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スクラップ・アンド・ビルド の商品レビュー

3.3

452件のお客様レビュー

  1. 5つ

    29

  2. 4つ

    109

  3. 3つ

    197

  4. 2つ

    45

  5. 1つ

    7

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2019/11/13

対比がはっきりしている小説。 →https://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12067899154.html

Posted byブクログ

2019/10/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

28歳無職男子の主人公は実家で母親と90近い祖父と暮らしている。 主人公は弱音ばかり吐く祖父を尊厳死させるために色々考える。 主人公と祖父との関係性、心の動きが描かれた作品。 羽田圭介さんの本は全部そうなのか? 初めて読んだからわからないけれど、太宰を意識しているかのような心の動きや表現を感じる。 お爺さんをバカにしてるような感じだけれど、本当は自分の居場所を探していた主人公。 それをお爺さんもわかっていた。 高校生〜大学生くらいの人に読んでもらいたいな。

Posted byブクログ

2019/10/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

高齢者の介護というテーマを、このような形で小説に昇華する発想は予想を超えていた。 うーん、なるほど。 「死にたい」が口癖の祖父には、私だったら「じゃあ早く死ね!!」と言いたくなってしまうであろう。家族ならなおさらそうなってもおかしくない。 が、孫の健斗は「死ね!!」ではなく「祖父の願いを叶えるための手伝いをしよう」と考え、「安楽死」を与えようとする。 その思考の中には死んでしまえと思う自分への罪悪感や、就職活動が上手くいかない自分の現実からの逃避的な意味もあるだろう。(明文化はされていないけれど、人の死を軽く扱う映画を意識的に観るなどそれらの“裏”心理を感じさせる描写が上手。) そして、優しく、祖父の願いを叶える至れり尽くせりの介護によって祖父の行動を奪い、衰えさせて安楽死へ導こうとする。祖父の行動や思考を奪いながら祖父を反面教師にして肉体改造に励み、勉強に前向きに取り組む。この発想は本当に面白い。 で、なんだかんだで情に動かされ、日常のなかの事件により「祖父は本当に死にたいのか?」「いや、生きたがってるのでは、、、?」と思い直す主人公。 かなり屈折してるけどいい孫だよなぁ。 自分だったらなかなかできないだろう。 最終的には祖父の作戦だった?という深読み感想も見かけて、もしそうだったらとんでもないじいさんだな、、、と思いつつ、最後の別れのシーンではイライラさせる天才ながらどこか憎めない死にたいおじいちゃんと卑屈でプライドばかり高いけど素直な孫に、確かに家族愛があることを感じさせる。 あー、面白かった。

Posted byブクログ

2019/07/04

テレビで観た著者のイメージ通り、ちょっと理屈っぽくて、がむしゃらで、でもなんかピュアな話だった。 「早くお迎えが来てほしい」というお年寄りあるある。 返事に困るし、ちょっと面倒、、と思うけれど、自分もいつか言ってしまうのかも。 生き物である以上、生に執着するのは、本能なのでしょう...

テレビで観た著者のイメージ通り、ちょっと理屈っぽくて、がむしゃらで、でもなんかピュアな話だった。 「早くお迎えが来てほしい」というお年寄りあるある。 返事に困るし、ちょっと面倒、、と思うけれど、自分もいつか言ってしまうのかも。 生き物である以上、生に執着するのは、本能なのでしょう。

Posted byブクログ

2019/07/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

祖父はただのボケ老人だったのか、全てを見透かした演技者だったのか、回収されない伏線に疑問が残るが自分は後者だと感じた。祖父はわざと弱っているように演じることで、無職の孫に対し介護をするという役割と存在意義を与えて居場所をつくってあげていたのではないか。後半で就職先が決まり出ていく主人公を祖父は自分のことは気にしないで頑張れと送り出し、互いの顔が見えなくなるまで手を振り続ける場面にも孫を思う祖父の愛情を感じた。

Posted byブクログ

2019/06/14

私の父は難病で、少しずつ症状が進んで要介護になりました。でも車椅子になっても可能な限りは、と自分で車椅子に移動するし、箸が持てなくなってもフォークを握って自分で食事をとります。今後良くなる見込みがなく進行を遅らせるためだけに頑張る父の姿は私には神々しいほどです。私が同じ病気になっ...

