小松とうさちゃん の商品レビュー
とてもほっこりする。どこにでも居るおっさん2人組いいな。 そして併録された「ネクトンについて考えても意味がない」は現代版「やまなし」とでも言えそうな作品。
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最近、絲山さんをどうにも読み切れなかったので 今回はどうかしら、と思っていました。 好きです、この小説。 けれんのない人々を絲山さんが書くと まるで隣にいるように、人々が 映像化されます。 登場人物も少なく、話が簡易に入ってきます。 ああ、やはり、本が好きだなあと 久しぶり...
最近、絲山さんをどうにも読み切れなかったので 今回はどうかしら、と思っていました。 好きです、この小説。 けれんのない人々を絲山さんが書くと まるで隣にいるように、人々が 映像化されます。 登場人物も少なく、話が簡易に入ってきます。 ああ、やはり、本が好きだなあと 久しぶりに思う一冊でした。
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+++ 52歳の非常勤講師小松は、新潟に向かう新幹線で知り合った同い年の女性みどりが気になっているが、恋愛と無縁に生きてきた彼は、この先どう詰めればいいか分からない。一方、みどりは自身の仕事を小松に打ち明けるかべきか悩んでいた。彼女は入院患者に有料で訪問サービスをする「見舞い屋」...
+++ 52歳の非常勤講師小松は、新潟に向かう新幹線で知り合った同い年の女性みどりが気になっているが、恋愛と無縁に生きてきた彼は、この先どう詰めればいいか分からない。一方、みどりは自身の仕事を小松に打ち明けるかべきか悩んでいた。彼女は入院患者に有料で訪問サービスをする「見舞い屋」だったのだ。小松は年下の呑み友だち宇佐美に見守られ、緩やかに彼女との距離を縮めていくのだか、そこに「見舞い屋」を仕切るいかがわしい男・八重樫が現れて……絲山秋子が贈る、小さな奇蹟の物語。 +++ 表題作のほか、「ネクトンについて考えても意味がない」 「飛車と騾馬」 +++ 大学の非常勤講師の小松の、不器用な大人の恋心の行方と、ネトゲにはまるサラリーマン宇佐美の在りよう。居酒屋友だちの彼らの交流、 そして、コマツが恋した女性・みどりの葛藤が交互に描かれ、少しずつ物語が進んでいく。まるで舞台を見ているような心地である。それがラストでこんな展開になるとは。リアルの人間関係と、ネットの人間関係の妙まで愉しめた。人生捨てたものじゃないと思わせてくれる一冊である。
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ああ!おもしろかった!とのけぞりながらいえる小説。変わっているけどいとおしい中年たちのお話。クスっと笑える軽快な文章と,必ずグッくる一文にも出あえる絲山節はほんとうにきもちいい。短篇の『ネクトンについて考えても意味がない』もフワフワ,いい。私にとってのミズクラゲは,こういう,たの...
ああ!おもしろかった!とのけぞりながらいえる小説。変わっているけどいとおしい中年たちのお話。クスっと笑える軽快な文章と,必ずグッくる一文にも出あえる絲山節はほんとうにきもちいい。短篇の『ネクトンについて考えても意味がない』もフワフワ,いい。私にとってのミズクラゲは,こういう,たのしくてあたたかくて,背中をそっとさすってくれるような小説なんだと思う。すーっとその世界に入っていけるような。
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絲山秋子さん、初めまして。二つの話とも最初すごく読みにくい感じで始まって、もう閉じようかと思ったけどあとはするすると。1時間かからなかったんじゃないか。嫌いとかもないけど、するすると引っかかるところも少なくて、余韻も少なくて、機会があったら他のも試したい。勝手なイメージですけど、...
絲山秋子さん、初めまして。二つの話とも最初すごく読みにくい感じで始まって、もう閉じようかと思ったけどあとはするすると。1時間かからなかったんじゃないか。嫌いとかもないけど、するすると引っかかるところも少なくて、余韻も少なくて、機会があったら他のも試したい。勝手なイメージですけど、河出書房らしいなって思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
表題作を含む3つの作品を収録。表題作の『小松とうさちゃん』の2人は名コンビのような気がする。歳の離れた友人的な感覚。不思議な雰囲気が漂う、小松さんとうさちゃん。ネトゲにハマるうさちゃんにはあまり共感は出来ないが現代人っぽさがあっていい。小松さんの恋愛を見守りながら作品を読むというのは楽しかった。中年の恋愛ってのもいいなと思ったり。
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いやぁ、好きです小松さん。こういう地上から足が浮いたまま生きているような人、好きなんです。飄々としている、というか、糠に釘男、というか、ちょっと何かが欠けたままそれでも別にかまわない人生を生きている人、というか。 そして、いいじゃないですか、52歳の恋。変な駆け引きや隠したギラギ...
いやぁ、好きです小松さん。こういう地上から足が浮いたまま生きているような人、好きなんです。飄々としている、というか、糠に釘男、というか、ちょっと何かが欠けたままそれでも別にかまわない人生を生きている人、というか。 そして、いいじゃないですか、52歳の恋。変な駆け引きや隠したギラギラや、そういうのさっぱりと通り越したオトナのさらりとした恋。うさちゃんじゃなくても全力で応援したくなる。 そしてうさちゃん、この恋はうさちゃんなくして成就なし、でした。大活躍。ちょっとしたサプライズも楽しい。 あぁ、そうかそうか。この物語にべたつきがないのは恋の物語ではなく友情の物語だからか。 小松とうさちゃん、年の離れた趣味も環境も違う2人のオトコの、付かず離れずの友情が大人の恋の手助けをする。この2人、どこでどうやって知り合って付き合いが続いてるんだろう、と不思議に思いながら読み終わると第三章にその始まりが描かれていて。ははぁん、なるほどね、とすっきり。 で、途中に挟まれているネクトンの物語。いや、連作短編じゃないから、いいのだけど。同じように「何かが欠けている人」であっても飄々と生きていくのは難しいのかも、とちょっと思ったりもして。
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