芸術と科学のあいだ の商品レビュー
僕は「あいだ」が好きだ。なぜなら「あいだ=間」に物事の本質があると常々思っているからだ。二項対立が本質ではない。このような感覚を僕に教えてくれた1人が本書の著者である福岡伸一氏である。同氏の著書に「生物と無生物のあいだ」という本があるが、本書と合わせてそちらも読んでみると、より味...
僕は「あいだ」が好きだ。なぜなら「あいだ=間」に物事の本質があると常々思っているからだ。二項対立が本質ではない。このような感覚を僕に教えてくれた1人が本書の著者である福岡伸一氏である。同氏の著書に「生物と無生物のあいだ」という本があるが、本書と合わせてそちらも読んでみると、より味わい深ク楽しめるだろう。
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ときどき、筆者がつくったモノとモノの間にある因果関係がよくわからなかったが、これが腑に落ちたときに私も科学者との対話に太刀打ちできるのかなと思った。 とにかく、いろいろアイデアがあって使えそうなものが多かった。こんなに物事同士のつながりを見つけられるなんて、この人の頭の中の引き出...
ときどき、筆者がつくったモノとモノの間にある因果関係がよくわからなかったが、これが腑に落ちたときに私も科学者との対話に太刀打ちできるのかなと思った。 とにかく、いろいろアイデアがあって使えそうなものが多かった。こんなに物事同士のつながりを見つけられるなんて、この人の頭の中の引き出しはどうなってるんだ?!とめちゃくちゃ気になった。普通に聞いてみたい。
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福岡伸一さんの目線による、 芸術を科学の視点で敢えて捉える見解。 芸術家は、自分の世界の捉え方を芸術という表現で表し、 科学者は、自分の世界の捉え方を理論で表現している。 二者は、とても近い関係にあるのだなと感じさせてくれる本。
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福岡さんがこんなに芸術(特にフェルメール)好きだったとは知らなかった! 福岡さんが絵画から受け取るもの、その書き方がとても素敵。
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螺旋とは進化の内向的運動であり、生命の志を具現化したデザインらしい。 螺旋の殻を持つアンモナイトは分布領域が広く短期間に栄え、急速さ故に滅び示準化石となり人類に対しての暗示となるようだ。 人類は芸術という名の化石を遺していくのかもしれない…
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間借り本屋トカクで取り扱っている本の紹介 芸術と科学、文系と理系、2つは離れているようにみえるのは、日本の教育制度がそう切ったから。日本以外に、わざわざ相反するものとして分けた国などない。 そんな簡単な話じゃないのに。 本書は別に、それに対する意見とか批評とかをする本ではないと...
間借り本屋トカクで取り扱っている本の紹介 芸術と科学、文系と理系、2つは離れているようにみえるのは、日本の教育制度がそう切ったから。日本以外に、わざわざ相反するものとして分けた国などない。 そんな簡単な話じゃないのに。 本書は別に、それに対する意見とか批評とかをする本ではないということは申し添えておく(冒頭にちくり、といっているだけ)。 P4引用 『常々感じることがある。日本の教育制度が、かなり早い段階で 中学と高校とかのレベルで文系向き、理系向きという区分を作って 仕分けをしてしまっていることは大いなる問題だ(略) 大学で教えていると、文系学部の学生の中に、いわゆる理系的セン スが優れている人をたくさん見かける。(略) キーウイフルーツの断面を見て、その外のかたちや 種の配列 数から、それが縦方向に切られているか、横方向に切られ ているか、あるいは斜め方向からか、斜めだとすると、キーウイのと のあたりが切られたものなのか、ばっとイメージできるセンス。これ は科学で要求される大切なセンスだ。でも数学や物理の計算が得意と いうのとはまた違って、どちらかといえばアーティスティックなセン スである。 美を求めるセンスといってもいいかもしれない。』 芸術面は、とりあえず著者のひとがフェメールオタクということはわかった(画家のフェメールさんの話がよくでてくるなーと思ったら自身で明言されていた)。 科学のほうは、一番の衝撃がアンモナイトの殻の構造について。 は?あれ、貝みたいに単なる模様じゃなかったの? オウム貝と同じじゃないの? とおもっていま調べたらオウム貝もあれ殻の全部が居住区じゃないの? まだまだはじめてしることばかりだ。 P143 引用 『状態のよいアンモナイトの化石をスパッと二つに割ると、 その断面には数学的な規則性をもって隔壁が並び、 小部屋が 連続しているさまを見ることができる。このことからアンモ ナイトは貝ではなく、イカのような身体をらせんの一番外側 の部屋にひそめ、あとの小部屋は空気室として浮力を得るた めに使って海中遊泳していたとされる。その証拠に隔壁に は液体と気体を交換できる細い通路が開いている。』
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
科学者が芸術を語る。前置きとして、文理にはっきりわけて芽をつみとるのはもったいない。理系的センス=空間認識美を求めるセンス。 基礎力を基礎学力に例える。
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福岡伸一氏の美術に対する感性の豊かさに驚いた。螺旋や時間に対する視点が随所にちりばめられていて、新たな見方を学んだ。
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科学者としての視点もあるけれども、個人として芸術を多面的に味わっていらっしゃるのがとても伝わってくる一冊。 福岡さんの思考の行間に、自分の思いを巡らせる。 昆虫の生に寄り添い観察したファーブル 実は日系人が手掛けていたことを知った「世界貿易トレードセンター」 フェルメールのみ複...
科学者としての視点もあるけれども、個人として芸術を多面的に味わっていらっしゃるのがとても伝わってくる一冊。 福岡さんの思考の行間に、自分の思いを巡らせる。 昆虫の生に寄り添い観察したファーブル 実は日系人が手掛けていたことを知った「世界貿易トレードセンター」 フェルメールのみ複数ページに渡る紹介 聖ブリギットの十字架、チョウ、アンモナイト、DNAの螺旋 遺伝子の配列 河原温の、ただただ続いていく日付という数字 ぞっとしたのが、ジグゾーパズルの最後のピース。 見つからなければ送ってくれる、とするメーカーにはその一つのピースを取り囲む8つのピースを送ると、最後のピースを合わせて全部で9ピースを返送してくれるという。 それは、同時期に印刷されたものだけれどもその「ジグゾーのパーツではない」し、ジグゾーは完成するかもしれないが「後からやってきたピースで完成するパズル」だ。 ジグソーパズルは完成してこそ作品だとするなら、一つ欠けているのは不完全なのか? あと一つ、という場所を残してあるだけで、それこそ「DNAが違うパーツを当て込む」ようで、なんだかその「もらったパーツをパズルに当てはめる」という行為が、そもそも入れ替えの効く人間のようで、切なかったり悲しかったり、無機物的に感じたり。
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写真と小文。サラッと読める。太古の昔からある、自然の中のらせんや、意匠としてのらせんについて書かれている箇所があるけれど、「ジョジョ第7部スティール・ボール・ラン」のらせんと通じるものがあるのかもしれない。
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