私の父は難病で、少しずつ症状が進んで要介護になりました。でも車椅子になっても可能な限りは、と自分で車椅子に移動するし、箸が持てなくなってもフォークを握って自分で食事をとります。今後良くなる見込みがなく進行を遅らせるためだけに頑張る父の姿は私には神々しいほどです。私が同じ病気になったなら早くお迎えに来てほしいという考えてしまうかもしれません。足し算介護、過剰介護。でも介護側がつぶれてしまうわけにもいきません。この本に描かれたことは極端な一面かもしれませんが、介護とはなんだろう、とあらためて考えさせられます。

Posted byブクログ

2019/06/03

じいちゃんと無職の孫を照らし合わせ、無気力なようで、諦めていない二人の言葉のやりとりが、時に非情だったりもするんだけど、互いに気遣うような様子もあり、淡々としていながら、刺さるものがあった。 じいちゃんの長崎弁が親しみやすい。

Posted byブクログ

2019/06/01

この少ないページ数だからこそスッと読み切れたかもしれない。って言うぐらいストーリーに起伏が無く退屈だった。介護に奮闘するわけでもなく、何か楽しみがあるわけでもなく無目的に体を鍛える健斗が体がどんどん弱っていく祖父とかぶる。

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2019/05/28

祖父と孫による息詰まる介護の攻防戦。著者らしい「黒さ」が紛れ込んだ文は悪趣味に感じつつもどこかおかしみがある。全体の描写も見事で、身勝手かつ独善的、老いによるどうしようもない人間的な弱さを抱えた老人の姿や、家族ならではの罵詈雑言、当人の納得以外に報いのない、介護の先の無さ、未来の...

祖父と孫による息詰まる介護の攻防戦。著者らしい「黒さ」が紛れ込んだ文は悪趣味に感じつつもどこかおかしみがある。全体の描写も見事で、身勝手かつ独善的、老いによるどうしようもない人間的な弱さを抱えた老人の姿や、家族ならではの罵詈雑言、当人の納得以外に報いのない、介護の先の無さ、未来の無さなど、介護の醜く汚い場面までちゃんと描いているのは好印象。口汚い母親や老人の客観的描写もさることながら、特に主人公の人物造形がとてもよく、カーディラーの激務の後に無職、その無職期間に一発逆転を狙って宅検の勉強をする辺りは非常にリアルな行動である。自身より弱い老人の姿を身近に置き、緩やかな尊厳死の手伝いをしながら、それを機に一念発起して勉学や筋トレに励むのも面白く、特に筋肉は老齢との対比になりつつ一種の信仰のようでいて微笑ましい。ただ、それらが祖父の掌の上という印象を最後には受けたが、祖父の手ほどきなしでも主人公は自発的に立ち直れたように思う。と、いうのも無職でありながら彼女持ちで、祖父が傍らにいようがいまいが、筋トレと勉強を根気よく続けられるような人間なら、そもそも誰かの作為なしでも十分やれるだろう。それだけの人間だからこそ、最後はそれなりにいい所に就職していくわけだが、現代の若者からの共感はあまり得られないかもしれない。また家庭内介護の実体や無責任な親戚等はよく描けているので家庭内介護経験者は共感する箇所は多かったものの、介護職は主人公の自意識の贄にされた感じがあり、公平性はやや欠いているため、介護職の人の共感は得られないかもしれない。そういう意味では作品としてのまとまりはあるものの、やや読み手不在な部分も感じ、現代性の捉え方に偏りがあるようにも思えた。

Posted byブクログ

2019/05/25

長生きすることが幸せなのか、長生きしてしまい死にたいと思う大切な人のためになにができるのか考えさせられる作品

Posted byブクログ