永遠をさがしに の商品レビュー
原田マハさんのアートものといえば、“美術“というイメージですが、本書は音楽が題材となっております。 ただ、こちらはアートものというより、ハートフルものって感じでした。 世界的な指揮者の父とチェリストの母の元で育った梶ヶ谷和音。 やがて両親は離婚し、母は家を出て行ってしまった為、...
原田マハさんのアートものといえば、“美術“というイメージですが、本書は音楽が題材となっております。 ただ、こちらはアートものというより、ハートフルものって感じでした。 世界的な指揮者の父とチェリストの母の元で育った梶ヶ谷和音。 やがて両親は離婚し、母は家を出て行ってしまった為、現在は父と高校生の和音の二人暮らしという状況です。 ある時、父が渡米することになり、和音は一人日本に残る事を選択しますが、そんな梶ヶ谷家に真弓という型破りな“新しい母”が現れて・・。 チェリストの母からチェロの手ほどきを受けていたものの、チェロを挫折してしまった和音と、自身もチェリストでしたが“とある事情”で引退し、今は音楽ライターをしている真弓。 はじめは真弓の存在に戸惑っていた和音が、徐々に彼女のペースに巻き込まれるように心を開いていく様子や、和音の友人達との心温まる交流を通して、一旦は挫折したチェロへの情熱を取り戻していく展開です。 親子の葛藤や絆、友情、夢・・等々が音楽を軸に描かれていて、眩しいようなキラキラエピソードだったり、真弓に降りかかった思わぬ苦難だったりを経て、感動のラストへと持って行く・・ドラマとして上手すぎて、“もう、マハさん狙いすぎやで!”と言いたくなる程、あざとい(?)構成でございます。 例えば 「・・私たちのチェロが、ひとつになってる。響き合ってる。 この世に音楽がある幸せ。チェロを奏でられる喜び。 私たち、分かち合ってる。」 ・・とか、もうポエムでしょ!という感じの“あざとポエムモード”な箇所がちょいちょいあって、多分ここは“泣き”のポイントなんだろうな・・と、そういう目で読んでしまう“汚れちまった自分”が悲しいぜ・・なんて( ;∀;) ・・・あ、言うておきますが、作品自体は爽やかな読後感のええ話ですよ~。 通常の心が綺麗な方はジーンとくること請け合い!なのでご安心を! 『本日は、お日柄もよく』で“感涙”した方は、本書でもグッとくるんじゃないかなー・・と、思います~。
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- ネタバレ
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ゴッホの次の原田マハさんは音楽! 音楽と言う芸術。 こちらも私には到底わからない世界なので少し緊張する。 音楽一家の心のチグハグがどう整っていくか? 一見、傍若無人な真弓の登場で、どんなふうに真弓が和音と関わって、家庭が整っていくのか期待が高まる。 和音のお母さんからの手紙や真弓さんからの告白以降、切なさに心が締め付けられて涙が止まらない。 母親の、どこまでも子供を包み込む優しさ、強さ、厳しさ、苦悩、そんなようなもの全てが滲み出る言葉の数々に誰もが共感し涙するであろう。 親が子供に夢を託すのは悪なのか? この本では和音が確実に母親や真弓の夢を引き継ぎ再びチェロに向き合っていこうとする。 終わり方も、和音や他の登場人物達のキラキラした未来が想像でき、ちょっぴり寂しいけれど、心あたたまる余韻が残った。
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世界的指揮者の父と二人暮らしの高校生、和音。 そこへ型破りな「新しいお母さん」がやってくる。 原田マハの描く感動的な物語。音楽を通して語られるところも魅力的。
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美しい話。 なんだかそれぞれの愛が感じられて、 でもうまく噛み合わなくて。 でもやっぱり根底にある愛が 一つにするって感じ。 とても綺麗だった
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優しい。 家庭や置かれてる環境は決して望まれたものではないが、ネガティブをポジティブに変えてくれる一冊。 ポジティブになるまでの過程も優しい。 ラストはページを捲る手が止まらなく、読み終えたあとは優しさや素敵な終わりに笑みが溢れた。 ※登場人物が少なかったのも、個人的には個々のキ...
優しい。 家庭や置かれてる環境は決して望まれたものではないが、ネガティブをポジティブに変えてくれる一冊。 ポジティブになるまでの過程も優しい。 ラストはページを捲る手が止まらなく、読み終えたあとは優しさや素敵な終わりに笑みが溢れた。 ※登場人物が少なかったのも、個人的には個々のキャラクターに没入できてよかった☺︎
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父の再婚相手って大体娘に嫌われますが、なんか、実母と再婚相手の関係から始まり、父親とのやりとりも、友人とのやりとりもめちゃくちゃ素敵で、ほんと、いい本読んだなぁって思いました。タイトル回収もさすがマハさんです!
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マハ文学のなかでも音楽をテーマにしたのは珍しい。と思ったが、アートを愛でる気持ちを文章にするのと、音楽のそれとはあまり変わんないようである。エリートご令嬢の人間模様に着目して読むとちょいと陳腐な感じだが「音楽を愛でる気持ち」だけにフォーカスして読むことをお勧めします。
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原田マハさんの音楽系の小説。マハさんの音楽系の物語は初めてです。単純に苦悩を乗り越える少女の話ではない。さすがマハさん、二転三転というか一捻りも二捻りもある!チェロが聴きたくなる本です!素晴らしい!真弓さん、カッコいい女性です。
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色々な形で関わりあう母と娘の絆がチェロを通じて描かれる。少年少女達はかけがえのない友人2人と共に大人に近づいていく。音を奏でて響き合う、少し切ないような素敵なお話でした。
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マハさんの作品好きだけど、これはかなり好き。目が痒いからなのか、情緒不安定なのか後半感情移入しすぎて号泣。あー読んでよかったそう思わせてくれる作品
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