ジャイロスコープ の商品レビュー
一話目が感動するほど面白かった。伊坂幸太郎の描くキャラクターはいつも変っていて憎めない素敵な人々なので、短編で終わってしまうのが惜しい。
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この短編集は伊坂幸太郎さんの大ファンである私が読み逃していたものです。 あえて、各短編のストーリーや感想は書かないで、巻末のインタビューが伊坂さんの作品歴なので抜粋して(平成27年に書かれたものですが)伊坂さんの作品歴を振り返ってみます。 十五年を振り返って 伊坂幸太郎インタビ...
この短編集は伊坂幸太郎さんの大ファンである私が読み逃していたものです。 あえて、各短編のストーリーや感想は書かないで、巻末のインタビューが伊坂さんの作品歴なので抜粋して(平成27年に書かれたものですが)伊坂さんの作品歴を振り返ってみます。 十五年を振り返って 伊坂幸太郎インタビューより ○この作品は文庫のオリジナル短編集。デビュー十五年目という節目なので”文庫のおくりもの”的なものを作ってもいいんじゃないかと思った。 ○デビュー作の『オーデュボンの祈り』から最初のほうは何も考えず、ひたすら自分が書きたいと思ったものを一つずつ、完成させていった。『ラッシュライフ』『陽気なギャングが地球を回す』『重力ピエロ』『アヒルと鴨のコインロッカー』『グラスホッパー』『砂漠』『オー!ファーザー』あたりまでが第一期。小学生期。 ○『ゴールデンスランバー』『モダンタイムス』『あるキング』『SOSの猿』第二期。 ○『マリアビートル』は昔に戻って書いた小説。 『ガソリン生活』は「実験的」な作品だけど自信作。 ○『夜の国のクーパー』『死神の浮力』『火星に住むつもりかい?』は「怖いこと三部作」 「戦争」「自分の死、大事な人の死」「魔女狩り的な世界」という心から恐ろしいと思っていることがそれぞれの底にある。 ○阿部和重さんとの合作『キャプテンサンダーボルト』は大学受験を終えた高校生のような感じ。 ○長篇は自分の一番やりたいこと、自分のために書くだけ。短編はそれに比べて読者のことを考えて、「面白い仕掛け」「驚きのある展開」を用意しようと思う。長篇よりも短編集のほうが読者に人気がある気がする。 『チルドレン』『死神の精度』『終末のフール』『バイバイ、ブラックバード』『残り全部バケーション』『アイネクライネナハトムジーク』 私はやっぱり伊坂さんの初期(小学生期)の作品が好きだなあと思います。 でも、私が迷いに迷ってブクログの本棚で伊坂さんの作品No1に挙げた『マリアビートル』は第二期に書かれているけれど、昔に戻って書かれた作品だからやっぱり選んだんだと納得しました。 本当はNo1は『オーデュボンの祈り』でも『陽気なギャングは地球を回す』でもよかったのですが、少し新しい作品を入れておいた方がいいかもと思いあえて選びました。「昔みたいな作品だって書けるんだよ」と言う意味で書いたと伊坂さんはおっしゃっています。 『マリアビートル』ハリウッドで映画化、おめでとうございます!
