怒り(上) の商品レビュー
三組はどう交わるのか、まだ想像がつかない。 物語の枠組みが明らかになった程度のペースで、 下巻はどうなるのか…? と、いっても映画は鑑賞済みです。 でも結末やストーリーやや忘れぎみ。 島に渡るシーンや新宿のシーン、沖縄の暗闇のシーンなどは映画でも印象的で、小説で改めて彷彿さ...
三組はどう交わるのか、まだ想像がつかない。 物語の枠組みが明らかになった程度のペースで、 下巻はどうなるのか…? と、いっても映画は鑑賞済みです。 でも結末やストーリーやや忘れぎみ。 島に渡るシーンや新宿のシーン、沖縄の暗闇のシーンなどは映画でも印象的で、小説で改めて彷彿させられました。 これから下巻。
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夫婦を惨殺し、現場に「怒」という血文字を残して行方をくらました犯人。 その後、港町で暮らす父娘、大企業に勤めるゲイの男、沖縄に転居した女子高生の前に、身元不詳の3人の男が現れる。 彼らは男を受け入れるが、テレビでの公開捜査をきっかけに、犯人ではないかという疑念が芽生え始める。 ...
夫婦を惨殺し、現場に「怒」という血文字を残して行方をくらました犯人。 その後、港町で暮らす父娘、大企業に勤めるゲイの男、沖縄に転居した女子高生の前に、身元不詳の3人の男が現れる。 彼らは男を受け入れるが、テレビでの公開捜査をきっかけに、犯人ではないかという疑念が芽生え始める。 相手のことを信じたいけれど、信じられない。 相手から信じてもらいたいけれど、その方法が分からない。 何が分かれば、信じられるだろうか。 自分をさらけ出すことだろうか。 でも、相手のことを信じられなければ、そんなことはできない。さらけ出して傷つくのは怖い。 この小説では、相手のことを信じた人と、信じられなかった人が、それぞれの結末を迎える。 続きが気になるストーリー展開というだけでなく、信じるということの難しさを描いた、いい小説だと思った。
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生々しい、人間ドラマ。松本清張にも通じる。辛い話しだが、そこまで読んでて暗くならない。誰が本物なのかわからない。
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映画化されて気になっていたので読んでみました。三人の怪しい人物と周辺の人達の生活の描写がそれぞれ書かれていますが、まだ全然誰が犯人なのかはサッパリです。
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ここで終わり?長かかった割にこれで? というのが読後の印象。Audibleで読んだが、正直、退屈な時間が長かった。自分としては盛り上がりに欠け山場がなかったからだと思う。
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気分が滅入る テーマは人を信じる事の難しさ ミステリーというよりヒューマンドラマです。 ミステリーという点ではスッキリしません(笑) 上巻では 身元不詳の三人の男の状況、それぞれの人間関係が語られるのがメイン 若い夫婦が自宅で惨殺され、現場には「怒」の血文字が。 その犯人は山...
気分が滅入る テーマは人を信じる事の難しさ ミステリーというよりヒューマンドラマです。 ミステリーという点ではスッキリしません(笑) 上巻では 身元不詳の三人の男の状況、それぞれの人間関係が語られるのがメイン 若い夫婦が自宅で惨殺され、現場には「怒」の血文字が。 その犯人は山神27歳と判明しますが、山神は逃亡、捜査は難航。 そして、事件から1年後の夏という設定。 千葉の港町で暮らす洋平・愛子の親子の前に現れた田代 東京の大手企業で働くゲイの優馬が出会った直人 沖縄の離島で母と暮らす女子高生の泉とその友達辰哉が知り合った田中 逃亡している山神はどこにいるのか? この三人の中に山神はいるのか? といった展開です。 上巻ではそれぞれの人間関係が日常から語られていきます。 愛子の境遇、ゲイの世界、沖縄の現状などが語られますが、盛り上がるところはありません。 なので、下巻に続く
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2019.12.22 【感想】 下巻への伏線 【好きな言葉・表現】 「俺なんかもう、こうやって楽しんでるふりしているのが純粋に楽しいってレベルまできてますからね。いや、マジで。」(P47)
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【感想】 何年か前に見た映画の原作。 正直だれが犯人だったかはさすがに覚えていたのでドキドキはなかったが、本で読んでも面白かった。 特筆すべきは、やはり優馬と直人の友情(愛情?)だろう。 映画も面白かったが、原作もそれがフラッシュバックして読み易く、また曖昧にしか覚えていない箇...
