語彙力こそが教養である の商品レビュー

齋藤孝(著者)

2021/01/02

久々に齋藤孝先生の本。これもブックオフ100円購入のストック本。
自分にとっては、齋藤先生は活きた国語の先生的存在だ。毎度のことながら、こうして読書を通じて受ける齋藤先生の国語の講義（と自分は捉えている）は、非常に楽しくて啓発的。

どうして楽しくて啓発を受けるのかというと、やはり齋藤先生の読書量が豊富で読んだことのない本のことを興味深く紹介してくださること、齋藤先生の読書に対する思いが強く伝わってくること、そして話がわかりやすいからだろう。

本書の構成
第１章　教養は言葉の端々に表れる
第２章　語彙力アップには名著が近道
第３章　テレビやネットでも言葉は磨ける
第４章　８つの訓練で「使える語彙」にする
第５章　洗練された言葉づかいを身につける

第１章は、「すごい」とか「やばい」とかそんな言葉ばかりでも生活していけるが、もっと自分の表現の幅が広がれば、周りの信頼も得られるし、何より自分の見える世界が変わるということを言われる。

第２章は、王道、読書のススメですが、語彙力アップの最短コースとして、次の６点がオススメだった。
・「ドストエフスキー」
・「ミステリー
・「三国志」
・「論語」
・「仏教」
・「シェイクスピア」

第３章は方法論。次の７点を推奨。
・「歌詞」
　→歌詞の中の「言葉」に注目するとは想定外でした。
・「インターネッと」の活用
・「アマゾンレビュー」
　→読者のレビューに秀逸がある。
・「テレビ」
　→よい番組をセレクトして収録し、後から倍速で見る
・「ドラマの脚本」
・「映画の字幕」
・ツールの活用（電子辞書、タブレット端末）

第４章の「８つの訓練」が何をさすのか、まとめられていなかったように思う。読み損ねたかもしれないが、自分なりに次の８つかなと整理（間違っていたらゴメンナサイ）。
①オウム返しでインプット＆アウトプット
　→会話中の相手から出た言葉をオウム返しに使って瞬間的に自分のものとする
②アウトプット５回の法則
　→覚えた新しい表現を現場で５回以上使ってみる
③セレクト音読
　→名作の名シーンなどを切り取って声を出して読んで見る。
④登場人物や語り手になりきって音読
⑤小説、古典、名著の素読
　→精読（意味をじっくり考えて読む）前に、文豪の表現をまるごとインプットするイメージ（日本人では漱石、ドイツ人ではルター、ゲーテが著者の推奨）。
⑥落語や漫才から「笑いの語彙」をコピーする
⑦パートナーを見つけて難しい語彙をひたすら交わす
⑧四コマ漫画で要約力を身につける

第５章　プラスアルファ。
自伝を読むことや、譬喩で表現してみること、言葉が時代とともに変化するということなどについて述べられていた。

2020/12/04

英語学習に没頭する毎日を送っていたことで、日本語能力が著しく低下している気がしてならなかったため、語彙力を題材にしている本書を手に取った。本書の序盤では、日本語の90%を理解するのに必要な語彙数が1万語なのに対し、スペイン語は2千語足らずで同程度理解することができるという衝撃の事実を知らされることで、日本語がいかに語彙重視の言語であるかを知った。中盤では、語彙力を向上させるための様々なツールや手段が紹介されており、勝海舟の『氷川清和』は友人の愛読書であり本書でも紹介されていたため、是非読んでみたいと思った。終盤では、マイコドリの比喩を用いて語彙力のある男性が生存戦争のトップに君臨する世界を提唱しており、全体を通してユーモラスな一冊に仕上がっていた。良好な人間関係を築くためには、十分な語彙力やアウトプットの力が求められるということを再度実感できる作品であった。

