マハさんといえば、アート系の小説がなんといってもおもしろく、その印象が強いけれど、先日読んだ「キネマの神様」は映画だし、この「永遠をさがしに」は音楽。それも、チェロ。 出版年...

190727*読了 ここ最近、原田マハさんの著作を全部読みたい!という思いから、次々と読んでいます。 原田マハさんといえば、アート系の小説がなんといってもおもしろく、その印象が強いけれど、先日読んだ「キネマの神様」は映画だし、この「永遠をさがしに」は音楽。それも、チェロ。 出版年数ごとに読んでいるわけではないのですが、それでもなんとなくだいぶ前に書かれた本なのかな、と思いました。実際、このお話は2010年頃に書かれています。なんというか、原田さんの中の瑞々しさを感じました。(決して今が悪いとかではなく) 主人公が16歳というのも関係しているのかもしれない。原田さんがそれだけ若い少女を主人公に据えることってなかなかないので。 音楽が人に与える感動。それは演奏の上手い下手に関係なく、気持ちがいかにこもっているか。どれだけ相手のために、一生懸命奏でられるかということ。どんな名演奏家ですら敵わない、そんな音楽がこの小説にはあふれていました。 クラシック音楽って若いうちに没頭していないと、どうしても一流になれないようなところがあって。わたしはもう間に合わないので、和音を文斗をうらやましく思います。真弓さんや和音のお母さんでさえも。 音楽と共に生きている人にはすごく憧れがあります。 ピアノでクラシックが弾けるようになりたい!という夢があるので、わたしもそれに向かって行動を起こそう、と一歩を踏み出させてくれる、わたしの背中をも押してくれる、そんな小説でした。

Posted byブクログ

2019/06/11

音楽家の両親に生まれ、一流音楽が 当たり前の環境。 だけど、母が去り、捨てられたとの思いからチェロをやめてしまう。 継母と名乗る人が現れたり、同級生のピアノに感化されたりする。 そして再びチェロを弾く。チェロの深い音が響いてくる。

Posted byブクログ

2018/10/13

▪️世界的な指揮者の父とふたりで暮らす、和音16歳。チェロに挫折し、今は普通高校に通っている。そこへ型破りの"新しい母"がやってくる話。解説の宮下奈都さんの文章。 テンポもよくてすごく前向きな、未来はまだいろんな可能性を満ちてるから動いたら、努力したらいいって...

▪️世界的な指揮者の父とふたりで暮らす、和音16歳。チェロに挫折し、今は普通高校に通っている。そこへ型破りの"新しい母"がやってくる話。解説の宮下奈都さんの文章。 テンポもよくてすごく前向きな、未来はまだいろんな可能性を満ちてるから動いたら、努力したらいいってお話。あいまあいまにいろんなことが発覚して少しずつ乗り越えていくような。 音楽に明るくないのだけど好きな人はより好きだろうなと。クラシックとかわからないけど聞いてみたくなったし、子どもができて16歳に近づいたら読ませたいと思った。病院のシーンは自分の母の時のことを思い出して泣いてしまった

Posted byブクログ

2018/10/01

ちょっとやりすぎだ、けどまぁいい話だ。 音楽をするというのはいいよなぁ、いまからでも間に合うかしら。

Posted byブクログ

2018/08/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

元チェリストの母が出ていってから、チェロを弾けなくなってしまった和音が、急にやって来た義理の母、真弓や友人のお陰で、またチェロを本格的にやり始める話。 真弓さんに降りかかる不幸が半端なく、こんな設定はないだろうと思いつつも、涙が止まらず、後半はティッシュペーパーが手放せませんでした。 あと、読んでる間、チェロの音がバックに流れているような感覚にとらわれ、久しぶりにパプロ・カザルスの“鳥の歌”を聴きたくなりました。

Posted byブクログ

2018/05/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この人の書く作品はテーマ設定、ストーリー展開が異常に長けてるのかも、と思った。程好く現実的。程好く波乱万丈。ただ、風のマジムの方が私は好きだったかな。あと、個人的には登場人物の設定に甘えて話を無理矢理進めてる感じもしてしまって、というのは、登場人物のリアクションや台詞がいまいち現実味がないということがあるように思えまして。「このキャラは破天荒だから何しても良し」とか「この子は意地っ張りだからなんでも反抗」みたいなところや、なにかストーリー上ハプニングがあったから突然この子のキャラが変わる、みたいなのが、もう少し読者に対して説得力がほしいと思っちゃった。

Posted byブクログ