12人の蒐集家/ティーショップ の商品レビュー
セルビアの作家の作品。全く知らない作家さんでしたがブク友さんレビューで見かけて気になって、初読み。 不条理、幻想ものなのに読みやすい。ロアルド・ダールっぽい……?(と言えるほどダールも読んでいませんが)書いてあることそのまま受け取ってそのまま怖さも含めて楽しめる感じが似ていた...
セルビアの作家の作品。全く知らない作家さんでしたがブク友さんレビューで見かけて気になって、初読み。 不条理、幻想ものなのに読みやすい。ロアルド・ダールっぽい……?(と言えるほどダールも読んでいませんが)書いてあることそのまま受け取ってそのまま怖さも含めて楽しめる感じが似ていたような。 幻想連作短編としては、「蒐集家」をテーマにした時点で、一定以上の「狂気」は確保されるし、そして意外と一定以上の「共感」も得られるのではないだろうか。何の蒐集家を描くか。蒐集を巡ってどんなドラマが生まれるか。そして結末は。短編小説コンテストが開けそうなテーマだ。 印象に残った章のメモ。 ・「日々」→とあるケーキショップの特別メニューの対価は過去の日々。このケーキ、すごく美味しいみたい。一度くらい、食べてみたい。一度でやめられるだろうか……。 ・「爪」→爪切りで切った自分の爪を集める人の話。この蒐集はやろうと思えばできそうだしなんだか最も親近感を感じた。結論はちょっと意味わからなかったけど。 ・「夢」→「あなたの今見た夢を譲っていただきたいのですが」こういう電話かかってきたら面白いかも。 ・「死」「希望」→「あなたの死/希望を譲っていただきたいのですが」これは持ちかけられたときに冷静な判断ができない状態かもしれないけど、今日読んだこのお話の結末をゆめゆめ忘れずにおきたいものだ。
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武邑の紹介。現実と虚構が混じり合うような小説とのこと。 12人の蒐集家の方が面白かった。紫がモチーフ。 Eメールを蒐集するおじちゃん可愛い笑、メールに生真面目に返信する人を想像すると、善ってなんだろうって感じ 自分の写真を蒐集する男、ことばを蒐集する男→面白そう! 死の蒐集家: ...
武邑の紹介。現実と虚構が混じり合うような小説とのこと。 12人の蒐集家の方が面白かった。紫がモチーフ。 Eメールを蒐集するおじちゃん可愛い笑、メールに生真面目に返信する人を想像すると、善ってなんだろうって感じ 自分の写真を蒐集する男、ことばを蒐集する男→面白そう! 死の蒐集家: もっともすばらしい日を繰り返し永遠に生きること、と死を交換 夢の蒐集家 「芸術と同様、夢にも才能が必要とされ、才能ある夢見人はめったにいない。」p.65
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※このレビューにはネタバレを含みます
奇妙なものを蒐集する蒐集家たち……なにかと紫色してて面白かったです。 蒐集するものがそのものだったり、何かの対価として貰い受けるものだったりと違いはあるけど、コレクションが偏執的だとすればどこかしら悪魔的な様相を呈してくるんだなと思いました。日々とか夢、死、希望を蒐集してるのは明らかに魔。 ひえぇ…と読んでいたら「ティーショップ」はなんだか様子が違っていてこちらも面白かった。でもこのお店の語り部たちも魔なんだろうと思う。対価としてこの先、彼女は物語られるのかもしれないな。
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ファンタスチカと呼ばれるジャンルがあるらしいのだが、本書はまさにそれだと思う。所謂「純文学」ともファンタジーとも異なる、不思議な読了感だ。不条理で奇妙奇天烈な世界をありふれた日常茶飯事のように思わせる作者ジヴコヴィッチ(及び翻訳者の山田順子さん)による"魔術"...
