損したくないニッポン人 の商品レビュー
<感想> 本書を読んで「健康のためなら死んでもいい」というジョークを思い出した。本書には損をしないためにコストに合わない努力をする人々が出てくる。俯瞰して眺めると明らかに非合理的なのだが、当人たちにとっては目先の小さな損得を回避することが正義になるらしい。 特に「自分の得」を「相...
<感想> 本書を読んで「健康のためなら死んでもいい」というジョークを思い出した。本書には損をしないためにコストに合わない努力をする人々が出てくる。俯瞰して眺めると明らかに非合理的なのだが、当人たちにとっては目先の小さな損得を回避することが正義になるらしい。 特に「自分の得」を「相手の損失」で測る人々の存在は身につまされた。 損得は比較の中で生まれる。比較対象が無ければ主観の満足度しかない。「損したくない」は同程度の他者との比較から生まれる感情なのだ。 最終章の年配のご婦人たちのコメントは「損したくない」感情を見事に昇華した偉人のようでもあり、哲学者の雰囲気も感じさせる。「損したくない」感情に振り回され苦しんでいた自分自身にとっては、まさに目から鱗が落ちる思いであった。 「「失敗するのもこれまた一興」であり、「せっかく生きているんだから、失敗を楽しまないとそれこそ損じゃないですか」 「一興」という日本語は心に刻んでおきたい。辛いときに呟くマイ呪文にしようっと。 <アンダーライン> ・輝かしい底値 ・最終的に最安値を確認できるのは最後のスーパーを確認した時で、実際買うにはそこから最安値のスーパーまで戻らなければいけない ・知ると損した気分になる ・(ポイント)小さな得の積み重ねは大きな損に通じているのではないだろうか ・企業に損させることが彼女の得ということらしい ・価格と値段 ★生きているだけで、私たちはリスクを取っている ・「分からなさ」を数値化したものを「リスク」と呼ぶ ★現在価値 ★後悔はありますけどね。後悔は損じゃないから ★口にしたら本当に損になっちゃうでしょ ★損しているのを「損している」と言ったって何の意味もないでしょう。愚の骨頂じゃないかしら ★現実の損得を考えたら、結局損するからです。底値だと思って買っても次の日になるともっと安くなっているかもしれないでしょう。 ★たまたま安いモノに出くわせば「ラッキー!」と得した気分になるし、高いモノを買って失敗するのもこれまた一興です。「あっ失敗しちゃった」っていうのも楽しいじゃないですか。せっかく生きているんだから、そういうことを楽しまないとそれこそ損じゃないですか
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損したくない生き方をしているのに、よくよく考えてみれば人生に損をしている人が多い。買い物に一円を気にする生き方が快適なのか?良く考えるべきだ。
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貨幣愛だとか行動経済学だとか、そういったことに興味があって読んだ。ヒデミネ節は楽しめるが、議論が深まっていかない感じであった。 「損失回避の原則」に疑問を呈しているが、この本はほぼ全編その話をしているような。ただ二者択一問題に対する、設問の裏をムダに読むような勘ぐりはおもしろい...
貨幣愛だとか行動経済学だとか、そういったことに興味があって読んだ。ヒデミネ節は楽しめるが、議論が深まっていかない感じであった。 「損失回避の原則」に疑問を呈しているが、この本はほぼ全編その話をしているような。ただ二者択一問題に対する、設問の裏をムダに読むような勘ぐりはおもしろい。 東京リスクマネージャー懇談会によるリスクの定義の矛盾はその通りと思う。リスクとは、本来的には「不測の」要素があると思うのだが、金融工学では事例の数が多ければ予測可能なものという概念になっていると思う。オッズも読めないものは不確実性として別に整理しないといけないことに。 季刊誌『セオリー』への連載を再構成したもの
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読み始めて、延々、作者の身近なモノの値段の話ばかり。 自分のせこさを日本人全体の感情におきかえ、一般化している日記のようなお話。もっと精神論的なことを深くえぐる考察を期待していたので。講談社現代新書のレーベルで出す必要あったのか理解に苦しむ。
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経済学といいつつ、硬い本ではなく、損したくないという著者の気分を中心に据えたエッセイに近い本でした。 サクサクと読めますが、経済学的なことを知りたいなーと思って手に取った本だったので、いささか消化不良な感じです。文章自体はインタビューを交えたような文体で読みやすいものでした。
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著者の別の本を読んだことがあった。本書はさらに「ひねくれ」度が増している。単純なエッセイとして楽しんで読んだ。
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損にまつわる話が沢山出てくる.第6章の「定価のゆくえ」が面白かった.要は定価があるから値引きもあるということで,その定価も決め方が明確でないところが面白い.また,第10章の富山の薬売りの話も核心を突いていて楽しめた.浄土真宗の根深さも凄いと感じた.
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ユニークな本。 今迄の本とは違う切り口。 不動産の章が腑に落ちた。マンションに値段はシンプルで、業者による差は少ないらしい。異様に安いのは、危なそうだと思った。 一万円は、皆が一万円と思うから価値があるそうな。
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アイツ、どんな顔して読んでんだろう?と貧乏性の友人の顔を思い浮かべ読む。 先方は、がめついアイツ、どんな顔して読んでんだろ?と、私を思い浮かべていたらしい。
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『歎異鈔』の一節の紹介で何となく損が分かったような気がしました。「地獄は損しない」ことを知り、底辺にいる、あるは無能であると自覚していれば、ちょっと努力したら得することしかこの先ないような気がしました。過信は努力を妨げ、さらには困難に出くわすたびに「損した」と思わずにはいられず、...
『歎異鈔』の一節の紹介で何となく損が分かったような気がしました。「地獄は損しない」ことを知り、底辺にいる、あるは無能であると自覚していれば、ちょっと努力したら得することしかこの先ないような気がしました。過信は努力を妨げ、さらには困難に出くわすたびに「損した」と思わずにはいられず、自ら苦しむだけだと気付きました。
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