2020/12/03

久しぶりにこれ程の読み手に語彙の強化をそそらせる本に出会いました。
読んでいる時間はあなたにとって有意義な一時であること間違いなしです。

2020/11/10

再読。語彙は知的好奇心に比例する。たしかに、見たものや感情を表現できる色が多い方が豊かだと思う。語彙をシチュエーションとセットで覚えられるようにしよう。

2020/10/22

語彙力がない＝複数のことがらを一つの言葉で表現する。「やばい」「かわいい」「まじ」など。
日本語を理解するために必要な語彙数は約1万。英語は3000語、スペイン語フランス語は2000語程度。
カタカナ、同氏の組み合わせなどがあるため。（咲き乱れる、など）
大学生の平均は5万語。広辞苑には24万語の語彙がある。

素読すると語彙が増える。
三年後の稽古＝相撲の世界。今やる稽古は3年後のため。
慣用句、四字熟語を覚えて、アウトプットする。
『枕草子』エッセイ集、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』『白痴』『悪霊』『未成年』、『三国志』『草枕』、『福翁自伝』、勝海舟『氷川清話』『夢酔独言』
ニーチェ『ツァラトゥストラ』を読んで、ニーチェ風のエッセイを書く。

2020/10/22

Twitterで見かけて、語彙力こそが教養ってどういうことなんやろと気になったので。

語彙力を増やすためには質の良いインプットとアウトプットを根気強くすること、という内容。

語彙力を増やすためのインプットというと読書がメインであげられることが多いかと思いますが、本書では読書だけでなくテレビドラマや映画、インターネットも有効だと。あまり読書しない人たちにも支持されやすそうですね。

アウトプットは素読が良さそうですね。
なかなか声に出して本を読むことはないですが、やってみたいです。

ちょっと主題とはズレますが、ビジネスの場でやたら小難しい慣用句ばかり使うのはいかがなものかと思いました。
同じ語彙レベルの人たちばかりであれば問題ないと思いますが、会社にはいろんなレベルの人がいますし、みんなが理解できるよう分かりやすく伝える、というのも教養だと思います。ただ難しい言葉を多用するのは、単なる自己満かと。。

また、最後に「イケメンでも中身すっからかん男でいいのか？」と書かれてますが、高学歴・高級取りの男性もモテるので、イケメンであればなんでもOKというわけではないと思いますよ。
もちろん高学歴=教養があるわけではないですが、勉強ができない人よりは多くのことを知ってると思います。

勉強にはなりましたがあんまり共感はできませんね。
ただ、面白そうな本がたくさん紹介されているのでその点はとても良かったです。ほしい本が充実しました。

以下メモ
・語彙は自分の知識レベルを映し出す
・アウトプットのゴールは、インプットした内容を気に留めて実践する。
・良い比喩とは、映像や音、匂いが頭に浮かぶこと

2020/06/07

読んでいる最中にも知らない語彙がいくつか出てきて、自分の語彙力の無さに気づかされた。
自分の語彙力は一般大学生よりはあると思っていたが、社会人と比べたらまだまだだ。これから就活を始めるにおいて読んでおいてよかった一冊。
人とうまく意思疎通を図るために、会話にユーモアを持たせるために、私は語彙力を磨きたい。そのために「寸暇を惜しんで」本や映画などからインプットを増やしていく。

2020/05/18

改めて語彙力の大切さに気づかされました。
本書で紹介されていた書籍を読んで語彙力の底上げをしようと思います。

2020/05/12

読書をしているのに読書したくなる不思議な本。齋藤先生の書き方って、私たち読者に寄り添っていてほんとうに読みやすい。

2020/05/02

請求記号 S814-カド-K-56（新書）
資料番号 300632726

新潟医療福祉大学図書館　蔵書検索（OPAC）
https://library.nuhw.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=1000124620&opkey=B158835802828001&start=1&totalnum=11&listnum=4&place=&list_disp=50&list_sort=6&cmode=0&chk_st=0&check=00000000000