【感想】 何年か前に見た映画の原作。 正直だれが犯人だったかはさすがに覚えていたのでドキドキはなかったが、本で読んでも面白かった。 特筆すべきは、やはり優馬と直人の友情(愛情?)だろう。 映画も面白かったが、原作もそれがフラッシュバックして読み易く、また曖昧にしか覚えていない箇所も多数あったので楽しめた。 感想は後半に。 【あらすじ】 殺人事件から1年後の夏。 房総の漁港で暮らす洋平・愛子親子の前に田代が現われ、大手企業に勤めるゲイの優馬は新宿のサウナで直人と出会い、母と沖縄の離島へ引っ越した女子高生・泉は田中と知り合う。 それぞれに前歴不詳の3人の男…。 惨殺現場に残された「怒」の血文字。 整形をして逃亡を続ける犯人・山神一也はどこにいるのか? 【抜粋】 1.「疑ってんじゃなくて、信じてんだろ?」 なぜか優馬は何も言い返せない。 「わかったよ。なんか言って欲しいんだよな?だったら言うよ。『信じてくれて、ありがとう』。これでいいか?」 2.当時、優馬は少し遅い反抗期だった。 成績が上がらないのを狭いアパート暮らしのせいにし、自分の部屋がないからだと言った。 必死に勉強している横でお袋が編み物をしているから気が散るんだと八つ当たりをした。 その日から、母は夜外出するようになったが、どこに行っているのかなど気にもせず、清々とした気分だった。 それがある夜、母の居場所を知った。 母は近所の神社にいた。境内の冷たい石段でマフラーを編んでいた。 【メモ】 怒り 上 p145 「ただ、俺お前のこと全く信用してないから先に言っとくけど、もしこの部屋の物をお前が盗んで逃げたら、遠慮なく通報するから」 (中略) 優馬が話し終えても、直人は返事もせず振り返りもしない。 「なんか言えよ」と優馬は言った。 面倒臭そうに振り向いた直人が、「なんかって?」と訊いてくる。 「なんかあるだろ?お前のこと、疑ってんだぞ。泥棒扱いしてんだぞ」 優馬の言葉を直人は鼻で笑った。そして「疑ってんじゃなくて、信じてんだろ」と真顔で言う。なぜか優馬は何も言い返せない。 「わかったよ。なんか言って欲しいんだよな?だったら言うよ。『信じてくれて、ありがとう』これでいいか?」 もしかすると直人が言うように、「俺はお前を疑っている」と疑っている奴に言うのは、「俺はお前を信じている」と告白しているのと同じことなのかもしれない。 p268 「とにかく、またあとで連絡するよ」と直人からの電話を切ると、まず深呼吸した。慌てるな、慌てるなと声を出す。 レンタカーの予約。主任へ電話して事情を説明。イベントの準備は終わっているので、あとは部下に任せられる。パッキング。チェックアウト。やるべきことは次々に浮かんでくる。ただ、何か忘れているような気がして、一瞬息を呑む。 母が死ぬ。母が死ぬのだ。 一番肝心なことを忘れていた事に、はっとした。 p276 「もう、ちゃんと泣いた?」 ふいに直人に訊かれ、「ん?」と優馬は頭を起こした。 「泣いた方がいいよ。我慢したって、いつかは泣くんだからさ」 優馬は何も答えずに立ち上がった。葬儀場へ戻るつもりで玄関へ向かった。その瞬間、母の姿が蘇る。 母は無理をして私大の付属高校を受験させてくれた。大学に通っていた兄もバイトで家計を助けてくれた。 当時、優馬は少し遅い反抗期だった。成績が上がらないのを狭いアパート暮らしのせいにし、自分の部屋がないからだと言った。 必死に勉強している横でお袋が編み物をしているから気が散るんだと八つ当たりをした。その日から、母は夜外出するようになったが、どこに行っているのかなど気にもせず、清々とした気分だった。 それがある夜、母の居場所を知った。母は近所の神社にいた。境内の冷たい石段でマフラーを編んでいた。 我慢できずにしやくり上げる優馬の肩に、直人の手が置かれた。優馬は恥ずかしくなり、その手を払った。直人が部屋を出て行こうとする。 「どこ行くんだよ?」 「外にいるよ」 境内の石段でマフラーを編んでいた母の姿がまた浮かぶ。 「いいよ。いてくれよ」 どうしてあの時、母に声をかけられなかったのだろう? どうして謝れなかったのだろう? ただ、自信がなかった。自信のない息子に追い出された母までが、ひどく惨めに見えて仕方なかったのだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読み始めてすぐに「あの事件?」と気づきました。三人の身元不明の男のうち誰が犯人なのか、事件を知っている人なら予想できるので、ミステリーの要素は少ないのですが、それでも十分楽しめます。特に愛子の父親の娘を思う複雑な気持ちには非常に共感しました。個人的にはゲイカップルの話はピンと来なかったです。
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映画版を観てあまりの完成度の高さに衝撃を受け、原作も読んでみることにした。人が人を信じるに足るだけの理由とは何だろう。なぜ、人は誰かを信じたいと願うのか。きわどいと捉えられるような性描写が作中でとりあげられているのも、人と人とが関わりながら生きていくことの難しさを強調しているよう...
映画版を観てあまりの完成度の高さに衝撃を受け、原作も読んでみることにした。人が人を信じるに足るだけの理由とは何だろう。なぜ、人は誰かを信じたいと願うのか。きわどいと捉えられるような性描写が作中でとりあげられているのも、人と人とが関わりながら生きていくことの難しさを強調しているように感じた。「信じていたから、許せなかった」という台詞が印象的だった。
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