晴れたらいいね の商品レビュー
亡くなった祖父を思い出した。 もっと戦争の話を聞いておけば良かった。 あの時にどんなことを感じていたのだろうか。
Posted by
藤岡先生の戦争を描いた作品。 突然、戦時下の従軍看護師に入れ替わる「タイムスリップ物か!」と既に何処かで使いまわされた手法で幕があがります。 しかしながら稀代のストーリーテーラー。登場人物達がとても魅力的で、読ませてくれます。 タイムスリップした主人公が見た道徳観を描きながら戦争...
藤岡先生の戦争を描いた作品。 突然、戦時下の従軍看護師に入れ替わる「タイムスリップ物か!」と既に何処かで使いまわされた手法で幕があがります。 しかしながら稀代のストーリーテーラー。登場人物達がとても魅力的で、読ませてくれます。 タイムスリップした主人公が見た道徳観を描きながら戦争の凄惨さを描いてます。その時間軸で、今の今まで元気にしてた人物が次の1行で突然死んでしまうという戦争の凄惨さも表現してます。 まさか、タイトルがド◯カ◯の唄とは! そして残りのページも少なくなって終戦も間近になった頃… 気がついたら物語の中にどっぷり浸かっていました。
Posted by
一時的にでも戦争体験を共有する話しです。戦中派とよばれる人々の体験とだからこそ生まれた願いを知りました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
星が消えていく時って人が死ぬのに似ているの。 いつの間にかなくなっているの。 ただ人は星と違って、明日また同じ場所で光ることはないのよね。消えたらそれで終わり。 (本文より) 1944年のマニラに、 別人としてタイムスリップをした高橋紗穂。 現代とは異なる時代に戸惑うことばかり。 今では当たり前のことが、 当時にとっては当たり前ではない。 衛生管理、階級による治療の差…。 “もし自分だったら“と考えるからこそ、 当事者意識をもてるのだと感じました。 戦争のことを学んだり、報道されたりしていても “昔のことだから“、“遠い国で起こっているから“と無意識のうちに考えてしまっていたような気がします。今だって起こりうるかもしれない。 もし自分だったらという視点を大切にしていきたいです。
Posted by
主人公がタイムスリップして過酷な状況にもめげず戦争中の従軍看護師として奮闘する姿に感動しました。平和であることの素晴らしさを感じるお話でした。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「戦争って、誰のためにあるのかしらね。ヘイセイでは教わらなかった?」民子が星を見上げて呟く。ヘイセイの私たちも、「平和であることを祈り、感謝する」ことしかできなかった。 看護師・紗穂が、1944年のマニラへ従軍看護婦としてタイムスリップする物語。終戦までの1年間、当時の戦時の描写が悲惨で痛々しい。 「私は、自決なんて絶対しません。誰のためなのかもわからない、こんな戦争なんかで死にたくない」紗穂の叫びは、そのまま、戦争への怒りに繋がる。それは、平成であろうと、昭和の戦時下であろうと、思いに違いはない。 私たちは、平和である今、起こるかもしれない戦争に対して、紗穂の叫びを胸に刻まなければいけない。 最後に、「坑道病院」での秘話が語られる。日本は”人間”を大切にしない国です。こんな残酷な施設に閉じ込めて看護するより、ここでこそ、手榴弾を渡すべきだったのではないですか、もし、誇り高き最期というものがあるとするならば。一人の兵士が白旗を揚げて、投降することが、なぜできなかったのか、悩みます。天皇ですら、敗戦を認めたのに。
Posted by
現代の人が昔にタイムスリップする設定はよくありますが、現代の看護師が戦中の従軍看護婦にのりうつってからの、戦争下での病院の様子や苦労、また絶望的な状況下でも希望を失わない主人公の精神力など、丁寧に描かれていると思いました。ラストでの展開が素晴らしかったです。ちょっとこの作者の他の...
現代の人が昔にタイムスリップする設定はよくありますが、現代の看護師が戦中の従軍看護婦にのりうつってからの、戦争下での病院の様子や苦労、また絶望的な状況下でも希望を失わない主人公の精神力など、丁寧に描かれていると思いました。ラストでの展開が素晴らしかったです。ちょっとこの作者の他の作品を読んでみようと思います。
Posted by
2015年、看護師として働く高橋紗穂は、95歳の患者雪野サエの容体をみていた。すると3年間目を覚さなかった雪野が急に意識を取り戻し、それと同時に大きな地震が起きて、紗穂は意識を失ってしまう。 …そして目が覚めると、そこは太平洋戦争中のフィリピン、マニラで、周りの人たちは紗穂のこと...
