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移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活 の商品レビュー

3.8

41件のお客様レビュー

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2018/04/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日本の家庭料理と思い浮かべた時に、どの家庭でも共通するような確固たるものがあまり無いように感じる。その点、この本に出てくる外国人の食事はその国の定番の料理というものがずらりと並んでおり、単純にいいなぁと思う。調理方法が全く違い味の想像ができないものも多くて一度食べてみたいという気持ちにさせられる。 写真を見ているとここが日本とは思えない光景ばかりで驚く。 日本で暮らしている外国人のパワフルさ、助け合いの気持ち、家族を大切にしているところなど、人間のあるべき姿とはこういうことなのかもしれないと思う。 余裕の無さはいずれ自分にも返ってくることを改めて考えた。

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2018/03/19

外国人観光客があふれかえる今日この頃。そんな観光客ではなく、日本に移り住んで何年、何十年という外国人に取材、彼らがふだんどんな食事をしているのかが書かれています。食事の話のみならず、彼らが日本に来た経緯、コミュニティの形成、日本の良いとこ悪いとこ。 タイトルに「移民」という言葉...

外国人観光客があふれかえる今日この頃。そんな観光客ではなく、日本に移り住んで何年、何十年という外国人に取材、彼らがふだんどんな食事をしているのかが書かれています。食事の話のみならず、彼らが日本に来た経緯、コミュニティの形成、日本の良いとこ悪いとこ。 タイトルに「移民」という言葉を使った理由、その言葉に強い拒絶反応を示して取材を断られたケースもあるという追記も含め、終始興味深く読みました。 とにかく辺境を好む高野さんのこと、取材先に選んだ町やコミュニティが面白い。日本の飲食店のまかないは、たいていの場合、店で出される料理と違うという話など、そんなことないでしょ、ちょっと決めつけすぎではと思わなくもないところが若干ありますが、それでも楽しい高野さん。いっぱい読んで飽きてきたかもと思うけど、まだまだ読めそうです。

Posted byブクログ

2017/12/30

日本に移り住んだ外国人の生活や考え方、その中でも特に食事に焦点をあてた移住者ルポ。 外国人の方々はすっかり日本の日常に溶け込んでいるにも関わらず、いざ生活の姿となると急にモヤがかかったように想像が難しくなります。 日本に住む彼らがどこに集い、どんなものを食べ、どのような考えを持ち...

日本に移り住んだ外国人の生活や考え方、その中でも特に食事に焦点をあてた移住者ルポ。 外国人の方々はすっかり日本の日常に溶け込んでいるにも関わらず、いざ生活の姿となると急にモヤがかかったように想像が難しくなります。 日本に住む彼らがどこに集い、どんなものを食べ、どのような考えを持ちながら日本で生活しているか、興味深い世界を覗き見させてもらいました。 成田に鎮座するタイの巨大寺院でお坊さんへのタンブンに勤しむ人々、南三陸で被災者への炊き出しを振る舞う底抜けに明るいフィリピン女性たちなど。 印象的だったのはイランの女性です。イラン人の女性は著者へ、仕込みに17時間を要する絶品の家庭料理を振る舞います。実はイランの外食店の厨房に女性が入ることが許されていません。それゆえ女性たちの手の込んだ美味しい家庭料理は外で提供されることなく、決して美味しいとは言い難い料理がイラン料理として世界に伝わることに、女性はジレンマを感じているようです。 食事を共にする同郷の仲間や祖国の食べ物を通して、その国の文化や現状が伝わってきます。そして時折顔を見せる祖国への想いは、様々な事情や背景が垣間見え、胸がきゅっと締め付けられるような切なさを感じる瞬間も。 食べることはそこで生活を営み、生きること。普段何気なくしている「食べる」という行為の大切さと尊さを改めて実感します。 「日本って良いよね」――日本へ移り住んだ外国の方に思ってもらえるのはもちろん、自分も自信を持って言えるような国で在り続けてほしいと願って止みません。 補足ですが、インタビュー相手への敬意が伝わってくる著者の姿勢が終始とても素敵だと思いました。

Posted byブクログ

2017/09/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

取材コンセプトを説明して、ヨーロッパ系の人達に拒否されたって、なんか悲しい。。。 「ときどき旅に出るカフェ」のバクラヴァなんかも美味しそうだったけど、イスラム圏って、実は密かにスイーツ充実している疑惑〜!あ、お酒が飲めないからか。 アブディン君の「わが盲想」は読んでみたい。

Posted byブクログ

2017/08/20

高野さん、久しぶり。独特の視点と思考から紡ぎ出される食紀行は、東日本大震災という歴史的な災害と同時期という偶然も重なり、深みのある作品に仕上がった。在日外国人の普段の食事に焦点を当てたことで、その国の思想、日本観が伝わってくる。成田のタイ寺院は、行こうと思えばすぐ行ける場所にある...

