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生きるぼくら の商品レビュー

4.2

762件のお客様レビュー

  1. 5つ

    309

  2. 4つ

    261

  3. 3つ

    122

  4. 2つ

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2025/02/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

御射鹿池の東山魁夷の絵の表紙に惹かれて、奄美大島への旅のお供に。 最初、引きこもりの話には、気分が滅入ってすっ飛ばし気味になったが、後半、奥蓼科で、一から手作業の米作りを通じて若者が再生する話になり、気分爽快。 米って甘くて美味しいんだよね。かつ、握るヒトの気持ちが込められるから、おにぎりは、さらに美味しい。 手作りの米作りって、子育てと一緒だなと再認識。 引きこもりの人生くんと、別れた父の再婚相手で対人恐怖症の義姉つぼみちゃんが病死した父の巧みな仕掛けで、痴呆が始まった祖母まーささんの住む蓼科で出会う。 マーサさんが毎年全て手作業でしていた米作りを、孫たちが一年かけて、カッコ良い地元の人たち、ある意味田舎の濃い人たちに助けられながら、ひたすらシンプルに美味しいマーサさんのおにぎりを食べたいという希望に向かって取り組んで、ヒトとして再生していく。

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2025/02/04

マハさんらしい心温まる小説でした。 印象に残った言葉 ひと粒のお米に七人の神さまがすんでいる。 なんていうか心にひびく言葉でした。

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2025/02/03

人と人と支え合い、目標をもって努力すること、何より生きることの素晴らしさを感じられる。そして原田マハさんの自然が目の前に浮かぶような表現が本当にすばらしすぎる。泣きました。

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2025/02/02

読むのが止まらず、二日で読了。 最後畳み掛けるような展開に、心が温かくなりつつ、自分にとっても大切なものを改めて実感させられる。 一歩ずつ生きていこうと、改めて思える、素敵な作品です。自分の形で自分なりに生きていく。自分なりの自分が思う幸せと、自分の大切な人たちと生きていく。誰と...

読むのが止まらず、二日で読了。 最後畳み掛けるような展開に、心が温かくなりつつ、自分にとっても大切なものを改めて実感させられる。 一歩ずつ生きていこうと、改めて思える、素敵な作品です。自分の形で自分なりに生きていく。自分なりの自分が思う幸せと、自分の大切な人たちと生きていく。誰とも比べない。

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2025/01/31

【長野の自然の豊かさを感じる】 原田マハさんのアート関連の小説が好きで、さらに東山魁夷の『緑響く』の絵が好きで手にした本です。思っていたのと違い、東山魁夷の絵画についてはあまり描かれていませんでした。 でも、久しぶりに小説を読んだので楽しめました。長野の田舎で若者たちが地域の...

【長野の自然の豊かさを感じる】 原田マハさんのアート関連の小説が好きで、さらに東山魁夷の『緑響く』の絵が好きで手にした本です。思っていたのと違い、東山魁夷の絵画についてはあまり描かれていませんでした。 でも、久しぶりに小説を読んだので楽しめました。長野の田舎で若者たちが地域の大人たちに支えられながら成長していく様子は爽やかでした。長野の冬の厳しさや、夏の田んぼ作業の厳しさなど自然を感じられるのも良かったです。そういえば、10代のころはこのような風景のディテールはいらないなーとすっと読み飛ばしていましたが、年を重ねるごとにその描写を想像できるようになり、「なつかしいな」とか「こういう感じだろう」とか思い出したり想像したりしながら読めるようになりました。 また、主人公たちを支える人物である志乃さんがとても頼りになる優しい女性で、こんな大人になりたいと思えるような人でした。

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2025/01/28

表紙の東山魁夷の絵画に流れつくようなきれいな物語。植物もわたしたち人間も、健全な環境でたくさんの栄養と愛情があれば、時とともに自らの力で立ち上がっていける。生きる力を感じさせてくれる作品だった。

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2025/01/26

これは涙なくして読めなかった。響きました。普段ミステリーやサスペンスものばかり読む私ですが、原田マハさんにハマるきっかけとなりました。ありがとうございます。

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2025/01/23

家族への思い、生きる力、を感じて何度も心を揺さぶられて涙した。原田マハさんの文章はなんでこんなに沁みるんだろう。 人生、という文中に出てくるとややこしい名前をあえて主人公につけていることに、原田マハさんがこの小説に込めた強い思いを感じる。 米作りの過程はとても丁寧に描かれていて...

