しんがり 山一證券最後の12人 の商品レビュー
1997年自主廃業した山一證券。潰れる会社の清算業務と調査業務に従事した"しんがり"について記したノンフィクションである。なぜかつての四大証券の一角がこのような最後を迎えたのか。コンプライアンスの大切さがよくわかる本である。また、貧乏くじとも呼ばれる業務に責任...
1997年自主廃業した山一證券。潰れる会社の清算業務と調査業務に従事した"しんがり"について記したノンフィクションである。なぜかつての四大証券の一角がこのような最後を迎えたのか。コンプライアンスの大切さがよくわかる本である。また、貧乏くじとも呼ばれる業務に責任感を持って最後まで携わった12人の人たちの姿から一会社員として学ぶべきことが多くあった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
正直者がバカを見るようなことは、あってほしくない。 貧乏くじと言われた清算業務にあたったメンバーにありきたりだとは思うが、尊敬の気持ちを持った。そのメンバーが最終的には頑張りが認められたこと、更に本人達も前向きに捉えられている描写が心に残った。 また、仕事が原因でメンタルをやられた経験もあったため、 会社はあくまで会社 会社のために働くのではなく自分がどうありたいか 家族が知って悲しむようなことをしていないか といった、働き方に対する考え方のサンプルとしても見ることができた。
Posted by
当時、山一證券が破綻したというニュースが世間を騒がせていたのは、なんとなく覚えている。 この本は最後まで山一證券の終焉を見届けた12人の物語。 ニュースの裏側にこんな業務を行った人たちがいて、その人たちがどのような気持ちで業務にあたっていたかがよくわかった。 オススメです!
Posted by
不正会計により自主廃業する山一證券の中で、筋を通すべく社内調査や精算業務にあたった12人の姿を描いたノンフィクション。 危機感の薄い経営陣がいたり、聖域を作っていたりする会社は危険。そういった会社は、かつての山一證券のように、いずれは崩壊していきます。 筋を通す人は苦労します...
不正会計により自主廃業する山一證券の中で、筋を通すべく社内調査や精算業務にあたった12人の姿を描いたノンフィクション。 危機感の薄い経営陣がいたり、聖域を作っていたりする会社は危険。そういった会社は、かつての山一證券のように、いずれは崩壊していきます。 筋を通す人は苦労します。しかし、その苦労はどこかで報われます。誰かがその姿をしっかりと見ているから。
Posted by
人に教えてもらった一冊。あの社長の会見はうっすら覚えてる。山一破綻の内幕を垣間見れた。会社の最期を看取る後ろ向きな業務を真摯にこなす人達には感服です。
Posted by
当時の事を思い出します。 しかしここまでの詳細は初めて知りました。飛ばし。。などが長年行われていた実態、最後まで戦い続けた社員、精算業務に携わった人たち、何度も転職を重ねた方たち。。それぞれの苦労や心労、山一證券に対する思い。。など改めて感じました。 しかし、時が経っても不祥事は...
当時の事を思い出します。 しかしここまでの詳細は初めて知りました。飛ばし。。などが長年行われていた実態、最後まで戦い続けた社員、精算業務に携わった人たち、何度も転職を重ねた方たち。。それぞれの苦労や心労、山一證券に対する思い。。など改めて感じました。 しかし、時が経っても不祥事はなくならない現実に、残念な思いも。
Posted by
テレビでのあの会見は今でも印象に残っている。 バブル崩壊の象徴とも言える山一證券の廃業。 遠い過去の出来事に感じる。 あれは何だったのかという思いで読み始めた。 バブル期に生きた人たちの栄枯盛衰を味わった。 お金に惑わされ、 自ずから違法行為に手を染める者。 上司の命令で仕方なく...
テレビでのあの会見は今でも印象に残っている。 バブル崩壊の象徴とも言える山一證券の廃業。 遠い過去の出来事に感じる。 あれは何だったのかという思いで読み始めた。 バブル期に生きた人たちの栄枯盛衰を味わった。 お金に惑わされ、 自ずから違法行為に手を染める者。 上司の命令で仕方なく行う者。 おかしいと思いながら、上を慮って口を閉ざす者。 悪いことを指摘して直さないといけないのに、 それを言えないと益々悪化して 取り返しがつかなくなる。 分かっちゃいるけど、どうしようもない。 問題を先送りにした結果廃業という憂き目に遭う。現在の環境もそういう雰囲気は 変わってないとも思う。 誰も勇気を出して言えない。 言った人は疎んじられ、遠ざけられる。 大きい声でこうあるべきだということを 言い続けることが大事だと思う。 心の中で言っても仕方ない。 上であろうが下であろうが、 言わなくっちゃならないことは声に出して言う。 これが大事。 物が言えない社会は衰退する。 良い意見は、その時に受け入れてもらえなくても、いつか受けいられ、悪い意見は淘汰される。 世間に流されがちだが、それは違うと強く思う時は勇気を持って言わなければならない。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
会社が経営破綻し、多くの社員は再就職に向かったが、「山一證券社内調査委員会」の人たちは、崩壊した会社に踏みとどまり仕事をつづけた。損得勘定はせず、「誰かがやらなければいけなかったから」、彼らはとどまり、やるべき仕事を行った。 彼らは「幸せな会社人生だった」という。山一證券が経営破綻していなければ、「自分はきっと無批判、無自覚に会社人生を終わって」いたが、破たんを通して、「進んで貧乏くじをひく人間を仲間に得た」とのこと。 彼らの責任感や熱意に尊敬の念を抱かざるを得ない。
Posted by
山一證券の自主破綻についてのノンフィクション。 大変お恥ずかしい話ですが、この作品に出会うまで興味もなければ、この自主破綻についてほとんど知りませんでした。当時は世の中について本当に無関心というか、別のことに夢中になっている学生でした。 実際に働いていた社員の方々と同じ目線で書...
山一證券の自主破綻についてのノンフィクション。 大変お恥ずかしい話ですが、この作品に出会うまで興味もなければ、この自主破綻についてほとんど知りませんでした。当時は世の中について本当に無関心というか、別のことに夢中になっている学生でした。 実際に働いていた社員の方々と同じ目線で書かれている作品のため、当時の実情が良く分かるように感じました。 「しんがり」というタイトルですが、負け戦の最後尾の隊員たちではなく、最初から最後まで、隊の中心であきらめずに隊員のために働いたという重要な役割であったと思いました。 このように最後まで隊のために尽くすことは自分には無理だなと思いました。隊の一員という帰属意識が薄いのかもしれません。責任を負わされているというように感じ取ってしまうのも理由のひとつかもしれないです。同じような事件が山一證券の後もあったと思います。他の事件のとき、その当事者はどうだったのでしょうか。
Posted by
山一證券が破綻に至った原因を徹底的に追及した面々の物語 個人的に、山一證券の破綻そのものにずっと興味があったので、その内幕を知るために手に取りました 破綻の要因について、内幕を含めて詳細にまとめられているのはもちろんですが、その調査過程、何の見返りのない調査そのものに奮闘する...
山一證券が破綻に至った原因を徹底的に追及した面々の物語 個人的に、山一證券の破綻そのものにずっと興味があったので、その内幕を知るために手に取りました 破綻の要因について、内幕を含めて詳細にまとめられているのはもちろんですが、その調査過程、何の見返りのない調査そのものに奮闘する残された「しんがり」と呼ばれたメンバーの深層心理なども描かれていて、一会社員としての日は過ごしている自分自身とも照らし合わせながら読み進めることもでき、とても面白かったです
Posted by