デューン 砂の惑星 新訳版(下) の商品レビュー
デューン第一部新装版完結。 どこか唐突なエンディングは当時のSFの特徴だと思う。 惑星改造について言及されており、先日の日経でもSFが未来志向の技術に及ぼす影響の観点から、自然環境の改造の例として取り上げられていた。でも、自然環境の改造も、優生学的ヒーローの計画も、超絶思考力のや...
デューン第一部新装版完結。 どこか唐突なエンディングは当時のSFの特徴だと思う。 惑星改造について言及されており、先日の日経でもSFが未来志向の技術に及ぼす影響の観点から、自然環境の改造の例として取り上げられていた。でも、自然環境の改造も、優生学的ヒーローの計画も、超絶思考力のやり取りが渾然一体となったところ、当作品の魅力だと思う。
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ドゥニ版のデューンを観て上・中・下を一気買い。 読み始めた日から約半年が経過し,読了。下巻はドゥニ版のPart2に当たる部分でポール率いるアトレイデスの生き残りとフレメンで皇帝及びハルコンネンに反旗を翻すという内容。面白かったが,まだまだ続く続編らに手を出す勇気がない。体力がいる...
ドゥニ版のデューンを観て上・中・下を一気買い。 読み始めた日から約半年が経過し,読了。下巻はドゥニ版のPart2に当たる部分でポール率いるアトレイデスの生き残りとフレメンで皇帝及びハルコンネンに反旗を翻すという内容。面白かったが,まだまだ続く続編らに手を出す勇気がない。体力がいる。
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最後まで読みやすかった新訳版。 旧訳版を読んだときに、終盤の「そんなことはいうものか」のくだりが今ひとつ理解しがたかったのですが、新訳では「そんなことば、いってたまるか」になっており、すっきり理解できました。 解説では「指輪物語」が挙げられていましたが、異世界の構築という意味では...
最後まで読みやすかった新訳版。 旧訳版を読んだときに、終盤の「そんなことはいうものか」のくだりが今ひとつ理解しがたかったのですが、新訳では「そんなことば、いってたまるか」になっており、すっきり理解できました。 解説では「指輪物語」が挙げられていましたが、異世界の構築という意味では、本書はファンタジーに近いものなのかもしれません。 そう考えると、ベネ・ゲセリットのやっていることは魔術的だし、砂蟲という巨大怪獣や、ヨーロッパ中世風の封建制度も、剣と魔法の世界の方がフィットしそうではあります。 ただ、そうした舞台装置に科学的な(あるいは科学っぽい)裏付けを与えるべく、緻密に設定を考えているところが、ファンタジーとの差なのでしょう。 そういえば、映画版デューンを撮ったヴィルヌーヴ監督が、「スフィル・ハワトの出番は泣く泣く全カットした」(意訳)と言っていましたが、たしかに本巻終盤のスフィル・ハワトに関するエピソードは、ほろりとするもので、カットするのは惜しいように思いました。 ただ、タイトルは忘れましたがある映画のDVDのオーディオコメンタリーで、某監督が「気に入ったシーンをカットできるようになったら監督として一人前」というようなことを言ってましたので、スフィル・ハワトが出てこない方が、映画としての完成度が上がったということなのでしょう。
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クイサッツ・ハデラックとして覚醒したポール・アトレイデイスがハルコンネンと、黒幕の皇帝への復讐を果たす下巻。 これまで映画と比べながら読んできた。 核となる太い幹部分は同じだが、個々の部分は結構違っていると下巻を読んで改めて思った。 映画は現代的なアップデートがされている。特に...