2015年、看護師として働く高橋紗穂は、95歳の患者雪野サエの容体をみていた。すると3年間目を覚さなかった雪野が急に意識を取り戻し、それと同時に大きな地震が起きて、紗穂は意識を失ってしまう。 …そして目が覚めると、そこは太平洋戦争中のフィリピン、マニラで、周りの人たちは紗穂のことを雪野と呼ぶ。 そう、紗穂は終戦まで後一年の時期に、当時従軍看護婦だった雪野サエになってしまったのだ。 そこからは流れるように読み進められました。 紗穂は早く平成の日本に帰りたいと思いながらも、戦友(と呼んでもいいだろう)たちと、兵隊の看護に明け暮れる。どんどん過酷な展開にもなっていくのだが…どんな風に過酷かは読んでみてほしい。 読み進めていくうちに、同僚でサエの親友の美津や、美人だけど皮肉屋な民子、婦長さんたちなど登場人物たちのバックボーンが分かっていき、どんどん愛おしくなっていくのでおすすめ。 だからこそラストは泣ける。 というか、いくら現代の看護知識と経験があるとはいえ、主人公のガッツはなかなかのものだ。いや、ガッツありすぎ。 いくら戦時とは異なるブラッシュアップされた教育や思想、知識を持っているとはいえ、なかなかこのよくわからない状況で上長に自分の意見を押し通すなど、ここまでパワフルに立ち回れないだろう。しかも1回や2回じゃない。主人公の生来のタフネスと明るさの賜物だろうか。 私なら辛すぎて精神病棟行きだったかもしれない。 ところで作中で歌われ、タイトルにもなっている「晴れたらいいね」はドリカムの朝ドラ主題歌だったんですね。調べて聞いてみました。このアップテンポの歌を険しい道を歩きながら歌うのは大変だっただろうな〜と平凡ですみませんが思いました。 ただすっごく印象に残るメロディですね。当時の看護婦たちは、この新鮮なメロディを歌いながら気持ちが明るくなったのでは。 紗穂は2015年時点で24歳。紗穂が生まれたくらいのころの歌なので、何か歌ってとリクエストされてこの歌が出てくるのは珍しいな、と。親がよくきいてたのかな?とかいろいろ思うけど、なぜ紗穂がこの曲をなんとなく歌ったのか気になるので書いて欲しかった。 なにはともあれ、よかったです。 現代の看護師が戦時中の従軍看護婦と入れ替わりタイムスリップだなんて、なかなかキャッチーで面白い。 ティーンズの読者にもとっつきやすくて、看護と戦争、両方学ぶのに良いのではないでしょうか。 さまざまな登場人物の立ち回りについて思いを抱くのもいいかもしれません。 最後に、紗穂がサエになっている間のサエさんの記憶はどうなってたんだろう、というのが不思議なところ。
Posted by
現代の看護師がタイムスリップして戦時中のフィリピンのマニラに行ってしまった。経験した事のない戦争体験、看護師としての兵士への対応、悲惨な実態を経験することになる主人公高橋紗穂、ハラハラドキドキの展開、終戦の日が早く来ないかと祈る気持ちで読んでしまいました。戦後70年にふさわしい作...
現代の看護師がタイムスリップして戦時中のフィリピンのマニラに行ってしまった。経験した事のない戦争体験、看護師としての兵士への対応、悲惨な実態を経験することになる主人公高橋紗穂、ハラハラドキドキの展開、終戦の日が早く来ないかと祈る気持ちで読んでしまいました。戦後70年にふさわしい作品だと思います。この作品を読んで心が晴れたらいいね。
Posted by
高橋沙穂ちう若い看護師が、ふとしたはずみに担当患者の雪野サエという老婆の記憶の世界に迷い込む。そこは、終戦間際のフィリピンで、沙穂は、従軍看護婦として働いていた雪野として戦地での壮絶な1年間を体験するというお話。筋立てとしては荒唐無稽に見えるが、ほとんどが戦時中の話で、平和な時代...
高橋沙穂ちう若い看護師が、ふとしたはずみに担当患者の雪野サエという老婆の記憶の世界に迷い込む。そこは、終戦間際のフィリピンで、沙穂は、従軍看護婦として働いていた雪野として戦地での壮絶な1年間を体験するというお話。筋立てとしては荒唐無稽に見えるが、ほとんどが戦時中の話で、平和な時代の若者が見た戦地というストーリーになっていて、これはこれで面白い。あまり生々しい描写は多くないが、戦争末期の戦地での従軍看護婦たちの壮絶な生き様の一端を教えてくれる。感動もののラストが待っている。
Posted by