マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ の商品レビュー
シャールさんの言葉のひとつひとつがまっすぐで、心にすっと入ってきた。 こういう言葉を紡げる人になりたいし、シャールさんに会いたい。
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■物語を読み終え、本を閉じた後にじんわりと読了感が育つ一冊 「ドラァグクイーン」というワード、この本で初めて知った。 一人暮らしをしながら働き始めてしばらくして、キョーレツに個性的な店主が営む、常連さんが集う場所に夜に足しげく通っていた頃を思い出した。 ネット時代、人とのか...
■物語を読み終え、本を閉じた後にじんわりと読了感が育つ一冊 「ドラァグクイーン」というワード、この本で初めて知った。 一人暮らしをしながら働き始めてしばらくして、キョーレツに個性的な店主が営む、常連さんが集う場所に夜に足しげく通っていた頃を思い出した。 ネット時代、人とのかかわり合いが億劫になる傍ら、シャールさんのような店主の居る場所で自らの居場所として感じながら過ごせる時間と空間、想像しただけでとても温かく愛おしい気持ちになる。 マカンマランシリーズは4巻あるようなので、残りの3巻分もぜひ読みたい。
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シャールの優しい言葉と料理にこっちまで心が温かくなりました。色々な悩みを抱える登場人物に向き合い、その人に合った体に優しい料理を作る夜食カフェ。素敵すぎます!
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前からきになっていてやっと読めました。 こんな隠れ家のカフェがあったら行きたくなりますね。 個人的にはシャールと同級生の先生の掛け合いが面白かったです。
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心温まる系を読みたくて選書。 ドラァグクイーンのシャールが経営するのは、昼はダンスファッション専門店、夜は夜食カフェという変わったお店。 そこに訪れるのは、早期退職者候補になった40代キャリア女性だったり、手料理を食べなくなった男子中学生だったり、仕事に意味を見出せなくなった20代女性ライターだったり。 それぞれが抱える悩みを、店主シャールがマクロビ料理と優しいアドバイスで解し、希望を与えてくれる。 最終話では、病気のシャールの復帰を願って、皆が食材を持ち寄りスープを作る姿にほっこり。無事シャールの手術が終わりますように。 シャールの言葉は、登場人物達はもちろん、読者の気持ちも軽くする。 マカン・マランのようなお店が近所にあったらいいのにな。
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シャールさんがとにかく魅力的な人物。 話の主人公は各話別にいてたまに覗かせるシャールさんの人間像や背景を読み取れるのが想像の余地もありよかった。 また、話も1話完結で読みやすい。 登場人物それぞれどこにでもいる心に穴がある人物で、一人一人の人生の葛藤や後悔、考え方などわかりやす...
シャールさんがとにかく魅力的な人物。 話の主人公は各話別にいてたまに覗かせるシャールさんの人間像や背景を読み取れるのが想像の余地もありよかった。 また、話も1話完結で読みやすい。 登場人物それぞれどこにでもいる心に穴がある人物で、一人一人の人生の葛藤や後悔、考え方などわかりやすく描かれていた為とても共感した。 またやりきれない出来事があっても怒ったり、はっきり伝えたりせず自分の中で悶々として終わる場面も多く現実だな~と思った。 各登場人物たちの悩みに対してシャールさんは自然で温かくわかりやすい言葉で語りかけてくれるので読者自身にも沁みた。2巻も読みたい。
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足りなければ、満たせばいい。 空っぽならば、埋めればいいのよ。 苦しかったり、つらかったりするのは、あなたがちゃんと自分の心と頭で考えて、前へ進もうとしている証拠よ。 冬に食べる温かいスープのように、じんわり広がるような話 落ち着ける店・場所があるのは、こんなにも心強い。
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夜食カフェと聞くだけで寄ってみたくなる。 生きづらさを乗り越えた感のあるシャールの言葉、もてなす料理に人は心打たれる。 自分にはどんな料理が出されるのかなと妄想してしまう。青山作品と似た印象あり。
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ドラァッグクイーンのシャールが不定期に開く、夜食を出すお店。そこで巻き起こる話、だなんて面白くないわけがない。 縁ある人しか訪れることができないシャールのお店「マカン・マラン」。 そこでその人にあったお料理を出し、悩みを聞いて、そっと後押しする。人生を変えられるお店。 ・春のキャセロール 電車を降りて帰宅中に貧血でうずくまるOLの塔子。そこにシャールが通りかかる。 そっと悩みを打ち明ける。会社につくして働き、いまだ独身。なのに、会社は早期退職者を募り、自分も対象になり焦る。 自分が会社につくしてきたのに、何も得られていないと悲しくなる。今までの自分は錯覚だったのか、と。 でも錯覚でいい、とシャールに励まされる。塔子は錯覚のまま、不確かな未来と付き合っていく決意をする。 ・金のお米パン 店主のシャールの元同級生、中学教員柳田の教え子璃久。 大震災の後も、仮設住宅に暮らしている友人がいることがわかり、ご飯を我慢し始める。 それを察知した柳田がシャールの元につれていく。ジャダ達に虫博士と璃久は迎え入れられる。 璃久がご飯を食べない理由を知り、大変な手続きを行い、中学生たちを仮設住宅へボランティアとして連れていく。 いつも頼りない若い先生たちも生き生きとしている。それをみて、副校長になってもいいか、と考え始める。 シャールの心温かい態度で璃久が少し変わったが、実際は気づいて動いたシャールの友達の柳田。柳田はやるときはやる男。 ・世界で一番女王なサラダ 契約ライターのさくらはたくさん記事は書くけど、自分の名前出すことはないし、依頼人の要望にあった内容を書かないといけない。 そんな時に、今までどこにもとりあげられていないお店を雑誌で特集することになり、シャールのお店に行く。 でも断られてしまう。雑誌の特集企画も変更になり、大手雑誌会社の理不尽な態度にさくらは落ち込む。自分は空っぽだ、と。 気づくとシャールのお店に着く。優しく迎えてくれるシャール。空っぽでもメインでなくても、自分の人生の女王だ、と後押しする。 状況が変わるわけではないけど、ちょっと優しく前向きになれる。 ・大晦日のアドベントスープ 地上げ屋幸也。シャールのお店の一帯を買収しようと動いている。 もう少しで買収できそうなところで、今までずっと気になっていたシャールのお店によく顔を出す白髪の老女がキーマンとなり、すべて白紙になる。 シャールが手術を受けることになり、成功は50%の確率。 元ヤンキーの妹分ジャダがシャールに会い、どう変わっていくか、という回想。シャールのかっこよさ。 そんなシャールがいつもお正月に作ってくれるアドベントスープを作って、シャールの帰りを待つ。 各章の人物もでてきて、なんだかほっこりする。
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優しい。あったかい。 ひとつの物語の主人公がマカン・マランに迷い込む感じ。何かをかかえて、どうしようもない気持ちを、受容してくれるシャールさん。 そして優しくあったかい料理に包まれてほわーんと癒される。 気持ちや情景が浮かぶような表現に、自分がそこにいるような錯覚を起こします。な...
優しい。あったかい。 ひとつの物語の主人公がマカン・マランに迷い込む感じ。何かをかかえて、どうしようもない気持ちを、受容してくれるシャールさん。 そして優しくあったかい料理に包まれてほわーんと癒される。 気持ちや情景が浮かぶような表現に、自分がそこにいるような錯覚を起こします。なんだか本を読みながら料理のいい匂いがしてくるのです。不思議。 常連さんたちのかけ合いがクセになる。愛らしくて憎めない。 一気読みでした。シリーズ全部読みたい。読みます。
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