家族への思い、生きる力、を感じて何度も心を揺さぶられて涙した。原田マハさんの文章はなんでこんなに沁みるんだろう。 人生、という文中に出てくるとややこしい名前をあえて主人公につけていることに、原田マハさんがこの小説に込めた強い思いを感じる。 米作りの過程はとても丁寧に描かれていて、人生くんと一緒に稲の成長を見守る気持ちになった。 出来上がったお米が本当に美味しそうで、おにぎりが食べたくてたまらなくなったのは私だけじゃないはず。 米作りは息子の小学校で一緒に体験したのでどの工程も絵が思い浮かんだけど、米の花が咲く出穂(しゅっすい)は見たことがない。 「開花はわずか30分から1時間くらいの出来事。 その時間田んぼに居合わせると、田んぼ全体がふわっと白く膨らんでいふような錯覚に陥いる。」(p336)とあって、想像するとすごく素敵でうっとりした。 また、自然農法では土は耕さないほうが柔らかくなるということも知らなくてびっくり。土の中の虫や微生物が生きながらふわふわにしてくれるらしい。 「自然のまんま、そのまんま。がんばらなくても、みんな一緒に生きてるのよ。私たち、繋がり合って生きているのよ。」(p274)という言葉がとても印象的だった。 米作りを通して、自然の力を信じて成長を助けて見守る、という姿勢を教わった。 そこに人生くんを見捨てたお母さんの思いを推しはかるとまた泣けてくる。 人の力は自然の力の一部で、自然と人間はみんな一緒に生きている、という最強にエネルギッシュなメッセージをくれる一冊。

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2025/01/18

 初読作家。非常に読みやすい。全ての言葉がどストレート。変にまわりくどく無く、スッと心に染み入る。こんなにも力強い文章を投げられては、あの大谷翔平でさえも空振り三振するに違いない。    主人公の人生は齢24にして家に引きこもりネットでイキリ母に迷惑かけてばかりいる。ついに愛想を...

 初読作家。非常に読みやすい。全ての言葉がどストレート。変にまわりくどく無く、スッと心に染み入る。こんなにも力強い文章を投げられては、あの大谷翔平でさえも空振り三振するに違いない。    主人公の人生は齢24にして家に引きこもりネットでイキリ母に迷惑かけてばかりいる。ついに愛想を尽かされた人生は、ある日母に捨てられる。24歳にもなって母に「捨てられる」という感覚を持つのもいかがなものかとは思う。この歳なら普通は自立していて当然だ。しかし、学生時代にいじめられた過去を持つ人生のことを思えば、まるっと人生が悪いとも言えない。良くも悪くも、彼の精神は幼稚なままなのだ。  その幼稚な精神は米づくりを通じて様々な経験を積み、徐々に逞しくなってゆく。そしてその成長過程が全く自然に描かれているから興味深い。成長というものは得てして実感できないものであるが、本書においても人生の成長ぶりは見違えるほどというわけではない。けれども確実に人生は成長しているのだ。その過程がうまいことグラデーション状に描かれており、その空間に自分も入ってしまったかのような錯覚に陥る。  人生が人間的に成長できたのは、もちろん米づくりのおかげでもあるが、個人的には人間関係にあるような思う。  引きこもり時代の彼は日がなネットにのめり込んでいたに違いない。日々の鬱憤をスレッドに書き込むのは、きっと、愉快だ。そこにはネットならではの一体感も生まれることだろう。  しかしどうも孤独感は拭えない。ネットはいろいろな人と繋がれる反面、ひとつひとつの繋がりが希薄になりがちだ。だからより孤独感が浮き彫りになる。親密な関係を築けないために。  一方、村のような小さいコミュニティでは互いが互いを良く知っているため結びつきが強くなりがちだ。村社会と揶揄されることもあるが、正常に機能している場合にはそれはそこに所属する人の精神的なサポートを果たしてくれる。  いつでも帰れる場所─ふるさとがここにあるという安心感。ネットと村社会の、この対比は「すごい」と思った。  人生に疲れたら御射鹿池にスマホでも投げ入れようか。そうしておにぎりを腹いっぱい食べて寝よう。生きようなんて思う必要ない。僕らは「生きる」のであり「生かされている」のだから。

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2025/01/12

自分に喝を入れられた気持ちになった。 特にやりたいこともなくて、なんとかなるかとなあなあに生きている私は、引きこもりだった人生とそう変わらないのではないか。 自分がそうやって生きているのは、一生懸命にやってその後、もっと上をみて絶望するのが怖いから。 でも、そんな弱い自分を信じて...

自分に喝を入れられた気持ちになった。 特にやりたいこともなくて、なんとかなるかとなあなあに生きている私は、引きこもりだった人生とそう変わらないのではないか。 自分がそうやって生きているのは、一生懸命にやってその後、もっと上をみて絶望するのが怖いから。 でも、そんな弱い自分を信じて、この人生とことん自分に付き合ってみよう、と思えた。

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