何者 の商品レビュー
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すっごい、めちゃくちゃ読みやすかったし、面白かった。 就活が始まりそうだし有名だし読んでみるか、と思って図書館で借りたのがきっかけ。説明会の帰りとかにスーツ着て電車で読んだのが少し恥ずかしかった笑 ツイッターへの書き込みでいかにも意識高い系の文章が多くて最初はうわぁ、いるいる、こーゆー人、、って主人公の拓人の気持ちにとても共感していた。でも、後半の理香にめちゃくちゃ言われるシーンで理香も自分のかっこ悪さを自覚してもがいてることを知って、凄いなぁと思った。めちゃくちゃ痛いところつかれて、私も辛かった(・・;) みんな5年生ということを最初に書くんじゃなくて最後の方に持ってきたり、拓人の裏垢ツイートを最後に羅列してあって、最初から最後まで飽きずに読めたしもう一回答え合わせとして読み直したいシーンも多かった。 観察者でもいいじゃんって思っちゃったけど、それをみんなが見えるところに匿名でも書いてしまっているのが良くないのかなぁ。でも自分が就職留年しちゃってる立場だったら、そうやって少し優位に立って皆を俯瞰していないと立ってられない気もするから、拓人の気持ちは非常に共感。ただ、人を見て自分は動かず意見を言うだけなら簡単だもんね。ちょっと反面教師にもなった。
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昔読んだけれども、みんな何者かになりたがっている、みたいなフレーズをまた読みたくなって2回目の読了。 就活というテーマで人間性について書く。 頑張っている過程を見てほしいと発信すること。頑張っているのがかっこ悪い友だちを俯瞰して見ている、そんな自分は何者にでもなれた気でいるのか...
昔読んだけれども、みんな何者かになりたがっている、みたいなフレーズをまた読みたくなって2回目の読了。 就活というテーマで人間性について書く。 頑張っている過程を見てほしいと発信すること。頑張っているのがかっこ悪い友だちを俯瞰して見ている、そんな自分は何者にでもなれた気でいるのか。 人間の多面性や他人への評価、共感できるなあってところが多くて、この本を読む時間が私は好きだと思った。
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面白くて一気に読んでしまいました。 就活で自分の存在意義に自信をなくしたり、見栄を張って人と違うことにこだわったり、自分の頑張りをSNSで発信したり。自分の就活がどんなだったか詳しく覚えてはいないけど、足掻く気持ちがリアルに伝わるお話でした。最後に意外な展開も。 面白いながらも自...
面白くて一気に読んでしまいました。 就活で自分の存在意義に自信をなくしたり、見栄を張って人と違うことにこだわったり、自分の頑張りをSNSで発信したり。自分の就活がどんなだったか詳しく覚えてはいないけど、足掻く気持ちがリアルに伝わるお話でした。最後に意外な展開も。 面白いながらも自分の考えも一歩深まった気がして、良本でした!
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朝井リョウさんの直木賞受賞作品「何者」 著者の作品は以前読んだ「正欲」以来2作品目。 物語の題材としては好きではない「就活」がメインの物語。 直木賞作品だったのでそうと知りながら読んでみたのだが、やっぱり「就活」の絡む作品はのめり込めないし好きじゃない。 以前朝倉秋成さんの「六...
朝井リョウさんの直木賞受賞作品「何者」 著者の作品は以前読んだ「正欲」以来2作品目。 物語の題材としては好きではない「就活」がメインの物語。 直木賞作品だったのでそうと知りながら読んでみたのだが、やっぱり「就活」の絡む作品はのめり込めないし好きじゃない。 以前朝倉秋成さんの「六人の嘘つきな大学生」を読んだ時も思ったのだが、自分が大学進学、大学生活、就職活動のいずれも経験していないから、なんだか全てが絵空事のように感じる。 自分自身、当時は物欲が本当に強く欲しいものが多すぎて働いて稼ぎ手に入れるしか方法がなかった。高校生から学校以外の時間、学校もサボり気味にバイト、18歳から焼き鳥屋の社員として働きまくっていた。暇さえあれば働いていた。 作品の登場人物達が大学生活、就職活動を行っている時分、自分はというと掛け持ちも含め月/400時間以上毎月働いていた。 当然金銭的な援助も受けておらず、それでも月収50万を下回る事はなかった。 そんな生活をしていた為、大学生活、就職活動の話を自分とリンクさせてみても、自分にはなんだか別世界の物語として実感が持てなすぎている。 言い方は悪いが甘すぎると感じてしまう。生活費や大学にかかる授業料諸々の費用などほぼ全額自己負担している人など極少数だろう。 その環境の中で馴れ合うように同じ道を歩めば馴れ合いの歩様にしか自分には見えない。 10代後半~20代前半の自分と物語との生活スタイルのギャップを埋められない、逆に埋めたくない反発心から歩み寄りたくない感情が強く、何故か毎回自分には否定したくなる気持ちが芽生える、コンプレックスなのかもしれない。 そして自分には「仕事」に対して強烈なプライドと信念がある。 だからこの題材の作品は素直に読めない。 そして「何者」というテーマ。 こちらに関しても自分の両親、周りの大人の方々、焼き鳥屋の社長、自分の意見を尊重しつつ本気で厳しく接してくれ、追い詰められ考えさせられ自分という人間を形成してきたおかげで、かなり早い段階から自分が何者になりたいのか?なるべきか?そのためにどうすべきか?