村上春樹 雑文集 の商品レビュー
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こういう文章を読むことで、自分の立ち位置を時々確認していくということは、私にとってとても大事なことだ。場所や環境が変わっても変わらない。やわらかな土を何度も何度も踏みしめ、その下にある地盤の揺るぎなさを確認するように。
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久しぶりの村上春樹。なんでまたこんなタイトルにと思ったけれど、理由はまえがきにも、文庫版あとがきにも書かれているので、まあそれでいいかという感じ。春樹さんは日本では講演会なども含めてあまり目立った場所には出られないけれど、海外ではそうでもない。それがどうも文章にも表れているような...
久しぶりの村上春樹。なんでまたこんなタイトルにと思ったけれど、理由はまえがきにも、文庫版あとがきにも書かれているので、まあそれでいいかという感じ。春樹さんは日本では講演会なども含めてあまり目立った場所には出られないけれど、海外ではそうでもない。それがどうも文章にも表れているような気がする。海外での講演や雑誌などに向けて書かれた文章の方が、どうもストレートで思いがはっきりと伝わってくる。「壁と卵」はもちろんだけれど、アメリカの雑誌向けに書いて結局採用されなかったという「地下鉄サリン事件」についての文章。これがとても分かりやすくて良かった。たぶん、予備知識のないアメリカ人が読んで分かるようにということなのだろうけれど、日本にいたって知らないこと、気づいていないことはいっぱいあって、そういう意味でていねいに書かれており気づきが多かった。柄谷行人のダジャレはいかがなものかと思うが、2人の間に何らかのつながりはあるんだろうか。このツーショットちょっと興味があるのだけれど。内田樹ともないなあ。河合先生や小澤征爾さんとのようなものがあってもいいような気がするんだけど。「ノルウェイの森」ビートルズの方だけれど、このタイトルもとは全然違うものだったとか。それでは放送できないということで、ジョンが即興の語呂合わせで変えたのだとか。この説が本当だったらちょっと面白い。
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エルサレム賞受賞の際のスピーチ、「卵と壁」だけのためでも、読む価値があると思う。 全体を通して、小説家としての使命感を強く感じる。漱石の「私の個人主義」を読んだときと同様の印象。 (2015.11)
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