高野さん、久しぶり。独特の視点と思考から紡ぎ出される食紀行は、東日本大震災という歴史的な災害と同時期という偶然も重なり、深みのある作品に仕上がった。在日外国人の普段の食事に焦点を当てたことで、その国の思想、日本観が伝わってくる。成田のタイ寺院は、行こうと思えばすぐ行ける場所にあるのに、全く知らなかった。館林のイスラム・ハラーム、鶴見のブラジル料理もそそられる。「移民」に違和感を覚える欧州人がいたが、著者の言わんとすることも理解できる。外国人が(日本人も)住みやすい日本であってほしいと言う著者に同感!

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2017/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

在日外国人の食生活を通して外国人達のリアルな現状を描いた取材記。 タイやイラン、ロシア…様々な在日外国人を追いかける高野さん。 一番驚いたことは多くの外国人曰く「日本食は作るのが簡単でいい」ということ。 取材した国の人達の料理は、下準備等に時間と手間をかけて作るから非常に面倒らしい。 でも日本と違って一度作った料理を何日もかけて食べる。 確かに日本はほぼ毎日違うものを作って食べる。 思いがけず嬉しかったのは『異国トーキョー漂流記』に登場した盲目の野球好きの彼の後日談が読めたこと。 相変わらず飄々としてマイペースな彼だったけれど幸せに暮らしていて良かった! 東日本大震災で被災した外国人達。 日本人以上にパニックに陥る中、フィリピン女性達の逞しさ明るさに救われた。 「移民の宴」はお腹も心も満たしてくれる! そして「日本」について改めて考えさせられた。

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2017/06/08

ソマリラントが楽しかったので、久しぶりに高野さんの本を読みました。 日本に住んでいる外国人の人たちに料理を振舞ってもらうという楽しい企画。写真もありますが、読んでるだけで本当にお腹すいて来ます。それぞれのコミュニティの人たちが何を思い、どんなふうに日本で暮らしているかもかいまみる...

ソマリラントが楽しかったので、久しぶりに高野さんの本を読みました。 日本に住んでいる外国人の人たちに料理を振舞ってもらうという楽しい企画。写真もありますが、読んでるだけで本当にお腹すいて来ます。それぞれのコミュニティの人たちが何を思い、どんなふうに日本で暮らしているかもかいまみることができます。 いろんな国でいろんな人たちと体当たりで関わってきた高野さんだけに、文庫版へのあとがきがとても身にしみます。日本が外国の人たちにとってもっともっと住みやすい国になりますように、自分も含めて一人一人がちょっとずつ考えて行けたらいいな。

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2016/06/02

まず、こんなにたくさんの外国人が日本に住み、それぞれの生活を構築していることに驚いた 日本にいるのに外国にいるような、、、という状況を私は楽しめなかった これがいつか、当たり前の社会になっていくんだろうなぁ… 高野さんのインタビューの姿勢はとても素敵でした

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2016/04/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久しぶりの高野秀行氏。日本に住む外国人たちは日頃なにを食べているのか様々な国の食卓に、自ら入り込んでいく様はとても楽しく、どれも食べてみたいものばかりだ。ひなのに今回はなぜか入り込み切れなかった。その違和感はあとがきで決定的になってしまった。震災以降、色々ないいことも悪いことも目にして、『おもしろい』と思っていたことが、そうでもなかったと気付いたのと似てる。また変わるかもしれないのでその時を待つことにしよう。

Posted byブクログ

2016/03/01

料理だけではなく、食事の準備から 描かれているのがいい。 その人のキャラクターが滲みでてくるから。 大上段に振りかぶってはいないが、 その国のかたちや、この国のかたちが 浮かび上がってくる好著。 それにつけても、文庫本あとがきで 著書が憂える、ここ数年の日本社会の 変化は真剣...

料理だけではなく、食事の準備から 描かれているのがいい。 その人のキャラクターが滲みでてくるから。 大上段に振りかぶってはいないが、 その国のかたちや、この国のかたちが 浮かび上がってくる好著。 それにつけても、文庫本あとがきで 著書が憂える、ここ数年の日本社会の 変化は真剣に考えるべき問題だと思う。

Posted byブクログ