株式会社タイムカプセル社 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
喜多川泰さんの処女作『賢者の書』が発表されて10年が経つ記念の年に発表された最新刊。 よく小学生や中学生のころ、何年か後の自分に宛てた手紙や当時の思い出の品をタイムカプセルの中に入れて、10年後の同窓会で掘り返そう!というイベントを聞いたことがある。 今回のストーリーは、タイムカプセルを土に埋めるのではなく、ある会社に預けて10年後に配達するというシステムで経営している会社が、普通郵便で配達することができなかった配達困難者の現在の居住地を調査して、ここぞというタイミングで本人に手渡し、その人の人生を前向きにするきっかけになるというストーリー。 配達困難者は、訳ありな人が多く、普通郵便で配達できる人よりも、10年前に将来の自分に宛てて書いた手紙を必要としている人が多い。 それは、人生に挫折してふらふらしていたり、夢に破れて行き詰まっていたり、妻や子どもとの関係が悪くなっていたり、10年前に明るい未来を想像していた気持ちとはかけ離れた生活をしていることが多いから。 人の人生は10年も経てば大きく変わってしまう。 でも、例え悪い方向に変わってしまっていたとしても、人生はいつでも何度でもやり直すことができる。 そのきっかけになるものが、過去の自分が今の自分に宛てて書いた手紙だったら、どんな気分だろう。 この10年間の自分の生き方を悔やんで、10年前の自分に申し訳ない気持ちになるのか、それとも何もわかっていない10年前の自分が哀れに思えるのか、自分の手紙だからこそ、忘れていた思いを思い出して新たな一歩を進み始めることができるのか。 10年なんて振り返ってみれば、あっという間だが、これから先の10年を思うと、ずいぶん先の話に感じられる。 今までタイムカプセルのようなイベントを経験したことはないけど、10年後の自分に手紙を書くのもおもしろそうだなと思った。 10年後、46歳。 人生楽しんでそうでワクワクする。 でも、そんなワクワクするような10年後にするには、これからの10年間、ワクワクし続けることと、家族との関係、仕事やお金、趣味や友達との関係をバランス良く生活していく必要がある。 限りある人生、楽しく豊かに生きられるように、目の前のことにワクワクした気持ちで取り組んでいこうと思った。
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相変わらずの喜多川ワールドで、今作も楽しませてもらいました。随所に、喜多川先生が講演やCDなどで語られている話題も登場してきて、楽しかったです。タイムカプセルやってみようかなと。
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株式会社タイムカプセル社 会社が倒産し、家族も家を出ていった新井英雄が、再就職先に選んだ会社はタイムカプセル社。 数年後の自分に宛てた手紙を届ける会社。英雄はそのなかでも、なんらかの理由で手紙が帰ってきてしまったものを、本人に手渡しで届ける担当となる。 先輩となる海人と行動...
株式会社タイムカプセル社 会社が倒産し、家族も家を出ていった新井英雄が、再就職先に選んだ会社はタイムカプセル社。 数年後の自分に宛てた手紙を届ける会社。英雄はそのなかでも、なんらかの理由で手紙が帰ってきてしまったものを、本人に手渡しで届ける担当となる。 先輩となる海人と行動をともにし、人にはそれぞれの事情や人生があると知る。 喜多川さん、10年目の作品。 今回も涙です!
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