クイサッツ・ハデラックとして覚醒したポール・アトレイデイスがハルコンネンと、黒幕の皇帝への復讐を果たす下巻。 これまで映画と比べながら読んできた。 核となる太い幹部分は同じだが、個々の部分は結構違っていると下巻を読んで改めて思った。 映画は現代的なアップデートがされている。特に小説版は専制君主制でもあるのでポール・アトレイデイスの後ろに女性たちが隠れがち、というか従うしかない部分がちらほらある。それが大きなノイズとなることはないが、1965年に書かれた小説という時代性が顔を出す瞬間もある。 映画でも専制君主制は変わりはないのだが、現代的なアップデートがされている。何なら映画版は男性よりも各陣営の女性たちが魅力的だったりするのが面白い。 特にチェイニーやジェシカなんかは映画版では、芯がある女性であり、自分を持っている女性として描かれている。なので小説版ではその物わかりの良さに、あれ? と思ってしまった。 それと映画版のフェイド=ラウサのヤバい奴感は小説では結構抑えられている。こっちはこっちで魅力的なのだが、ポール・アトレイデイスの写し鏡としてのキャラ機能を感じたのは小説だった。 映画は映画の、小説には小説の、それぞれの面白さがある。楽しめる部分も全然違ったので、見比べてみて良かった。 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は次作の『砂漠の救世主』を一番やりたいらしいので、そっちも手に取ってみよう。
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盛り上がってまいりましたの三部作下巻完結編。正直独白ばかりであまり物事が動かない上中巻に、面白いながらも飽いてきた感否めない状態からの読書開始だったものの、下巻は一気に物事が動き始め、あれよあれよと主人公ポール・ムアディップが救世主に上り詰める過程を、飽くことなく堪能できる(基本...
盛り上がってまいりましたの三部作下巻完結編。正直独白ばかりであまり物事が動かない上中巻に、面白いながらも飽いてきた感否めない状態からの読書開始だったものの、下巻は一気に物事が動き始め、あれよあれよと主人公ポール・ムアディップが救世主に上り詰める過程を、飽くことなく堪能できる(基本線は同じものの映画DUNE2はかなり内容を精査して、時系列や設定を変えてでも映画用に再構成して成功をおさめていると思える)。巻末には惑星アラキスの歴史やデューン世界の宗教史、用語集など、歴史書さながらの付録が付いていて、世界観の徹底ぶりに笑ってしまった。そして忘れてはならないのが、これが55年以上前に刊行された作品ということ。すごすぎる。 続編も読んでみよう。
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シリーズはまだまだ続くが、「砂の惑星」としては最終巻。 デヴィッド・リンチ版、ヴィルヌーヴ版の映画で散々観ているので、プロットに関してはすでに知っている。 この巻でハルコンネン男爵の甥であるフェイド=ラウサが登場する。 一方ポールは、フレメンの宗教的指導者となっていく。その過...
シリーズはまだまだ続くが、「砂の惑星」としては最終巻。 デヴィッド・リンチ版、ヴィルヌーヴ版の映画で散々観ているので、プロットに関してはすでに知っている。 この巻でハルコンネン男爵の甥であるフェイド=ラウサが登場する。 一方ポールは、フレメンの宗教的指導者となっていく。その過程で以前の部下であったガーニーと再会する。 力をつけたポールは、皇帝との最終決戦へと突き進む。 有名な作品なのですでに知っている部分が多い。 ただ、絶大な人気を誇る古典なので、読んでおいてよかった。 1960年代はレイチェル・カーソンなどの影響で環境問題が盛り上がっていた時期であり、本書もその影響を受けているという。 この状況は現在も似ている。地球温暖化や緑化活動といった課題は、主にビジネス方面のトレンドではあるのだが、とにかく、キーワードではある。 映画はそれほど環境問題については強調していなかったが、それでも砂漠の惑星が舞台で、「水は大切だ」といったことを再三にわたって言うのだから、無関心ではないだろう。 このあたりの状況も、このタイミングで映画化を進めた一つのポイントかもしれない。 小説としてはSFでありながら、さまざまな要素を詰め込んでいるのがおもしろい。なによりも、子どもの頃から知っていながら、いまだに読み通していなかった作品をようやく読み終えたということで、個人的な満足感がある。
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いやぁおもしろかった!! 奥行きのある世界観や壮大な人類史、舞台となる惑星アラキスの緻密な設定に加え、預言者として苦悩する主人公ポールたちの人間模様…しかし、プロットはど直球な復讐劇。これら全ての要素が重なり合って抜群のエンターテイメントを提供する本書は、ヒューゴー賞と第1回ネ...
