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夏の裁断 の商品レビュー

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65件のお客様レビュー

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2016/04/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2009年「ナラタージュ」以来の島本理生さんを読んだが、いい意味で変わっていない。 ヒロインが亡くなった祖父の家で膨大な書籍を切り刻み、自炊する。ヒロインの職業が作家という何とも皮肉な設定。 自炊と編集担当男性との恋を重ね合わせた話運びがじつによい。 何となく作家という職業と、ひりひりするような自傷行為めいた恋愛が似ているなと思った。

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2016/03/23

威圧的な編集者・柴田にからめとられる小説家の千紘。子どものころのトラウマとの葛藤や、母親との関係など、様々な環境から自分を追い詰める。 鎌倉の古民家に住む祖父が亡くなり、膨大な蔵書を電子化し、蔵書そのものは処分することになり、スキャナーで取り込むために裁断する。小説家として神の本...

威圧的な編集者・柴田にからめとられる小説家の千紘。子どものころのトラウマとの葛藤や、母親との関係など、様々な環境から自分を追い詰める。 鎌倉の古民家に住む祖父が亡くなり、膨大な蔵書を電子化し、蔵書そのものは処分することになり、スキャナーで取り込むために裁断する。小説家として神の本を裁断する千紘。一方的な柴田との関係に不安を覚えながらも、逃げられない。夏の暑さの中、自分自身の存在を見つめていく。 軽い気持ちで手に取り読み始めたのだが、すっごく重かった。暑苦しかった。読み終わって、ちょっと疲れた。

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2016/02/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

3時間くらいで、ターッと読んだ。 引き込み力がすごい本。 みずみずしいね。 主人公が傷を持ってるパターンがやっぱり多いな。。 本を裁断してるのが、またエロスに拍車をかけてた。さすがの島本節。

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2016/01/10

作家の千紘。訳あって休職中。千紘が好きになった編集者の柴田が曲者なのだ。優しいかと思えば悪魔の表情をちらつかせて千紘をかき乱す。千紘は柴田の退屈しのぎにさえならない。千紘の過去の男性への心と身体の傷が二人の関係を共依存のようにしていく。いや、少なくとも柴田は千紘に依存していないの...

作家の千紘。訳あって休職中。千紘が好きになった編集者の柴田が曲者なのだ。優しいかと思えば悪魔の表情をちらつかせて千紘をかき乱す。千紘は柴田の退屈しのぎにさえならない。千紘の過去の男性への心と身体の傷が二人の関係を共依存のようにしていく。いや、少なくとも柴田は千紘に依存していないので共依存とは言えないか。優しく理解しを示してくれるデザイナーの猪俣の心を裁断し、自分自身を裁断し、何もかも裁断し、千紘の中には結局何が残ったのだろう。何も残らない空っぽの千紘は何で自分の中を満たしていくのだろう。

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2015/11/10

教授のことばひとつひとつが心に刺さる 「選別されたり否定されす感覚を抱かせる相手は、あなたにとって対等じゃない」 私もなんだかんだで柴田みたいな男に弱くて、勝手に好きになって、勝手に傷つくタイプだからなぁ 201511

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2015/11/07

自己評価の低い女の人ばかり書くな、この人は。 それはいいけど、今回の相手の男はタラシっていうよりは突き落とすことにのみ腐心してるような、よくわからない相手で、よって物語もよくわからなかったよ。いつもは最低な男なりになんかルール的なものはあったけど、今回はそういうの皆無だもんなぁ。

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2015/11/01

島本さんは好きな作家さんですが、今回の主人公の千紘にはあんまり感情移入できなかった。 精神的に不安定で、幼い頃のトラウマがある小説家の千紘は編集者の柴田に精神的に支配される。 近づこうとすれば突き放されの繰り返し。 柴田の目的なんてほんとわからなかったし、こんなに面倒な男に関...

島本さんは好きな作家さんですが、今回の主人公の千紘にはあんまり感情移入できなかった。 精神的に不安定で、幼い頃のトラウマがある小説家の千紘は編集者の柴田に精神的に支配される。 近づこうとすれば突き放されの繰り返し。 柴田の目的なんてほんとわからなかったし、こんなに面倒な男に関わらずに、自分のことを好きでいてくれる猪俣くんを見ればいいのに。 千紘はいつまでも柴田に執着する。 幼い頃のトラウマでさえも自分を悲劇のヒロインにするための嘘かとも疑ってしまうし、柴田とのことは録音されたものがあるから現実だとしても、やっぱり被害者意識が強い千紘は、なんだかなーと思う。 誰かに構ってもらいたい、愛されたいんだろうに、本当に自分を愛してくれる人のことは見られずに難しい相手に恋をするのは、千紘にはあわないなーと思った。 少しでも千紘が変われるかなと思えたラストはよかったかな。 個人的には猪俣くんのことを真剣に考えてほしい!

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2015/10/24

なんだろうなぁ。 「トラウマ」って言葉でなんとなくわかった気になっちゃうけど、結局、大人になる前に深い傷を負ってしまった者同士は何か目に見えないもので惹かれあってくっついて傷付けあってそれでも離れられずにどんどん堕ちていくしかないのかな。別の、ある意味健全な誰かに引っ張り上げても...

なんだろうなぁ。 「トラウマ」って言葉でなんとなくわかった気になっちゃうけど、結局、大人になる前に深い傷を負ってしまった者同士は何か目に見えないもので惹かれあってくっついて傷付けあってそれでも離れられずにどんどん堕ちていくしかないのかな。別の、ある意味健全な誰かに引っ張り上げてもらうしか自分で決着付けることは難しいってことか。 千紘に猪俣くんがいてよかった。

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2015/10/19

 薄氷を踏むような、という慣用句がある。  この言葉が似合う小説だが、いや薄氷踏みぬきましたから! 割れてますから! 見るからに危険ですから! 逃げて!って言いたくなる。  正直、薄気味悪い。湿度の高い夏に、濡れている服を着ているような、風呂に入っても髪の毛がまとわりつくような感...

 薄氷を踏むような、という慣用句がある。  この言葉が似合う小説だが、いや薄氷踏みぬきましたから! 割れてますから! 見るからに危険ですから! 逃げて!って言いたくなる。  正直、薄気味悪い。湿度の高い夏に、濡れている服を着ているような、風呂に入っても髪の毛がまとわりつくような感覚があった。  このヒロインは新しいというか、なんというか、見たことない……。好きか嫌いかで言えば嫌いだけど、なぜ彼女が作家として生きていられるのか、何を書く人なのか、興味をそそられる。

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2015/10/17

よくわからなかった。 この作家さんのお話は基本的に何を読んでもよくわからない。 大体、この人病んでる…という人が登場して、その人の気持ちが描かれているんだけど、どうしても私にはよくわからない。 鈍感なのかな? 過去に起こったことを引きずらずに生きていくのは難しいのかもしれないけれ...

よくわからなかった。 この作家さんのお話は基本的に何を読んでもよくわからない。 大体、この人病んでる…という人が登場して、その人の気持ちが描かれているんだけど、どうしても私にはよくわからない。 鈍感なのかな? 過去に起こったことを引きずらずに生きていくのは難しいのかもしれないけれど、それにしたって、なにしたっていいわけではないし、自分のだらしなさを全てそのせいにするのはどうしても受け入れられなかった。 もう、この人の本は読まないかな?

Posted byブクログ