ファンタスチカと呼ばれるジャンルがあるらしいのだが、本書はまさにそれだと思う。所謂「純文学」ともファンタジーとも異なる、不思議な読了感だ。不条理で奇妙奇天烈な世界をありふれた日常茶飯事のように思わせる作者ジヴコヴィッチ(及び翻訳者の山田順子さん)による"魔術"は見事だと思う。 ところで、私が所有している本書には「東欧のボルヘス」という文句が書かれた帯が付いていたのだが、このボルヘス未読の者にはまったく理解も共感もできない文句にはいささか疑問を覚えた。
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訳者あとがきにもある通り、 「読んでいくうちに、床だと思って歩いていたら、いつのまにか床が天井になって逆さまになって逆さまになって歩いていた、という感覚を味わえることまちがいなし」 である。 奇妙な話ではあるが、すんなりと話に入れる。 私はおもしろかった!!!
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タイトルと表紙が気に入って購入。 「12人の蒐集家」 12編の連作。短編なのもあって軽く読めるけど、 分かるような、分からないような... うーん。 中編「ティーショップ」 こっちの方が好き。 あとがきに「床だと思って歩いていたら、いつのまにか床が天井になって逆さまになって歩...
タイトルと表紙が気に入って購入。 「12人の蒐集家」 12編の連作。短編なのもあって軽く読めるけど、 分かるような、分からないような... うーん。 中編「ティーショップ」 こっちの方が好き。 あとがきに「床だと思って歩いていたら、いつのまにか床が天井になって逆さまになって歩いていた」とあるように、 読んだ後、最初から読み返した。
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セルビア(ユーゴスラビア)生まれというので手に取ったが、ひどかった。確かに奇妙で不思議な世界だけど、そういう風呂敷被っているだけで中身が全然ない。しかも似たような話の羅列。聞いたことあるような内容ばかりだし、それが気にならないほどのインパクトもなし。これだったらゴシップサイト見て...
セルビア(ユーゴスラビア)生まれというので手に取ったが、ひどかった。確かに奇妙で不思議な世界だけど、そういう風呂敷被っているだけで中身が全然ない。しかも似たような話の羅列。聞いたことあるような内容ばかりだし、それが気にならないほどのインパクトもなし。これだったらゴシップサイト見てた方が有意義。中学生位なら惹かれたかも。でも今の自分には怒りしか浮かばない。
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むむぅ。 つい最近読み終ったエトガル・ケレット 著「突然ノックの音が」の感想に「面白い作品はもうとことん面白く、読み終ったあとに『うーん』と思わず唸り声をあげてしまうのだが、つまらない作品はどこをどう楽しんでよいのか皆目見当がつかないくらいにつまらない」と書いたのだが、まさ...
むむぅ。 つい最近読み終ったエトガル・ケレット 著「突然ノックの音が」の感想に「面白い作品はもうとことん面白く、読み終ったあとに『うーん』と思わず唸り声をあげてしまうのだが、つまらない作品はどこをどう楽しんでよいのか皆目見当がつかないくらいにつまらない」と書いたのだが、まさかそれと同じ感想を抱いた本を続けて読むとは思わなかった。 本書もまさに面白い作品とつまらない作品の落差がとんでもなく大きかった。 僕にとってつまらなかった作品は「12人の収集家」の半分くらい。 短篇12編で構成されているのだが、どれも意外な、あるいは唐突な終わり方をする。 星新一のショート・ショート的な印象を受ける作品が多かったんだけど、星新一の作品は意外な、あるいは唐突な終わり方であっても、それを納得させるだけの道筋がきちんとあるから、読み終った後にハタと膝を打って「そうきたか!」と唸らせてくれるのだが、本書に収められた作品にはその道筋が存在しない作品が多く、そうなると読み終ったあとに「だからなんなの?」あるいは「なんじゃそりゃ?」で終わってしまうのだ。 ところが、もう一つの作品「ティーショップ」が僕にとってはまさに極上の一品だったりする。 構成も物語の流れも、そしてグっとくるラスト・シーンも僕にとっては文句なし。 まさに読み終えた後にハタと膝を打って「そうきたか!」と唸ってしまった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
「コレクションとは結局のところ(人生を侵食する)空虚である」というのが作者の「コレクション」観らしいので、コレクターの方は読まない方が良いかもしれない。
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「ティーショップ」がより好みだった。さすがの東欧の想像力。蒐集された美しいことばってどんなことば?切り抜きを蒐集した元郵便局長やEメールを蒐集した元公文書館員には、何となくバートルビーの面影が。
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