常に気づかさせていただいてきた。当時はきつく苦しかったが今にして思えば恵まれていたと感じる。 多分に同年代の主となる傾向とは違う道を好んで選んで進んでいたが、自分を取り巻く人達が力強く後押ししてくれていた。焼き鳥屋の社長には引っ張り上げてもらった感じまである。感謝しかない。 物語の登場人物達も作中でグチャグチャな人間模様を見せたが、仮に自分がこの中にいたらもっと酷い感情を剥き出しているだろうななんて感じながら読んでいた。 あまりにも前段階で他人との接触が無さすぎる。 大学生同士、同年代同士、自分と似た環境や境遇や傾向の人々としか濃密なコミュニケーションがとれていない為、他の生き方、他の生活、他の考え方、他の道を選べない、皆と同じ様な型にはまることしか正解としか思えていない。 他の事を後押ししてくれる人が皆無。周りの人物達の力弱さを感じさせられる。 自分は年も重ね、かつて自分がそうしてもらっていたように若い人達に自分が背中を押し、引っ張りあげる方になっている。 何に対してもいっぱい経験する事だ、いっぱい知る事だ。経験したことは数を重ねれば自信になる。 自信になればそれが自分の武器、強みになる。そこでまた発展して考えればその武器は鋭利さを増し幾らでも社会で戦える。 自信が最終的には自分の背骨となりいつでもしっかり立っていられる。 後は気持ちの問題、周りを取り巻く人達が幾らでも本気で背中を押してあげればそれでいい。 偉そうに書いてしまうが「就職活動」大学生達は前段階でその原点の自分の武器をしっかり掴んでほしいなと思う。
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他の朝井リョウ作品に比べると刺さり方がイマイチだった。(まだ就活が現実的な段階でないからかもしれない)それでも、途中までは拓人を主人公にほかの人々の痛さを語り、確かにとなっていたが最終的に薄々感じていたが拓人や理香の性格の悪さが露呈して面白かった。サイドストーリーの何様も読もうと...
他の朝井リョウ作品に比べると刺さり方がイマイチだった。(まだ就活が現実的な段階でないからかもしれない)それでも、途中までは拓人を主人公にほかの人々の痛さを語り、確かにとなっていたが最終的に薄々感じていたが拓人や理香の性格の悪さが露呈して面白かった。サイドストーリーの何様も読もうと思った。
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文体やテーマがやや若者的な印象があり、手に取る機会がなかったが日経新聞夕刊への連載を機に代表作を読んでその魅力に正直 驚いた。読み易く軽いタッチでありながらストーリーとしての無駄が少なく、後半で期待される結末にラストで応える展開の上手さも他に類似性を感じない面白さだった。
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就活が始まる前に読んでおきたかったため、早めに読了。きっと社会において自分は何者でもあるし、何者でもないんだと思う。
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就活の話。 私自身が就活始めたてというのもあってかなり刺さりました。 表面上の現実でのやり取りと、SNSでの立ち振る舞いの対比がなんともグサグサくる...!!! あ〜こういう人いるいる!と主人公目線の評価に納得していると、最後主人公自身が批判されて、客観的に見ていたと思っていた評価が覆されるというか、読者自身も批判対象に引きずり出される感じが!!恐ろしい!! さすが朝井リョウでした。人生何周目なんだろう?怖いです。笑 本当に人の心理描写を鋭く書かれるなあと思いました... 単純に心理描写だけでもかなり面白かったですし、最後のどんでん返しもびっくりしたなあ。 グサグサ来てかなりHP削られましたけど、作品としてかなりレベルが高く面白かったです。 就活がんばろ...
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めちゃくちゃに面白かったです。 解説も面白かったです。 いったん解説の話したいんやけど解説書く人ほんとすごいっていうか、なんかさ、読み終わった後って色んな感情あるんやけど言語化できんくてもどかしくなると言いますか、まぁ今回も完全にそれやったんやけど三浦大輔さんがすごくわかりやすく言語化してくれたなーって思って、っていう気持ちです。 「『何者』の魅力は、主人公の立場で感情移入し、安全な場所で傍観していた読者が、いきなり当事者に変わるところ」マジこれなんよ!ってなった。 もうほんと自分が恥ずかしくなったね。 何が恥ずかしいって、どうしても自分が当事者って認めたくなくて、「いやでも俺はTwitterやってないし、そーゆーの嫌いだし」とかまだ自分が違うってところを探そうとしとったところね。 なんか人より色々考えてる、人より優れてるって思いたかったっていうか、思っとったのがもう朝井リョウにはバレバレなのがほんと恥ずかしい。 どんでん返しすごいぜこりゃあ。 ただ最後の「長所は、自分がカッコ悪いことを認めることができた」っていうセリフ、なんか救われた気がしました。 大学2年に上りたての僕ですが、この段階で読めてよかったって心底思えた。
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読み進めていくうちにその人その人の見方が変わって引き込まれた。あまり得意なストーリーではなかったが、面白かった
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