とりかえばや物語 の商品レビュー
おそらくは女作者の書いた、女の夢。 田辺聖子さんの過不足のない美しい表現のおかげで物語の世界に引き込まれ、一気に読んでしまった。千年の時を経ても同じ物語に共感できるなんて、人間とは本当に不思議なものだなあ。
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面白かったです。とてもすらすら読みやすいです。男の子のような女の子春風と、女の子のような男の子秋風が、性別を偽ったまま出仕して…と、これが古典なことにびっくりでした。日本、自由だな。夏雲がダメ過ぎて笑ってしまいました。男に戻った秋風も…でしたが。春風をはじめ、描かれる女性たちがイ...
面白かったです。とてもすらすら読みやすいです。男の子のような女の子春風と、女の子のような男の子秋風が、性別を偽ったまま出仕して…と、これが古典なことにびっくりでした。日本、自由だな。夏雲がダメ過ぎて笑ってしまいました。男に戻った秋風も…でしたが。春風をはじめ、描かれる女性たちがイキイキしていて好きでした。男性陣は帝が一番素敵でした。昔も今も、わくわくしながら人々はこのお話を読んでいたのかなとか思うと面白いです。
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田辺聖子氏の古典を深く理解した上での、品格あるノベライズは絶品。 本作は、現代の男社会で働く女性にぴったりだった。性別など意識せず、実力で活躍する前半。「男の親友」から思いがけず女扱いを受け、まさかの妊娠。そして女性としての栄華を極める後半。 社会人として、女性として、どちら...
田辺聖子氏の古典を深く理解した上での、品格あるノベライズは絶品。 本作は、現代の男社会で働く女性にぴったりだった。性別など意識せず、実力で活躍する前半。「男の親友」から思いがけず女扱いを受け、まさかの妊娠。そして女性としての栄華を極める後半。 社会人として、女性として、どちらも充実させたいという思い、(ただし平安の女性には不可能)は時を越えて、心に迫ってくる。 なお、帯にあるような「ラブコメ」ではない。
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装丁が恥ずかしいが、これしかなかったので我慢。主要エピソードを良いバランスでピックアップしていて、短く軽く読みやすくし上がっている。あらすじを知りたい若者におすすめ。
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図書館で。 少し前に漫画で読んでいたのですが段々展開についていけなくなり断念。折角だから最後どうなったのか調べてみるか~と借りてみました。結構面白かったです。 大人しい男の子と活発でおきゃんな女の子ってのは昔から親世代の悩みの種だったんだなぁ…となんとなく実感。今の世の中男性が...
図書館で。 少し前に漫画で読んでいたのですが段々展開についていけなくなり断念。折角だから最後どうなったのか調べてみるか~と借りてみました。結構面白かったです。 大人しい男の子と活発でおきゃんな女の子ってのは昔から親世代の悩みの種だったんだなぁ…となんとなく実感。今の世の中男性が男性らしく、とはあまり言われなくなりましたが平安の世の中とかだったら確かに大変な問題だったんだろうな…。でもそこで娘を宮廷に出しちゃう親ってのも中々胆が据わっている。 後書きに書かれていたようにこの主人公はどちらかといえば女性の方なんでしょうね。男の子は女の子らしいのかと思えば宮仕えしては主人に手は出しちゃうし男性に戻っても浮名を流してるしあまりいいとこなし。妹を探しに来たところぐらいしか良いところないなぁ。そして女性の出世ってのも中々難しい問題だったんだろうなぁ。やっぱり宮廷に仕えるとかが女性にとってのステイタスだったんだろうか。でも自分らしく生きるために我が子を苦渋の想いで置いて行くって辺り今どきの人にもない強さを感じる主人公だと思いました。面白かったです。
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男の子のような女の子。女の子のような男の子。この2人を中心として展開される恋愛模様や喧騒は、古典であるが、とっつきやすい内容のラブコメディである。 主人公の心の葛藤を通して描かれ、問われる男の生き方、女の生き方、というテーマは作者であろう宮廷の女性の願望(今を変えたい、違う生き方...
男の子のような女の子。女の子のような男の子。この2人を中心として展開される恋愛模様や喧騒は、古典であるが、とっつきやすい内容のラブコメディである。 主人公の心の葛藤を通して描かれ、問われる男の生き方、女の生き方、というテーマは作者であろう宮廷の女性の願望(今を変えたい、違う生き方をしてみたい)、ロマンのあらわれか。しかし、性別の「役割分担(?)」が曖昧な現代にも通ずる話題でもあるし、その願望、ロマンは現代人にも共感を呼ぶところもあろう。 そういう意味で、読んで面白いのでオススメの本です。 それにしても、夏雲のセリフ、「三途の川」は鬼畜過ぎてもはや笑えた。感情表現豊かな平安男子、えげつないことをして、そして心に刺さる一言を言う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
入りは氷室さんの『ざ・ちぇんじ』で、そこから原作へ。漫画の『とりかえ・ばや』もまだ連載中で楽しみなのですが、田辺さんの『とりかえばや物語』とあっては読まない訳にはいきません^^ 『おちくぼ物語』とは違って、こちらはほぼ原作通りで、分かっていても春風の身の上にはらはらします。夏雲に流されず、思い切れるのは強さなのか、それとも今とは価値観(生き方の考え方)が違うからなのか、春風の潔さにスカッとする反面、子に対しての母の情を思うと切なくなります。里中満智子さんの解説も嬉しかったです。
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本屋で「古典の授業で題名だけ習ったけど、はて、どんな話だったっけ?」と手にとり、帯を見て「ラノベかよ!」とつっこんでしまったけど、本当にラノベみたいでした(笑) あとがき曰く「おおむね、原典に忠実な訳」らしいので、今も昔も、物語の題材ってそうそう変わらないんだなぁ。男装の女性が...
本屋で「古典の授業で題名だけ習ったけど、はて、どんな話だったっけ?」と手にとり、帯を見て「ラノベかよ!」とつっこんでしまったけど、本当にラノベみたいでした(笑) あとがき曰く「おおむね、原典に忠実な訳」らしいので、今も昔も、物語の題材ってそうそう変わらないんだなぁ。男装の女性が活躍するって、「リボンの騎士」やら「花ざかりの君たちへ」やら(どっちも漫画だけど)、いつの時代でもヒット作がでるほど支持されているけれど、千年前にも同じ様なヒット作があるというのは面白い。 田辺さんの現代語訳は読みづらさを感じずに読めて良かったです。現代語訳って訳者によっては「これは逐語訳だよ…」という本もあるけれど、語尾がちゃんと現代風になっていたり、苦しくない言い回しに訳されていたり、登場人物に名前が付けられていたり(これは凄く重要!)したので、読むのにストレスを感じずに済みました。他の訳本も見てみようかな…。
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権大納言家の凛々しい若君、春風と 美しくたおやかな姫君、秋月、 この異母兄妹は、春風は姫君で秋月は若君だった。 二人は正体を隠して宮中デビューする。
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