マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ の商品レビュー

古内一絵(著者)

2023/09/29

　皆さんが結構読まれているこのシリーズ、やっとまとめて４作品借りられました！！ヒボさん、おすすめいただきありがとうござます(*^^*)

　物語の舞台は「マカン・マラン(インドネシア語で夜食という意味)」という小さなお店…。夜間のみ、きまぐれに開店し、ドラァグクイーン(女装パフォーマー)であるシャール（本名は御厨清純）が経営している（ちなみに日中はダンスファッションのお店となる）。もともとは、ダンスファッションのお店を手伝ってくれている人への賄いを作っていたのが評判を呼んでのことあった…。そんな「マカン・マラン」で繰り広げられた、４編の連作短編集…。

　シャールさんの作るお料理は、新鮮な食材を使って疲れた体を癒しながらも新陳代謝を高め、明日への活力が得られるような、そんなお料理で、訪れる人々を勇気づけてくれます。シャールさんの優しい心遣いもまた心をあたためてくれますよね～。シャールさんがここまで生きてきた道のりは平坦なものでは決してない、けれど、様々な経験をしている分、人の心に響く言葉かけを疲れた人々にしてあげられるし、それがシャールさんの周りに人が集まる理由になっているんだなぁ…と感じました。読んでいて、すっかり私もシャールさんの“トリコ”になってしまいました！ステキな作品だと思います。

2023/09/28

【きっかけ】
「名もなき読書家」さんがVoicyで紹介していたから。

【あらすじ】
ある町の路地裏にある夜食カフェ。
様々な悩みを抱えた人々が訪れると、出迎えるのは女装した男性、「ドラァグクイーン」。
滋養のある身も心も温まる料理を作ってくれて…。
疲れた心身に染み渡るほっこり小説。

【心に残ったところ】
◉『新しい鍋で作っても、使い込んだ鍋で作っても、味なんて変わらない、それこそ錯覚だと言う人は、大勢いるでしょうよ。でもね…」「わたしは、そういうのって、とっても大事なことだと思ってる」
◉『でもね、この世の中に、なにもかもから自由な人なんてどこにもいないわ。誰だって、自分の荷物は自分で背負わなきゃいけないのよ』
◉「共感も牽制も、同情も蔑みも、表裏一体の感情だ。そうやって女同士の友情は、綱渡りのように危うい箇所を何度も渡りながら、それでも比較的穏やかに続いていくのだろう、…」
◉『苦しかったり、つらかったりするのは、あなたがちゃんと自分の心と頭で考えて、前へ進もうとしている証拠よ』

【感想】
こういう心の拠り所みたいなカフェが近くにあったらいいのになあ。
野菜や穀物などのいかにも身体に良さそうな食材をふんだんに使い、あたたかくて美味しそうな料理。
本からいい匂いや湯気が出てきそうな気がしてしまうぐらいの緻密な料理の描写がたまらん。
食べていないのに身体の調子が良くなっていくような気がした。
するっと美味しく（！）読めてしまう本。心の処方箋。

2023/09/25

サラサラと読み進められる、心地よい文章。
つむぎ出されるエピソードは、細やかでちょっと見過ごしがちだったり、引っかかっているけれどはっきり理解されないまま生活の中で流されてしまう核心部分をセリフに載せているような。
こんな仕事している　そのポジションの人たちは
確かにこんな感じかも。

p159 たとえば、仕事に悩み迷っているサクラのエピソードをひとつ
＊ そもそも見栄えする職場で働いて、鮮やかに結婚退職するなんて言う発想自体虫が良すぎる、とサクラは意地の悪い気持ちになる。
恐らく璃奈のほうも、それを自覚した上で愚痴を言っているだけなのだろう。世間からはみ出しつつあるサクラをまえに、密かな自己肯定感を得ている節だってある。
共感も牽制も、同情も蔑みも表裏一体の感情だ。
こうやって女同士の友情は綱渡りのように危うい箇所も渡りながら、それでも比較的穏やかに続いていくのだろうと　サクラは思う＊

心が傷ついた人たちが、シャールさんの夜食カフェにやってきて、その人柄と言葉、そして食事や飲み物に癒されていく。
そんなカフェに行きたいと思うか
シャールさんのような人になりたいと思うか

シャールさんのさぞかし過酷であっただろう人生
その苦しみを味わった果ての包容力とやさしさ
生きていく覚悟に、参ってしまう。

2023/09/23

シャールさんに会いたい！シャールさんのご飯が食べたい‼︎と、日常にシャールさんを探してしまいます。心が疲れた時、友人がプレゼントしてくれた大切な1冊。

2023/09/20

グルメや癒やされる作品で検索すると高確率で紹介されてるシリーズ。全4作品で、これは1作目
主人公が理不尽な現状からシャールさんのおかげで大逆転！ではなく、ほんの少し心や体が楽になる、理不尽との付き合い方を少しだけ変えて前が向けるようになるお話
ドラァグクイーンのシャールさんの言葉が重くて、でも優しくて癒やされる
そしてもう一つの特徴のまかない。個人的に絶対真似出来ないし中には想像しにくい本格的な外国のメニューもでてくるが、シャールさんが作ってくれたのならぜひ食べたい

2023/09/19

「当然よ。あたしたちは、なんだってできるのよ。」というシャールさんの言葉に、胸がじーんと暖かくなりました。
中学校教師である柳田さんとシャールさんのやりとりが面白かったです。
マカン・マランで流れる、シャールさんが選んだ音楽を流しながら、ゆっくり読みました。
幸せな気持ちになれる読書時間でした。
続きも読みたいです。

2023/09/21

よくわからん効用のあるお茶と体に優しい凝った料理を食べたくなった。

少し『お探しものは図書館で』に似てる気がした。
息が詰まりそうになっている人に優しさと生きるための言葉をくれる本。

2023/09/15

やっと図書館で回って来ました…。
疲れ果てている人、人との関わりが辛い人、空っぽな自分に落ち込む人…シャールさんの絶品料理が人々を癒やしてくれるのは、栄養の知識に基づいてその人に必要なものを補ってくれるからですね。シャールさん自身が、辛い人生に病まで背負って、苦しみを乗り越えてきたのでしょう。続編で、元気なシャールさんに会えますように。

2023/08/23

期待値高すぎたなぁ

似たジャンルを先行して読みすぎたかも。
他の料理で解決系と比べてとても良い点を見出せなかった。

2023/08/14

深夜にしか営業しない「マカン・マラン」
そこはショッキングピンクのボブウイッグとドレスに身を包んだドラァグクイーン「シャール」さんが美味しい料理と優しい言葉で癒やしてくれる奇しくも不思議なお店。

連作４話、絶品料理にお腹が鳴ります(⑉︎• •⑉︎)
仕事に行き詰まり、知らず知らずのうちに体調を崩したそれぞれの登場人物。
常連さんあり、導かれるようにやって来た一見さんありで皆んなの悩みに素敵な言葉で答えをくれます。

シャールさんほんと素敵♪
わたしもマカン・マランで美味しいお茶と料理を食べながらシャールさんとお話した〜い‹‹\(´ω` )/››