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幻想×SF×少しミステリ?要素もあった。 伊坂作品では珍しいテイストの短篇集だったけど、 どのジャンルも好きだからか楽しく読めたし、 摩訶不思議なこの世界に、また浸りたいと思った。
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始めは伊坂幸太郎っぽくないと思い、なかなか進まなかったけど やっぱり優しさに溢れてる作品でした。 特に「後ろの声がうるさい」が良かった。 今までの登場人物が出てきて繋がってるのが面白かったし、 父と子が思いやりをもって忘れずにいたのが感じられて、優しい気持ちになった。 立て続けの伊坂幸太郎作品。 優しさと繋がりってやっぱり、すてき。
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面白いというよりも作業のような伏線&回収だった。伊坂幸太郎さん好きだったけど飽きたかな?と思わせるような感覚を覚える作品でした。
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浜田青年ホントスカ スーパーホイホイの説明から始まり、プレハブ小屋で相談屋を営む稲垣さんと浜田青年の奇妙なお話。 短編のため、話に出てくるものすべてが結末と関わっていて読んでいる時にこれなんだっけとなることが多かった。 ギア 男女複数人がフォルクスワーゲン似のバスに載せられ行先も告げられず、どこかに向かいながら殺人や、おかしなスパムメール、人類を脅かすセミンゴが登場するお話。セミンゴが一体何を表しているのかわからなかったし、登場人物のつぶやきもなにか意味があったのだろうが、わからなかった。 2月下旬から3月上旬 入院している母と、痴呆の疑いがあって死んだ父、その2人の息子の慈朗、小学校からの慈郎の友達のジョンの話。読んでいるうちはほっこり系の話かなと思ったけどジョンと2人でファミレスに居て、お会計をする時の店員の反応を見てほっこり系ではないと感じた。 題名の意味もわからず、なんだか不気味な話だった。 if 通勤のために毎日同じバスの同じ位置に乗る山本がバスジャックに遭遇してしまう話。 もしあの時〜していれば、バスジャックに合わなかったかもしれないから、もしあの時〜していれば、バスジャックを未然に防げていた。だから今回は と、前向きな考えになっていたのが面白かった。 1人では無理がある ある母親が、娘からの緊急の電話がかかってきた所から始まる。ホラー系の話かなと思ったが、次のシーンでは新たな登場人物が出てきて、会社員の話に入る。 突然の物語の主旨チェンジに驚いたが、最後はスッキリして終わった。 題名の意味もその通りだなと思った。 彗星さんたち 新幹線の車内清掃をする女の人の話。 正直に言ってつまらなかった。伊坂さんらしくなく、物語も平坦でこれまでの話と比べると伏線もなく一定のスピードで緩やかに話が進んでいる感じで面白さを感じられなかった。
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楽しい話も、もやもやする話も、ちょっと怖い気持ちになる話も入った短編集。巻末のインタビューを読むと、なんとなく判ったような気にはなるけど、私は伊坂作品は長編の方が好きかな。
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伊坂幸太郎作品だな〜と思いつつも、あまり私の肌に合わなかった。今まで読んできた作品はラストの伏線回収に爽快さを感じたが、今回の短編は不思議さを残したまま終わることも多いのでそのせいかも。文章自体はテンポ良くて面白い。
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★3.5助言あります?稲垣は殺された? セミンゴって何?笑最後の終わりかた、語り手は誰? If日付は連続してるように見えるが、年が10年単位で違う感じか。 一人で無理があるサンタの話。間違えたらそれが、命救うってすごい。閉じ込めれた子供にドライバー。襲われた親子に鉄板とか。一人でサンタクロースがプレゼントを配るのは無理があるね。新幹線の清掃員さんの話。新幹線乗るからしっかり感謝しよ。 後ろの声がうるさい 稲垣さん生きててよかった。坂本ジョンもいた。記者と中年親父は親子なのね。最後に見事詰め込んだ。
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あとがきで著者自身が書いていますが、「ザ・伊坂さん」ではない作風の話もあってちょっと珍しい気持ちで読みました。個人的には、「一人では無理がある」が一番「ザ・伊坂さん」な感じがして、かつ、明るく軽快な雰囲気で一番好み。この会社をメインに据えて長編小説書けそうですよね。 収録作の中では一番短い「if」は、先日「逆ソクラテス」ヒット記念の無料小冊子「無事故で終われ!」を読んでいたせいで、A章&B章構成にすっかり騙されました(笑) やはりあとがきにあるように、「彗星さんたち」は伊坂さんには珍しい女性視点が新鮮でしたが、身近にいそうな人たちがわいわいと出てくるので、読んでいてほっこりしました。良い格言がたくさん出てくるなぁと思っていたら、まさかの全部パウエルさん……やるなパウエルさん(笑) 一番異質に感じられたのが「ギア」。この手のカオスな話はあまり得手ではないのですが(汗)、セミンゴの「一匹いたら十匹いる」生態は面白かったです。
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