いやぁおもしろかった!! 奥行きのある世界観や壮大な人類史、舞台となる惑星アラキスの緻密な設定に加え、預言者として苦悩する主人公ポールたちの人間模様…しかし、プロットはど直球な復讐劇。これら全ての要素が重なり合って抜群のエンターテイメントを提供する本書は、ヒューゴー賞と第1回ネビュラ賞のダブルクラウンに輝く「デューン 砂の惑星」です。 解説によると、1975年からスタートし、およそ12年ごとに読者投票されるローカス賞「オールタイムベスト」において、4回連続(1975年、1987年、1998年、2012年)の1位となっているよう。これ地味に凄いですね。でもなんとなく納得。とてもSFらしい作品だと思いますし、王道展開の節々で垣間見られる深遠さは、読者の心を掴んで離さないかと。 続編もあるようですので、随時読み進めようと思います。(ただ、絶版の気配が…)
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圧倒的な世界観!これぞSFの金字塔! あまりに緻密に練られた設定だったので、単に本を読むのではなく、まるでポールと一緒に旅をしており、史実を追体験しているかのような錯覚に陥りました。 そして何より個人的に刺さったのが欲望渦巻く権謀術数の世界! 様々な作品で描こうとされるものの、...
圧倒的な世界観!これぞSFの金字塔! あまりに緻密に練られた設定だったので、単に本を読むのではなく、まるでポールと一緒に旅をしており、史実を追体験しているかのような錯覚に陥りました。 そして何より個人的に刺さったのが欲望渦巻く権謀術数の世界! 様々な作品で描こうとされるものの、一歩設定を誤ると浅い印象を与えかねない諸刃の剣という認識があったので、変に冷めてしまわないかドキドキしながら読んでいたのですが・・・これだけ熱狂的な人気を博している理由を垣間見た気がします。 ただ、この物語は設定が深すぎるが故に、初めて読む人には少々難解に感じられるかも。。。実際、自分は設定を理解するまで、「???」となる瞬間が何度もあったので、下巻巻末の付録を見ながら読み進めることをお勧めします・・・笑
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独特な文化圏を持つアラキスとフレメンたちを知ることが、実在する部族で暮らす人々の文化を知るような体験に感じ他の小説にない貴重な経験だった。SF要素の他、宗教観についても説明が細かいが、博識な作者の知識に追いつけず意味は理解できなかったが雰囲気は楽しめた。全ての設定説明がしつくされ...
独特な文化圏を持つアラキスとフレメンたちを知ることが、実在する部族で暮らす人々の文化を知るような体験に感じ他の小説にない貴重な経験だった。SF要素の他、宗教観についても説明が細かいが、博識な作者の知識に追いつけず意味は理解できなかったが雰囲気は楽しめた。全ての設定説明がしつくされた後半は文章はすっと頭に入ってくる。だが後半は唐突に終わった感がある。
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人類文明が大宇宙に広がる遥かな未来。 思考機械、超コンピュータ群への従属を良しとしない【バトラーの聖戦】を経て幾星霜、人々は中世的な社会の中で、機械に頼らず自らの肉体精神性を拡張した文明を築いている。 解説より抜粋 もうこの設定に痺れてしまった。 ...
人類文明が大宇宙に広がる遥かな未来。 思考機械、超コンピュータ群への従属を良しとしない【バトラーの聖戦】を経て幾星霜、人々は中世的な社会の中で、機械に頼らず自らの肉体精神性を拡張した文明を築いている。 解説より抜粋 もうこの設定に痺れてしまった。 人類の歴史は何周もして、遥かな未来では中世的な世の中になってしまうのか。 そこで起こっているのは、利権をめぐる戦争であり民族への弾圧である。高度な武器は高度なシールドに阻まれ使い物にならないし、巨大な砂嵐や凶暴な生物の前で人々は、息を殺してやり過ごすしかない。そしていつの世もヒーローの出現を待つのだ。
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