1,800円以上の注文で送料無料

損したくないニッポン人 の商品レビュー

3.4

15件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2016/01/02

損及び得について作者が様々なところに取材に行くエッセー。 経済学者ではない作者が、損を経済学的にアプローチをしようとするが、行動経済学やミクロ経済学ではなんか納得が行かないらしく、もっと地道に聞いていく。節約のために何時間もあるいはママ友との交際費を費やす主婦、巨大なTVを買う狭...

損及び得について作者が様々なところに取材に行くエッセー。 経済学者ではない作者が、損を経済学的にアプローチをしようとするが、行動経済学やミクロ経済学ではなんか納得が行かないらしく、もっと地道に聞いていく。節約のために何時間もあるいはママ友との交際費を費やす主婦、巨大なTVを買う狭い家の住人。富山の薬売りに緒を発するケチくさい富山の幸福度合い。適当に鉛筆をなめて不動産鑑定士が決める路線価。小ネタの積み重ね。 得はもともと徳から来たらしく、二宮尊徳もそこらへんと関わるらしい。

Posted byブクログ

2022/06/01

著者と父との「景気」についての前書きで始まる。景気とはタイミング。良いと言えば敏感になる。俺が景気、みたいな話。 一章は、著者がタクシーのワンメーターで降りたい、という話から始まる。あるある的話である。次に近所のスーパーの駐車料金の話。それぞれ、貧乏、ではなくて、貧乏くさい...

著者と父との「景気」についての前書きで始まる。景気とはタイミング。良いと言えば敏感になる。俺が景気、みたいな話。 一章は、著者がタクシーのワンメーターで降りたい、という話から始まる。あるある的話である。次に近所のスーパーの駐車料金の話。それぞれ、貧乏、ではなくて、貧乏くさい、話。これは著者が自ら言っている。 ようやく他者の話が出てくるようになる。登場人物は仮名だったりしつつ、肩書きは当時のものです、という注意書きが付いていたりもする。のだが、どうにもこの登場人物たちの実在感が薄い。会社員の〇〇さん(40歳)は私に諭すような口ぶりで言った、なんていう風に書いてあるのだが、何か都合よいネタを話してくれる架空の人物に見える。まあ架空でも実在でもどっちでも、著者の言いたいことはわかるからいいが。 どうでもいい「損」の話が満載で面白い。節約と工夫は違うのだというが、第三者から見れば同じである。結局、損、というのも景気と同じで自ら生み出すものなのだ。 しかし、中には度肝を抜くような言説もある。 「女性は毎月、卵子を損している」 著者はこれを聞いて絶句した。僕もこれを読んで絶句した。しかし、それを口に出したら本当に損になってしまうから言わないのだ、と。深いぞ損の道。と同時に、どうでもいいぞ損の道。

Posted byブクログ

2015/12/16

日本人の損得"感情"についてのルポ。自称"貧乏臭い"という著者が、日本人の金銭感覚について考察する。「損したくない」「得したい」という気持ちは、誰にでもある感情だが、その気持ちが強すぎて、辻褄が合わないおかしな行動をする人達がいる。著者はそ...

日本人の損得"感情"についてのルポ。自称"貧乏臭い"という著者が、日本人の金銭感覚について考察する。「損したくない」「得したい」という気持ちは、誰にでもある感情だが、その気持ちが強すぎて、辻褄が合わないおかしな行動をする人達がいる。著者はそういう行動に素朴な疑問を提示する。テーマは、スーパーの買い物、ポイント収集、家電の買い方、定価や貨幣、不動産の仕組み、ビジネスや人生における損得"感情"まで、独自の視点で考察しており、大変面白く読めた。 この本で紹介されている事例を読むと、他人事とは思えないことがある。わずかなポイントを得るために、無駄な買い物をすることはよくある。例えばスーパーで100円で1ポイント(1円)のサービスを得るために、98円の商品に30円の小物を付けて買ったりする。そういう行動は理論上明らかにおかしいのだが、ポイントの損得感情が働くとつい買ってしまう。今、流行の行動経済学には違和感を抱く著者の主張は、納得できる部分も多かった。 ちなみに、自分は損得感情は強いほうである。この本の内容は確かに面白かったが、定価に相応しいかどうか考えてみると、とりあえず値段相応という結論になった。損しなくて良かったかも。

Posted byブクログ

2015/11/16

雑誌連載を新書にしたもの。日本人がいつから「損したくない病」になったか。 文章の水増し感が強く、結論が各章に分散していて読後のすっきり感がなさそうなので読まない。

Posted byブクログ

2015/10/12

最初は行動経済学の最新の成果を紹介する本だと思った。 だから、読み始めてすぐに、様子が違いすぎて、???となった。 でも、「経済学の理屈ではこう説明されてるけど、全然実感と違うじゃん!」という、我々の声を代弁した本なのかもしれない。 例えば、テレビを買おうとするとき。 本当は3...

最初は行動経済学の最新の成果を紹介する本だと思った。 だから、読み始めてすぐに、様子が違いすぎて、???となった。 でも、「経済学の理屈ではこう説明されてるけど、全然実感と違うじゃん!」という、我々の声を代弁した本なのかもしれない。 例えば、テレビを買おうとするとき。 本当は30インチくらいでいい、と思っていても、売れ筋は40インチ。 むしろ価格的には、大量に生産されているから、そっちのほうが安い。 これ、サイズの経済学。 でも、本当に要りもしないデカいサイズのテレビを買って、生活がよくなるのか? 部屋が狭くなったり、大きな映像から圧迫感があったりして快適でなくなってしまうのではないか? こうやって、「今起きていることを最適なものとして説明する」経済学からひらりと身をかわしていく。 損とか、得とは何かを考えるために、二宮尊徳の子孫にインタビューしたり、易学を紐解いたり。 最初の期待が違ったのは「損」だったかもしれないけど、斜めから見ることができて楽しかった。 これ、「得」なのかも。

Posted byブクログ